2008/03/28(金)Subversionの設定メモ

リポジトリ管理にもっぱら Subversion を使っているのですが、管理方法などを細かいことを忘れてしまうので、備忘録メモです。

Apacheの設定

svn のリポジトリを http で管理する場合、Apacheにモジュールを組み込む必要があります。

LoadModule dav_module         libexec/mod_dav.so
LoadModule dav_fs_module      libexec/mod_dav_fs.so
LoadModule dav_svn_module     libexec/mod_dav_svn.so
LoadModule authz_svn_module   libexec/mod_authz_svn.so

svnを動作させたいディレクトリを指定し、次のように記述します。

<Location /repo-dir>
    DAV     svn
    SVNPath /var/www/svndata/repo-dir
</Location>

このとき、/repo-dir/ がsvnリポジトリとして扱われ、/repo-dir/ 以下の管理情報はすべて /var/www/svndata/repo-dir に置かれます。

また /repo-dir/ という実ディレクトリ(www内)が存在すると問題が起こります。

SVNPathで指定したディレクトリに実際にリポジトリを作成します。このリポジトリデータは www 権限で読み書きできる必要があります。

# svnadmin create /var/www/svndata/repo-dir
# chown -R www:www /var/www/svndata/repo-dir

リポジトリのディレクトリ分け

これまでの設定により http://svn.duummy.dom/repo-dir は1つのSubversionリポジトリとして機能します。Subversionによって /repo-dir の仮想的なファイルシステムがすべて作られるようになります。

ずっと勘違いをしていたのですが、あるプログラムを開発するとき、/repo-dir 自体を1つのプログラムソース全体として管理していました。

  • repo-dir/
    • Makefile
    • main.c

しかし、この状況ではブランチといったプロジェクトの分岐が不可能になってしまいます。

これを次のような形で行えば、この中には自由にディレクトリやファイルを作ることができ、コピー等も自在に行えます。

  • repo-dir/
    • prog-current/
      • Makefile
      • main.c
    • prog-stable/
      • Makefile
      • main.c

リポジトリというのは単なる管理単位で、その中のいかなるサブディレクトリでも、そのサブディレクトリ単位でチェックアウトやインポートなどが実効できます。実際、複数のプロジェクトからなる大きな1つのプロジェクトは、このようなディレクトリ分けをうまく使うことで管理されます。

補足

これはリポジトリの概念を解説しただけで、コメントで頂いたとおり下のようにするのが一般的です(必ずしも従う必要はありませんが)。詳しくは参考資料をご覧ください。

  • trunk ……現在開発中のもの
  • branches ……ブランチを納めるディレクトリ
    • branch1
    • branch2
  • tags ……タグをつけてリリース版などをおく場所*1
    • Version 1.xxxx

*1 : 実体はブランチと同じ、ある時点でのディレクトリのコピー

リポジトリの登録とコピー

登録は(通常)手元にあるファイルを import によりリポジトリに登録します。

$ svn import local-dir http://svn.duummy.dom/repo-dir/prog-current

今登録したリポジトリをマスターとして使用しますので、(面倒でも)一度リポジトリから手元のディレクトリにコピーする必要があります。

$ svn checkout http://svn.duummy.dom/repo-dir/prog-current

リポジトリを分岐(ブランチ)させたいときは、同一リポジトリ内でコピーします。

$ svn copy http://svn.duummy.dom/repo-dir/prog-current
           http://svn.duummy.dom/repo-dir/prog-stable

クライアント側の操作

一度チェックアウトしてしまえば、あとは簡単です。チェックアウトしたディレクトリに移動し(prog-current/等)て操作します。

最新のソースに追従
$ svn update
変更箇所をリポジトリに反映
$ svn ci -m "チェックインのメモ"

特定ファイルの変更を破棄
$ svn revert file.c
ファイル/ディレクトリを削除
$ svn delete file.c
ファイル/ディレクトリを追加
$ svn add file.c

差分表示
$ svn diff
リビジョン指定して差分表示(13とローカルのもの)
$ svn diff -r13
リビジョン指定して差分表示(11と12)
$ svn diff -r11:12

