低電圧ヘッドホンアンプ Ver3 (op-dbuf3)

はてブ数 2012/12/27電子::HPA

多数の方に製作して頂いた低電圧ヘッドホンアンプ(op-dbuf/op-dbuf2)の最新進化系になります。自作HPAにどうですか?

  • 単3電池×2本仕様
  • 消費電流70~80mA
  • 最大振幅:約2Vpp(ニッケル水素使用時)

キット頒布終了。基板のみはありませんが、こういう手も。改良版の回路図が記事の最後にあります。

目次

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2012/10/28(日)トランジスタ式簡易レギュレーター

3端子レギュレーターで除去しきれない商用電源ノイズ(50Hz/60Hz)を除去するため、トランジスタで簡易レギュレーター回路を製作しました。

ことの発端

以前から書いてるとおり箱まで作りこんでるため、TPA3110D2アンプに少し負けるけどTPA1517 スピーカーアンプの製作を愛着を持って使い込んでいますが、このアンプちょっと気になることがあります。

  • 電源はトランス式ACアダプタ(SBD改造済)
  • 消費電力がそれなりにあること(100~200mA)

という状況なのですが、電源をonにすると商用電源ノイズ特有のジー音がスピーカーから漏れてしまいます。音を再生してないときにこれが結構気になってしょうがない。

このとき3端子レギュレーター手前をオシロスコープで見てみるとこんな感じです。

tr-reg_before.png

10mVppぐらいの100Hzのノイズです。これが原因であることは明らか。*1

*1 : 3端子レギュレーター通過後はオシロでは観測できませんが、除去しきれず残ってるのでしょう。

トランジスタ式レギュレーター回路

3端子レギュレーターをもう1つ追加すれば良いのですが、電源電圧は固定されていない状況ですし、あまり中途半端に電圧を下げて3端子レギュレーターがドロップ電圧不足で性能を発揮しきれなくなったら元も子もありません。

ですので、100Hz程度のノイズ除去を目的として、電源から一定電圧をドロップさせるレギュレーター回路を作りました。

tr-reg.png

入力電圧のピークを平滑してC3に充電します。C3の電圧は入力電圧より0.2Vぐらい低い電圧になります。トランジスタQ1はC3の電圧を基準として、そこからVbe(0.7V)低い電圧を出力します。回路全体としては、入力から約1V低い電圧を安定化して出力するようになります。

100mA~最大1Aぐらいの出力を想定した回路です。電流が変わる場合はトランジスタの容量やhFEの選択、R1の値を変更する必要があります。

メモ

LTspiceでシミュレーションした感じでは、大きなコンデンサを載せるスペースがないとき、C1の容量を削るのが一番影響が少なそうです。

部品の選択と製作

最大入力電圧16Vを想定した部品選定です。電圧によってコンデンサの耐圧などを変更してください。

部品番号部品使用部品補足
Q1電力用NPNトランジスタ2SC47931A以上流せてPoが高め
D1ショットキーバリアダイオード-100mAぐらい流せれば十分
R1カーボン抵抗。220Ω220Ω 1/4W値は適当に。
C1,C2OS-CON SEPC 16V/470uF16SEPC470M適当に。
C3OS-CON SEPC 16V/100uF16SEPC100MWOS-CON等推奨
以下、回路図からは省略
FB1電力用フェライトビーズMI1206K601R-103216サイズ/1.5A
FB2フェライトビーズMMZ2012R102A2012サイズ/500mA
L1チップコイル 100uH/40mA/4.5ΩGLCR2012T101M-HC2012サイズ
CxPSチップフィルム 0.1uFECP-U1C104MA52012サイズ
CyPPSチップフィルム 0.01uFECH-U1C103GX52012サイズ
  • Q1はコレクタ電流よりも、許容コレクタ損失に注意してください。
  • Q1は高周波まで伸びていると高周波までのノイズ除去が期待できます。hFEも高いほうがのぞましいです。
  • D1は100mA程度流せれば逆耐圧も、電流量も必要ありません。漏れ電流が少ないものを選択することが望ましいです。
  • コンデンサは適当で大丈夫です。ただトランジスタの安定動作のため、1次側(入力側)にはそれなりの高周波性能があるものを使ってください。

