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2009/02/15(日)回路を改造するときはご注意を
回路の変更?
ネット上のごく少数のサイトで「入力信号を抵抗に通すと音が良くない(まぁ、確かにそうではあるんですが…)」と書かれている所為により、どうやらここの部分をキャンセルしてしまっている人が多いようです。
評価回路で正常な動作が見込めないケースについて。(司さん)
耳の痛いお話で……。
少数のサイトってこのサイトを含めたことなのですが、一応こちらでも注意しておきますとどのサイトのものでも回路は無闇に変更しませんように。
他のサイトの方がどうお考えかはわからないので、このサイトでのお話をしておきます。アンプ等をまとめた記事に書くときは*1、L性を持つ入力や色々な容量のコンデンサ、コイル、ヘッドホンやイヤホンなどの複数接続、抵抗・コンデンサ・コイルの並列/直列接続などで入念に確認を行い、矩形派の応答をみるなどして、通常想定される使用ではほぼ発振しないことを確認した上で公開しています。*2
簡単・単純に見える回路構成でも、説明には書かれていない、動作の安定性を担保するための工夫が隠れていることがあります。ですから、無闇に回路や電源電圧を変更すると、想定外となりうまく動作しないことがあります。
このサイトでは、なるべく丁寧に回路変更時の考え方をフォローするよう心がけていますが、それが書かれていない場合は「基本的には変更しない」ということを気を付けてください。
例えば
直列抵抗による音質劣化と抵抗バイパスの話がやり玉にあがっていますが、それをやっていいケースとやってはいけないケースがあります。それは回路によります。
ついでに言うとA47式というのは、何も考えずに組むと比較的発振しやすい回路です。それはオペアンプを2段重ねたことによる動作不安定の増大*3と、A47の「47」の名前の由来となっている出力の47Ω(51Ω)前後の抵抗が、オペアンプをさらに不安定にしています(参考情報)。
ネットに公開されている回路図というのは、意図して設計された値のものが多いので、あまり無闇に回路や電圧を変更しない方がよろしいと思います。もしくは、変更してうまく動かないときは「元回路図」に戻しましょう。
2009/02/13(金)EAGLE と MBE
諸事情でEAGLEというPCB CADでプリント基板引いてるんですが、使いにくくてしょうがない。PCM2702 DACはMBEで引いたんですけどそっちの方が効率がいい。
- EAGLEの良い点
- Netlistがあるため、回路図の接続と基板上の接続に齟齬がでない。
- 部品機能で、部品を部品として1単位で扱える。
- EAGLEの悪い点
- どんなに簡単なものでも、シンボルパターン、パーケージパターン(基板パターン)を作成し、相互に端子を結びつけなければならない。部品登録が面倒くさい。
- PCB設計時の初期状態の端子接線がうざすぎる。
久しぶりにEAGLEを使ったら、PowerとかINとかOUTとかSupとか端子に属性を設定できるようになってたんですが、よく勝手が分からず設定したら当たり前だけどエラーで怒られた。出力端子が電源に繋がっていると怒られたり……いやそこ電源のスイッチだから*1。それ以前の問題として、ピン属性設定自体が面倒くさい。ただでさえ面倒くさい部品作成の面倒くささに拍車をかけてくれます。
これは無視すればいいのですが、困ったのはPCB設計時の初期状態の端子接線がうざすぎる。部品配置やクロスがない配線や綺麗なパターンをを考えるのにものすごく邪魔。
MBEは回路図から部品配置と信号線の引き回しを最優先しなからパターンを考えるのにとても便利。
- MBEの良い点
- シンプルで余計な制約がなくとても快適。
- MBEの悪い点
- Netlistがない。
- 小数点精度があと一桁欲しい。
- 2点間を曲線(円弧)で引くことができない。
そもそもライブラリ(部品)の概念だけあれば、Netlist要らない。Netlistがあったって間違えるときは間違えるし、Netlistなくたって普通に基板起こしてれば繋ぎ間違えないし。*2
MBEには小数点以下4桁の精度があるのですが、ちょっと困ることがあります。それはインチピッチ基準で設計しているとき。
2.54(100mil) → 1.27(50mil) → 0.635(25mil) → 0.3175(12.5mil) → 0.15875(6.25mil)
最後の 0.15875 が精度落ちして 0.1587 になってしまいます。0.3175より狭い単位は基本的には作らないのですが、設計上の都合で配線を詰めているとき、その中間位置をうまく取りたいことがあります。保持精度は4桁でも、ピッチ精度を0.15875にしたとき、きちんと0.15875で処理してくれると間取りが楽になります。
やばい、MBEのこと書いてたらMBEを使いたくなった。事情なのでEAGLEですけど、MBEほど凝って設計する気はおきないよなあ、コレ。
2009/02/08(日)日記 2009-02-08
音の差を測定することの困難さをあらためて実感してしまいました。単発波形観測にDSO(デジタルストレージオシロ)がほしいですね(苦笑) DC直結ADCが作りたいなー。
記事更新しました
- 高音質な バスパワーUSB-DAC の製作 (PCM2702)の記事は、U4のバッファオペアンプの音質への影響を書きました。
- 低電圧ヘッドホンアンプの記事は、やっと12月のオフで配布した回路図を掲載し、全面的に書き直しました。
ChuMoyがらみの記事やオペアンプの音質評価とかも色々と修正・訂正したいのですが、今回はそこまで手が回りませんでした。
修正してて難しかった点
分かりやすくをモットーにすると、どうしてもこまかい説明を省いて概念的な解釈を述べざる得ないことがあるのですが、その反面、思考の過程、検証などは最低限の追跡可能性(批判可能性)を保証したので難しいなあと思います。
動作なんかどうでも良いから回路図と部品表と音質についての情報が欲しいって人と、裏付けとなる解説を読みたいって人の両方がいますから、その両方の欲求をうまく満たす書き方はないものかといつも思います。記事2つに分けてしまえば良いのですけどね。*1
LT1364
えいやってまとまった数注文したんですが、小は大を兼ねるのでSOIC(SOP)にしました。でもよくよく考えると、SOICを使うことはまずないので(基板起こすなら差し替え可能なDIPにするので)無駄なことをしたと若干の後悔。
保管スペースが小さいからいいか。
キットの配布
みなさまお振込みいただきありがとうございました。11日(水)ごろ発想予定です。低電圧ヘッドホンアンプ基板のほか、LME49721を付属しますので、ヘッドホンアンプに使うか、USB-DACのU4を置き換えるか、好きなほうを選択してください。