作業コピーのブランチ切り替え
$ svn switch http://svn.duummy.dom/repo-dir/prog-stable

参考資料

2007/08/24(金)実数FFT/IFFT関数

長年理解するのを拒否していたFFTとここ何週間か格闘しています。楽々とアルゴリズムを導出・実装できる人はいいのでしょうが、FFTのようなアルゴリズムをきちんと理解して実装するのは思うほど容易ではありません。既に導出されたアルゴリズム(や雛形サンプル)を何も考えず実装すれば簡単ですが、そういうことが生理的にできない場合、改良とかを考え出して簡単には実装できなくなるんですよね。

前置きはともかく、今日やっと実数専用のFFT/IFFTが作成できました。実数専用にすることで理論的には通常のFFTの半分の時間で処理できます。

見ての通り、実数FFTの対称性を利用したものすごく面倒くさく複雑な作りになっているんですが、有名なFFTの概略と設計法のソースと速度比較をしたら倍近く遅い……。64K点、double型、VIA C3 500MHzで動作させて、自作が100ms、リンク先のソースが60ms。

いかに細かい最適化をしても実装アルゴリズムの時点で差があると非常に大きいですね……。あとでアルゴリズムの差を検証予定。

ソース解読メモ

大浦氏のFFTソース(fft4g.c)解読メモ。つまりリバースエンジニアリングです。

サブルーチンの機能

cdft()複素数FFT/IFFT。データサイズは N/2
rdft()実数FFT/IFFT。内部的に複素FFTを呼び出し
makewt()sin/cosテーブルを w[] に格納(ただし格納位置はビット反転)
makect()cosテーブルを w[nw~] に格納(ただし格納位置はビット反転)
bitrv2()ビット反転を実行
bitrv2conj()ビット反転しつつ、読込データの複素共役を取る
cftfsub()複素IFFT(f=forward, 回転子が正であるという意味)
cftbsub()複素FFT(b=backward, 回転子が負であるという意味)
rftfsub()実数IFFT
rftbsub()実数FFT

IFFTをFFTで代用する方法

C(k) = \sum_{n=0}^{N-1} c(n) W^{kn}  c(n) = \sum_{k=0}^{N-1} C(k) W^{-kn}

なんだけども、複素共役を考えると

\overline{c(n)} = \sum_{k=0}^{N-1} \overline{C(k) W^{-kn}} =  \sum_{k=0}^{N-1} \overline{C(k)} W^{kn}

つまり前処理と後処理としてデータの複素共役を取ってあげれば、同じFFTルーチンを使い回すことができる(効率を考えて、初段部分と終段部分だけ個別特別に実装すれば、中段部分は使い回せる)。

その他メモ

  • 一般的なFFT(DFT)と比べ虚数部の符号が逆になっている*1

周波数間引きFFTである

やっとこのプログラムの要が理解出来ました。

先にデータをスクランブルして(並べ替えて)いるため「時間間引きFFT」に見えますが、実際には周波数間引きFFTです。sin/cosテーブルもわざわざスクランブル位置に格納しています。

こうすることでFFT実行時のデータアクセスをシーケンシャルに行え*2、それが功を奏して実行速度が飛躍的に速くなっています。またsin/cosテーブル、偶数番地に cos、奇数番地に sin を格納し、全体としても π/2 しか用意しないことで、データアクセス量を減らしキャッシュが効きやすくなっています。