回路への部品追加

ついでに高周波ノイズも少し減衰できるよう回路を変更しています。

  • FB1は入力直後(C1手前)に入れました。
  • FB2、L1はR1と直列に入れました。
  • Cx,CyはC1,C3と並列に、トランジスタになるべく近づけて入れました。

結果

tr-reg.jpg

製作物は写真のようになりました。厳密にはこれはR1なくてC3と並列に抵抗入ってたりすると途中バージョンですが(苦笑)

電流をたくさん流すときは、Q1のコレクタ損失に注意して必要に応じて放熱板を付けてください。

完成した回路を組み込んで出力電圧を測ったところ以下のようになりました。

tr-reg_after.png

商用電源ノイズがまだ少し残っていますが、完全に除去することが目的ではないので今回はこれでokです。

問題のジー音は?

無事、電源onしたときにジー音がしなくなりました。

そして、それどころかアンプ全体の明瞭感が明らかに向上しました。わかってたことですけど、アナログ回路は電源重要ですね

まとめ

ほとんどCRフィルタの効果なのでSBD(D1)はなくてもいいような気がしますが、気になる人は検証してください。ちなみにD1は入力側電源が負荷によって変動して下がった場合の影響を少なくしたり、商用電源変動のピークホールド的な狙いがあります。*2

結構応用範囲の広い回路なので、レギュレーターまでは用意したくないけど簡単に安定化したいとき等に使ってみると良いかと思います。小信号ならば2SC1815(と小容量コンデンサ)で十分ですし、負電源でもPNPで全く同じようにできます。除去ターゲットとする周波数が高めならばR1の代わりにコイルのみにするとか色々考えられます。

*2 : あくまで狙いだけで、どの程度効果があるかは検証してません。

2012/10/16(火)ポータブルDVDプレイヤーの修理もどき

ポータブルDVDプレイヤーが転がっているのですが、レーザーがヘタってるのか光学系が歪んできたのか、2層DVDをうまく読み込まず困っていたので分解。

  • メディアを拭く
  • ピックアップレンズを拭く
  • ピックアップレンズ裏のミラーを頑張って拭く

とかしても一向に改善せず……。

dvd-gorilla.jpg

これは汚れとかではないと判断して、ピックアップ部のカバーを外して半固定抵抗2つ(赤丸)をいじってみました。ピックアップレンズの位置と、シークの初期位置を調整する抵抗だとは思いますがよくわかりません*1

よく分からないものはしょうがないので

調整 → 読み込みテスト(数回) → 少し調整

を繰り返して、一番成績がよさそうな場所を探り当てました。2つとも。

色々調整して、よしほとんどエラーもなくなったと思ったら、通常画面を見る状態であるプレイヤーの縦置きをするとエラーで読み込まないという困った現象に。水平に置くとエラーなく読み込むのですが、画面を覗きこむプレイヤーなんていやだ(汗)

しかたがないので先ほどのテストを縦置きの場合でもう一度やり直して試行錯誤。水平置きよりも読み込み成績は悪くなりましたが、試行錯誤した中で一番成功率が高そうな場所にマーキングして半固定抵抗を調整しました。


数時間浪費(苦笑)


今のところ相変わらずエラーにはなりますが、読み込み成績は良くなった気がするので様子見です。

時間労力考えると買ったほう効率的なんじゃないかと思うのは気がいいんじゃないかと思うのはたぶん気のせいです(笑)

*1 : 昔むかし、世界に先駆けてCD-ROMドライブ搭載パソコンシリーズのCDの読み込みが悪くなった時、ドライブを無理矢理引き出してなんだかわからないけど存在する半固定抵抗をいじると少し調子が良くなったのでした。

2012/08/12(日)標準XOとTCXOの音質を比較してみる

※新しい記事:ジッターの基礎(XOとTCXOとMEMSを聴き比べ)


Low Jitter XOとTCXOの音質を比べてみるの続編です。

比較条件

同一回路構成でPCM2704DACを2台製作して再生音に違いがないことを確認したあと、発振器のみをXOに入れ替えました。

  • TXCO FOX924B 12MHz / ±2.5ppm / 6mA
  • XO 636シリーズ(L3C012M00000) 12MHz / ±50ppm / 7mA

