2010/05/24(月)Ubuntu 10.04 LTS で NILFS on RAID1 (nilfs2)

LVMが思ったよりも使えなかったのでログ構造ファイルシステム(LFS)と言われるNILFS2を試してみた。

  • 書き込み操作はほぼすべて追記扱い。
  • ファイルシステムレベルでのスナップショット機能(自動/手動)。

導入

LVMを構成していた /dev/md5 をそのままNILFSに割り当てました。

# apt-get install nilfs2-tools
# mkfs -t nilfs2 /dev/md5
# mount -t nilfs2 /dev/md5 /mnt

特に難しいことはありません。

Ubuntu 10.04では起動時にマウントできない

mountall コマンドがファイルタイプ nilfs2 を認識できないので、/etc/init/mountall.conf を改変しました。

script
    . /etc/default/rcS
    [ -f /forcefsck ] && force_fsck="--force-fsck"
    [ "$FSCKFIX" = "yes" ] && fsck_fix="--fsck-fix"

    mountall --daemon $force_fsck $fsck_fix
    mount /home
end script

運用

書き込みをするごとに自動でチェックポイントが生成されます。チェックポイントはデフォルトでは1時間以上経過するとだんだん消されますが、スナップショットとして保存しておくことも可能です。

/etc/nilfs_cleanerd.conf の設定を再度読み込ませるには次のようにします。

# mount -t nilfs2
/dev/md5 on /home type nilfs2 (rw,relatime,gcpid=1008)

で表示される PID にSIGHUPを送ります。

# kill -SIGHUP 1008
チェックポイント一覧
# lscp
チェックポイントの新しい方から5件
# lscp -rn 10
チェックポイントをスナップショットに
# chcp ss 4800
スナップショットをチェックポイントに
# chcp cp 4800
現在の状態をスナップショットとして保存する
# mkcp -s
指定番号のチェックポイントを消す
# rmcp 4300
# rmcp 1..4000

特定のチェックポイントをマウントする場合は、まずチェックポイントNoをスナップショットにします。その後で、

# mount -t nilfs2 -r -o cp=4855 /dev/md5 /mnt

ドキュメントが参考になります。

min_clean_segments/max_clean_segmentsの罠 2019/02/27

いつの間にか、nilfs_cleanerd.confに設定が増えていました。

# Minimum number of clean segments
#   0 = continuous cleaning
# > 0 = pause cleaning until less segments are available
min_clean_segments    10%

# Maximum number of clean segments
max_clean_segments    20%

protection_periodとAND条件らしく、設定時間を経過しても、永遠とログが残り続けてディスクが減ってきていました……。

protection_period
指定秒数経過するまで、チェックポイントを削除せずに保護します。
min_clean_segments
指定した値(容量か%)より空き容量が少なくなるまで、GC(チェックポイントの回収)を停止します。0なら継続GC(無視)。
max_clean_segments
指定した値より空き容量が多い場合、min_clean_segments(上の設定)以下になるまでGCを停止します。0なら継続GC。一度チェックポイントのGCを初めたとき、どこまで回収するかを設定します。max_clean_segmentsに指定した空き容量になった時点でGCを止めるという設定のようです。

容量の許す限りログを残すのはありがたいとも言えますが、ディスクの実際の空き容量をある程度把握(ないしは確保)しておきたい場合には不便です。そんなわけで、昔と同じ動作を期待する場合、min_clean_segments/max_clean_segmentsの両方を0に設定する必要があります。