2026/01/16(金)JLCPCBの感想と、知らないと損する仕様(Elecrowとの比較)
ずっとElecrow専門でしたが、最近Elecrowの製造が遅めなので、試しにJLCPCBを使ってみました。
製造ルール抜粋
| 項目 | Elecrow | JLCPCB |
|---|---|---|
| 最小パターン幅 | 0.15mm | 0.10mm / 2oz:0.16mm |
| 最小パターン間隔 | 0.15mm | 0.10mm / 2oz:0.16mm |
| 最小パッド間隔 | 0.15mm | 0.10mm |
| 最小シルク高さ | 0.8mm | 1.0mm |
| 最小シルク線幅 | 0.15mm | 0.15mm |
| 最小ホール経 | 0.3mm | 0.3mm*1 |
| 最小ランド経 | 0.6mm | 0.4mm |
| 外形線との間隔 | 0.7mm*2 | 0.20mm |
- シルクは、高さ0.8mmや幅0.1mmにしても、どちらも問題なさそう。
- 製造能力は概ねJLCPCBのほうが高いけど、どちらも一般用途には十分。
参考資料
V-cut面付
Elecrow
- 最小基板サイズ: 80mm×80mm(実際は50mm×50mm以上っぽい)
- 面付け基板1つの最小サイズ: 10mm×10mm
- Vcutとパターンの最小間隔: 0.7mm(板厚1.2mm以下は0.6mm)
- 実際は0.4mmぐらいでも作ってくれますし、問題なさそうです。
- Vcut線は外形線(もしくはシルクレイヤー)に書き込む。
- V-cut指示も外形線(もしくはシクルレイヤー)に書き込む。
Elecrow - How to Reduce Cost with Panelizing Service(PDF)
JLCPCB
- 最小基板サイズ: 70mm×70mm
- 面付け基板1つの最小サイズ: 15mm×15mm(これ未満は特注料金になる)
- Vcutとパターンの最小間隔: 0.4mm
- Vcut線は外形線レイヤーに書き込む。
- KiCadの場合、「User.1」レイヤーをV-cut線として使用する。ガーバー出力時に「User.1」を含めると、Web上のビュワーで正しくV-cutレイヤーとして認識される。
- Fabriccation Toolkit使用時は、Additional layersに「User.1」を記載し、「Set User.1 as V-Cut layer」は設定(✔)しないこと。
小さい変換基板を大量に製造する場合は、Elecrowのほうが良さそうです。
JLCPCBのメリット、デメリットなど
Elecrowと比較してのメリットとデメリットをまとめました。
メリット
- OCSの送料が安い(少量ならJLCPCB:$4~6、Elecrow:$8-10)。
- 複数基板を頼む時、JLCPCBのほうが安い(2枚目以降は、Elecrow:$4.9 に対して JLCPCB:$4.0)。
- 製造の進捗が見られる(Elecrowは最近表示しなくなった)。
- 製造が早い(緑基板は2日、それ以外が3日)。
- またOCSの安い方で製造完了から3日ぐらいで届く。
- V-cut以外の製造ルールが緩い(細かい配線を許してくれる)。
デメリット
- 10mm×10mmの小型基板(V-cut)を沢山作りたいときは高額になる。
届いた基板
ネットでよく見かける定番の青い箱で届きました。

試作5枚の基板をちゃんとカメラで撮ったので画像置いておきます。シルクはややElecrowのほうがきれいな印象はありますが、精度なども(自分が使う範囲では)十分かなという印象です。

知らないと損する仕様(2026-06-10追記)
生産中のオーダーに後から追加して一緒に送ってもらえる
発注一覧の右上にある「新アイテムの追加」からオーダーをまとめることができます。手順としては、先にカートへ基板などを入れてから、このリンクを押すと良いです。

基板に問題があり、キャンセルを迫られたとき
基板に問題があると、レビューが通らずにメールが来ます。その時、「この基板をキャンセルするか?」と聞かれます。1種類しか注文してなければ気にすることはありませんが、複数種類の基板を注文していると、キャンセルするか悩むことも多いと思います。*3
ですが、その場合でもキャンセルに応じて問題ありません。
上で述べた通り、生産中の注文に追加できるからです。キャンセルした基板を修正して再度追加すれば、(送料をまとめてくれるので)ほとんど変わらない値段でファイルを差し替えることができます。*4
キャンセル時の返金をJLCPCB内の残高として受け取れる
クレカ等の返金処理は基本的に遅かったり、JLCPCBに手数料を取られることがあります。
どちらにしろ再注文するのならば、JLCPCB残高で受け取るほうが利便性が良くなります。
これについては、キャンセルの実行前に設定しておく必要があります。
サポートが良くない(2026-06-10追記)
色々あって、2度ほどJLCPCBのサポートのお世話になりましたが、サポートはイマイチです。
問題あったときは相手から英語のメールが来るのですが、翻訳ツールを使ってることを差し引いても会話が成り立たないことがとても多い。「何でも聞いてね」と書いてあったり、文章(言葉遣い)は総じて丁寧ですが、内容は虚無です。
- JLCPCBからの返信は定型文のコピペが多い。
- 質問内容と合っていなくても、内容が近い定型文が送られてくる。
- 質問への回答を強く要求すると、たまに答えてくれる。
- サポートの説明内容が誤っていることがあり、その結果損をしても指摘するまで謝罪もされず、もちろん補償もない。
過去の実例
私「案内された手続きAは、Web内のどこでできますか?」
JLC「スクショを送ってくれたら教えるよ」
私「(画面のスクショを送る)」
JLC「手続きAを実行してください(案内の定型文。スクショは無視)」
このケースでは、結局「①→②→③」という順を追った手続きが必要でしたが、ひたすら「③=A」の案内を送ってきたため、「①と②の手続きが必要」ということに気付くのに苦労しました。最後まで①と②の手続きが必要なことは説明されませんでした。
私「XXをYYすることはできますか?」
JLC「XXに関するルールは(以下定型文)」
私「XXに関して、『◯◯』『☓☓』という理解で合っていますか?」
JLC「XXに関するルールは(以下定型文)」
必要な情報を得るために質問しているのに定型文しか返ってこないので、先に進まず無駄なメッセージの往復を重ねることになります。生成AIを使ってるっぽい印象も受けますが*5、何にせよ双方にとって時間の無駄。
質問回答は期待できない
基本的に用意された定型文以外の回答(想定されてない質問への回答)は期待できないので、ろくに話を聞かないAIに質問するつもりでメールしたほうが良いと思います。もしくは、JLCPCB側が事前に決めてある定型の対応をシステム的に依頼するところだと思いましょう。
以前、Elecrowでもサポートのお世話になったことがありますが、そのときは普通に会話が成り立っていました。
高度にシステム化されたJLCPCBは、多少融通が効かないのはしょうがないと思いますが、それにしてもサポートのクオリティをもう少し何とかしてほしいとは思います。とりあえず、定型文が概ね役に立たないのを……。
まとめ
Elecrowと併せて、今後も使っていく予定ですので、他にも気づいたことがあれば追記しますね。
もうこの2つだけあればいいかなと思って、JLCPCBとElecrow以外の基板屋アカウントは消してしまいました。