この2つはほぼピン互換です。低ジッタXOのときと違い、消費電流も似通っていますので、全く同一の回路でテストすることができました。

結果

TCXO搭載のほうが再生音が明瞭。XOの場合、比較すると音が少しがさついてます。

考察

試すまで差は出ないのではないかと思っていたのですが、ハッキリと言わないまでもそれなりに差の出る結果となりました。

TXCOの温度に対する周波数安定度(ppm)はジッターに何ら関係ないのですが、周波数安定度を高めるための回路が結果としてジッターを低減していたり、TCXOとして使用するための水晶自体の差か何か(素人発想です)が、ジッター低減に貢献してるのではないかと感じました。


次があるとすれば、低ジッタを目指した水晶発振回路を自作して比較したいところです。

2012/08/04(土)レーザープリンタを分解した - LBP3310

Linuxで使用するのに苦労したLBP3310ですが、購入時のトナーがついに切れたので、リサイクルトナーに入れ替えました(Linuxでの使用で嫌な思いをしたから純正トナーは買いたくない)。*1

LBP_00.jpg

かすれてる……。トナー不具合かと思い、リサイクルトナーを交換しても同じ症状。購入時から、純正トナーでも真冬になるとトナーが定着不良を起こすすばらしい出来だったのですが、これを考えるとどうも相性問題っぽい。

【仮説】 プリンタのちょっとした不良 + 互換トナーの非互換性 = 半面かすれ

トナーユニットじゃなければ、もう定着ローラーしかないなと思ってプリンタを分解しました。

*1 : 今は64bitドライバが頒布されています。それでもCAPTなLBPプリンタとCUPSとの相性は悪いと思う。

LBP3310の分解

LBP_01.jpg
LBP_02.jpg

分解の仕方ですが、ネジを2個外してまず側面パネルを外します。ツメ式になっているので、マークのあるところにマイナスドライバーなどを入れて側面パネルを外します。続いてネジを取って背面パネルを外します。これで上面パネルも外れるようになりますが、定着ローラーをいじるだけなら背面パネルを外せば十分です。

LBP_03.jpg

定着ローラー部分を分解するときはちょっとミスして部品を破壊してしまいました(プラスチックなので、ハンダごてで溶接して復旧)。正しい分解方法は、

  1. 電線(ケーブル)を外しつつ、ネジを外して、黒いパネルを右にずらし外す(写真で宙に浮いてるやつ)
  2. 定着部右側(側面ではない)のネジを外し、ツメのひっかけを外す。
  3. ローラー金属シャフトのギアを外して(ツメ式)から、右を外して引き抜く。
  4. さらに分解するときは、左右の緑のフックをロック側(上側)に。

定着ローラー自体を外すことはできませんでした。写真の状態が限界。たぶん上から本格的に分解しないと無理そう。

失踪したバネ

定着ローラー付近に用紙つまり検出用のギミックがあるのですが、そこに使用されているバネを間違って紛失してまいました。*2

LBP_04.jpg

しょうがないのでジャンパー線をドライバーとかに巻きつけて作りました。もう少し細いジャンパー線がよかったのですが、なかったので少し太めです。でも役目は果たしました。軸よりも少し大きく作るのがポイントなんですね。

それにしてもバネがこんな簡単に作れるとは思わなかった。*3

*2 : 外した時に見た記憶がないのですが、元に戻した時にバネがないとどうやってもギミックが成立しない。

*3 : 色々な修理でバネが故障すると大抵諦めてました。もっとよく諦めるのは駆動系のゴム輪ですね(汗)

組立

そんなこんなで組立にものすごい時間を費やしましたが、なんとか組み立てて印刷してみると、リサイクルトナーでも綺麗に出てきました。定着ローラー付近の用紙ガイドパネルのツメが1ヶ所外れていたのでそれを戻したので回復したのか、レーザーユニットを乾拭きしたのが効いたのか、たまたまでまた再発するのかは不明ですけど(苦笑)


ちなみに最初の印刷物の上に置かれた部品は破壊したものの一部です(苦笑)。本当はこれは10cmぐらいの軸棒が付いてます。なくても動作に問題はないものだったのと、修復では強度的に問題ありそうだったのでこのままにしました。

参考 2012/09/22

余談

PCパーツが余ってるので欲しい人にあげます。先着1名。コメントしてから送り先をメールしてください。送料着払い。miyaさんに差し上げました。

cle266.jpg