2006/09/10(日)アンプ試聴ブラインドテスト大会

アンプのブラインドテスト大会

参加エントリーは次の4種類。

  1. TA-2020SPキットによるD級アンプ
  2. Sansui α-707
  3. Sansui D907Limited(修理&コンデンサ置き換え品
  4. 電流出力アンプ

スピーカーは自作のFE83Eバックロードホーン(フルレンジ)です。1と4の写真があるのですが、オーディオマニアーな方に言わせたらナメてるのか? って話ですよね(笑) ティッシュ箱がTA2020で、ワニ口クリップな方が電流出力アンプです。

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結果から言いますと、TA-2020SPはきれいなんですが、低音と中域の厚みで惨敗。2、3、4が残りましたが、4は中抜け(中域抜け)がいまいち解消されていないことを見抜かれ負けました*1。最終的な勝者は3のD907。修理費だけで2~3万以上かかってますから、これで電流出力アンプに負けたときには目も当てられないのですが、でも逆に言えばあと若干中抜けを解消すれば勝てる可能性のあった勝負でした。

というわけで不足部品を調達して最終的に修理完了したD907Limitedを今自宅で鳴らしてますが、SNの高さから中域、低域の量感、定位と、こいつはすごいアンプだとあらため実感してます。入手から今日まで約1年かかってますが、苦労してなおした甲斐がありました。

とはいえ電流出力アンプ。部品代約3000円なのに、低域の量感やキレ、中域の厚み、高域の伸び、どれを取ってもあの巨大アンプに負けてません。というわけで、今度はディスクリート電流出力アンプ作ります、確実に作ります。サイズだけが能じゃないということを、これでもかと思い知らせてくれますね。

*1 : 松任谷由実のボーカルの厚みというか高い部分だけあって低い部分がないので声が若干違ってきこえる

TA-2020SPは低音が出ない?

一人惨敗したTA-2020SPですが、その後作者のアニ丸さんと一緒に色々試行錯誤。入力カップリングコンデンサにフィルムコンの2.2uFがついてたのですが、そこへパラに(たまたま余っていた)100uF Muse FGをつけたら音が一変。低域がグっと出るようになりました。あとコンデンサの種類で音が変わるというのもわかりました。なるほどこれが味付けなんですね*2。電源には約4700uF×2のコンデンサ付いてますし、別にTA-2020に限った話ではないですが、電源最重要、続いてカップリングコンデンサという感じなんだとあらためて思い知りました。

時間もなかったので軽く試聴しましたが、これもまたSansuiアンプに全く負けてないですよ。なかなかにすごい。しかしこの状態でブラインドテストできなかったのは非常に残念でした。

さてこんなテストをしていたら、入力カップリングコンの充電電流で、またもFE83Eを焼いてしまいました(涙) はぁ……。ユニットの値段は諦めが付くのですが秋葉原まで買いに行くのが大変なのですよ*3

余談ですが、TA-2020をPCのスイッチング電源で駆動してみたところ、低音は出るようになりましたが音質はお世辞にも褒められるものじゃなくなりました。具体的に言えば、音の表情の豊かさや綺麗さ、ゆったり感が消えて、ちゃんと鳴っているのですが実につまらない音がします。オーディオ用電源としてスイッチング電源使用禁止というのは当たり前の話ですが、実際確認でたので面白かったです(笑)*4

*2 : たしかにMuse FGは高域が伸びて中低音に厚みがありました

*3 : 旅費よりユニットの方が安いわけですから……。あとユニットのエージングが面倒というのもありますが…

*4 : 知らない人は居ないと思いますが一応説明しておきますと、電源がいかに綺麗か(ノイズを含まないか)が重要なオーディオの世界においてスイッチング電源という原理上高周波ノイズをたくさん含む電源を使用することはナンセンスなのです。

NJM2073ヘッドホンアンプ

NJM2073なヘッドホンアンプで事件が起きました。単3電池2本で動く何の変哲もない極ありふれたヘッドホンアンプ。これもanimaru氏の作成物なんですが、自分が「アンプは電源が重要なんだよ」と念仏のように唱えながらゴミの中から膨れてないコンデンサを選別して低インピーダンスコンデンサ大量投入(しかも勝手に(笑))。その量10000uF越え。ついでに、出力コンデンサにも、PC用低インピーダンスコンデンサの1000uFを投入(笑)

みなさんよくご存じのとおりNJM2073というのは1個100円ぐらいのごくありふれた、電子工作入門者向けと言っても過言ではないぐらいチープなICです。お世辞にもオーディオとして良いなんて聞いたことはありませんし、自分も数年前に秋月のキットを作りましたがあまりに使い物にならなくて(音悪い)ゴミと化してます。少なくとも、ケーブルもただのリード線による空中配線ですし、何一つ凝ったことはしてないこの回路、全体で1000円ぐらいでしょうか?

試聴してみるとそこそこいい音がしました。改造前に比べると高域は伸び低域は程よく出てノイズも減りました(でもまだノイズは残っています)。なかなかよさげなので、とりあえず自分も1つ作ることに(笑)