256点の複素FFTを実行させたときの、cos/sinテーブル参照位置およびデータ参照位置は次のようになります。

 call cftmdl(512, 8)
  k1=1 (0.923880,0.382683), k2=2 (0.707107,0.707107)
    32 36 40 44
    33 37 41 45
    34 38 42 46
    35 39 43 47
  k1=2 (0.980785,0.195090), k2=4 (0.923880,0.382683)
    64 68 72 76
    65 69 73 77
    66 70 74 78
    67 71 75 79
  k1=3 (0.831470,0.555570), k2=6 (0.382683,0.923880)
    96 100 104 108
    97 101 105 109
    98 102 106 110
    99 103 107 111
  k1=4 (0.995185,0.098017), k2=8 (0.980785,0.195090)
    128 132 136 140
    129 133 137 141
    130 134 138 142
    131 135 139 143
  k1=5 (0.881921,0.471397), k2=10 (0.555570,0.831470)
    160 164 168 172
    161 165 169 173
    162 166 170 174
    163 167 171 175
  k1=6 (0.956940,0.290285), k2=12 (0.831470,0.555570)
    192 196 200 204
    193 197 201 205
    194 198 202 206
    195 199 203 207
  k1=7 (0.773010,0.634393), k2=14 (0.195090,0.980785)
    224 228 232 236
    225 229 233 237
    226 230 234 238
    227 231 235 239
 call cftmdl(512, 32)
  k1=1 (0.923880,0.382683), k2=2 (0.707107,0.707107)
    128 144 160 176
    129 145 161 177
(中略)
    142 158 174 190
    143 159 175 191

ほんと、この実装はすごいなぁ。

*1 : ソース中のDFT定義どおりの実装なのでバグの類ではありません。

*2 : キャッシュが非常によく効く

2007/07/11(水)電池の定格一覧

電池動作機器を設計するのに、電池の情報がなかなか纏まっておらず集めてみました。実際に測定したわけではなく、ネット上の情報を適当にかき集めただけですので、あくまで参考程度でお願いします。

すべて単3電池
電池電圧容量内部抵抗
ニッカド1.2V500~1000mAh10mΩ
ニッケル水素1.2V2000~2500mAh25mΩ
オキシライド(ニッケル)1.7V2000mAh100~200mΩ
アルカリ乾電池1.5V2000mAh200~300mΩ
マンガン乾電池1.5V1000mAh4~5Ω

より正しい値や、他の情報がありましたらお知らせください。

2007/07/07(土)プラットホーム汎用で、固定長の整数型を使う

int型は整数型ですが、int や long や long long などは環境によってサイズが違ったりします。これらの型は、元もとサイズ(バイト長)を固定する目的で作られたものではないからです。

プラットホーム汎用でプログラムを書く際、固定長のデータを扱う時(バイナリデータ列など)は特に注意する必要があります。C99という規格で固定長整数型として int32t などが規定されましたが、すべての環境で使えるわけではありません。また Windows プラットホームならば、__int32 などが利用出来ますが、Windows以外では利用出来ません。

自分は、だいたいの環境でうまく動くマクロを作って、これを使っています。

#if defined(__C99__) || (defined(__GNUC__) && __GNUC__ >= 3)
#	include <inttypes.h>
#	include <stdint.h>
#else
#	if defined(__GNUC__)
		typedef short			 int16_t;
		typedef unsigned short		uint16_t;
		typedef int			 int32_t;
		typedef unsigned int		uint32_t;
		typedef long long		 int64_t;
		typedef unsigned long long	uint64_t;
#	elif (_MSC_VER || __BORLANDC__)
		typedef __int16			 int16_t;
		typedef unsigned __int16	uint16_t;
		typedef __int32			 int32_t;
		typedef unsigned __int32	uint32_t;
		typedef __int64			 int64_t;
		typedef unsigned __int64	uint64_t;
#	endif
#endif

2007/06/19(火)ハミング符号のメモ

ハミング符号(15,11)の生成行列。

生成多項式 x^4+x^1+1

生成行列の元データ

0001 : crc=03h 0011
0002 : crc=06h 0110
0004 : crc=0Ch 1100
0008 : crc=0Bh 1011
0010 : crc=05h 0101
0020 : crc=0Ah 1010
0040 : crc=07h 0111
0080 : crc=0Eh 1110
0100 : crc=0Fh 1111
0200 : crc=0Dh 1101
0400 : crc=09h 1001

生成行列(先頭11行省略、左がbit0、右がbit10)

p1 = [10011010111]
p2 = [11010111100]
p3 = [01101011110]
p4 = [00110101111]

後学のために買いたい書籍

誤り訂正符号入門