2009/07/03(金)SBD使用 低電圧HPAを作った方へ注意

問題の詳細

この記事で5月から掲載している電池2本版の回路ですが、SBDの種類によって音が変わるという報告を受けて色々検証してみたところ、SBDによっては発振することがある問題が見つかりました。

  • 日本インターの11EQS03Lをつけると発振する。
  • トランジスタ(2SA1015/2SC1815)のランクがYよりGRのほうが発振しやすい。
  • オペアンプによって発振しやすくなる。

SBDがオフの時、数百pF程度のコンデンサとして動作するため回路の位相特性が複雑になり発振しやすくなっているようです*1。以前よりSBDの例としてあげていた1S3や1S4は比較的問題がありませんでした。

*1 : 難しく言うと位相マージンが狭くなっている。

改良した回路

op-dbuf2.png

Zobelの抵抗R7/R8を3.3Ωに引き下げました(以前は10Ω)。日本インターのSBDを使う場合は2.2Ωにしてください。

低電圧版(SBDの付いた方回路)を作られた方はSBDの種類に関わらず3.3Ωか2.2Ωに変更することを強く推奨します。この方が安定度が増すのため音質も有利なはずです。

この変更後、SBDによる音の差はあまり分からなくなりました。

耐容量性負荷

LME49721、トランジスタは2SC1815/2SA1015GRランクにてテスト。

SBDZobel 3.3ΩZobel 2.2Ω
11EQS03L○2200pF / ×3300pF○10000pF
11EQS04○4400pF / ×6600pF○10000pF
1S3○10000pF○10000pF
1N5187○10000pF○10000pF
  • 10000pF(103)より大きな容量ではテストしていません。
  • 矩形波応答などは確認していません。