ダイアモンドバッファの設計とトランジスタの熱暴走
アンプを作っていて出力段にごく普通のダイアモンドバッファ回路を作ったところ熱暴走してしまいました。どうして熱暴走は起こるのでしょうか?
ダイアモンドバッファの回路定数はどのように決めたら良いのでしょうか?
アンプを作っていて出力段にごく普通のダイアモンドバッファ回路を作ったところ熱暴走してしまいました。どうして熱暴走は起こるのでしょうか?
ダイアモンドバッファの回路定数はどのように決めたら良いのでしょうか?
この前C73で展示したとき「ミニデテントよりも東京光音の2CP601の方が音いいですよ」と聞いて、この前都内出たときに三栄電波で買ってきました(無論10kA*1)。早速、実験用基板に差してみました。
ミニデテントよりも小型でボリュームのすべりがいいです。カーボンではなく導電性プラスチックなのだとか。劣化しにくい(?)とかあるようです。約1800円。*2
感心の音はというと、たしかにミニデテントより良い音です。広がりがよく音の明瞭さが上になります。比較するとミニデテントの方が、若干音がかすれるような印象ですね。
ただミニデテントは決して悪いものではないので、音質に対する寄与率を考えると難しいです。入力抵抗による影響と同じか小さい程度と考えてください。*3
コンデンサ違ったり、出力抵抗付いてなかったりしますが、音の差はないです。出力抵抗付けないのは回路の安定性からオススメしません。*4
ことの発端は、電流駆動アンプの記事にraspyさんから面白いコメントが付いたことでした。raspyさんが編み出したfoovbar用の音質改善積分フィルタ(スピーカーが入力電圧の微分値を音として出力することに由来する問題を解決するためのソフトウェアフィルタ)は、電流駆動アンプと実質的に同じものではないかというものでした。
というわけで、raspyさん公開のプラグインと解説はこちら。
一時期ハマっていた電流駆動アンプですが、結局F通のPC用スピーカーを改造しただけで終わっています。回路上はシンプルで最高なのですが、
という問題があって、最近は諦めていました。最近メインのヘッドホンアンプは電圧駆動でいかに立ち上がりを良くするかに重点が置かれています。
音の立ち上がりというのは、ストリングやピアノなどの音の生々しさ(リアルさ)に大きく影響します。電流駆動アンプは非常に生っぽ音を再生します。
raspyさんの積分フィルタを試してみました。Pen3機にプラグイン入れてfoobar2000ごと落ちたり、最新版はXPでないと動作しなかったりと色々大変でしたが、なんとか試すことができました。
夜中にスピーカー出すと苦情くるのでヘッドホンでしたが(笑)。
基本的に電流駆動アンプのそれでした(高域ばかり目立つものは-6dB/octフィルタで補正されてますけど)。同じものと言って間違えないですね。ものは試しで、PCスピーカー@電流駆動アンプにつないだら「なんとなく変な音」になりました。電流駆動アンプには生の電圧信号を与えた方がよいようです(笑)
しかしこのフィルタで聴いたあとに、フィルタオフにすると「一枚ベールを被った音にきこえるなぁー」(苦笑) ただ、それとは別に若干音が変わったような気もしなくもないですが(条件が違うため真偽不明)。
なお以下の事情でカップリングコンデンサがなぜか付いてないようなまともな再生装置で試せなかったので、その他要因との切り分けは完全にできませんが、少なくともオンボードサウンドやDirectSound謎の音質劣化カーネルフィルタの改善効果は大きいものでした。
ちょっと時間取れず、きちんと伝達関数とか解析とかできなくて申しわけないのですが、電流駆動アンプの解析記事にあるとおり、電流駆動をするためには、負荷(駆動対象)のL成分が関連してきます。Lによって両端電圧の挙動は変わります。
つまり、電流駆動アンプを再現する場合は、負荷に合わせた積分フィルタ係数C(コンデンサ容量に相当)の設定が必要になるかもしれません(まだきちんと解析計算してないので推定です。とんでもない見当外れかもしれません)。
出力電圧に限界があることを考えると、積分フィルタの出力を、出力電圧に換算するフィルタが必要になるかもしれません。例えば最大3Vしか出せないところに、「5V, 1V, 1V」であったら「3V, 3V, 2V」と変換した方がいいのかもしれません。これまたきちんと計算してないので、わからないですが(要するにデルタシグマみたいなもんです)。
「-6dB/oct」フィルタ付きの電流駆動アンプを作りたくなりました。そのうち作ります。*1
回路的に「積分フィルタ」→「電流駆動アンプ」構成にすれば、周波数特性がうまく逆特性になって(合わせてフラットになって)すべて丸く解決かもしれません。*2
簡単な数式をこね回していたのですが、
状況 | 伝達関数 | 概要 |
---|---|---|
スピーカー制御時の電圧→電流変換 | 1次遅れ | |
スピーカの電流→音変換 | ? | 純微分要素? |
RCフィルタ | 1次遅れ | |
CRフィルタ(DCカット) | 1次遅れ*時間遅れ | |
積分 | 純積分要素 |
となりました。積分フィルタはRCフィルタか純積分要素のどちらかだと思いますが、電流駆動アンプとは直接的には関係なさそうですね。
と言えるのかも知れません。原理上、どちらも音の立ち上がりは改善してくれますけどね……難しいところ。結論としては違うものでいいような気はします。
44.1kHzのWAVE音源をリサンプリングせずraspyさん作の位相フィルタをかました音をWAVとして保存します。保存したWAVEファイルをノーマライズ(線形に音量を変えただけ)し、オリジナルとほぼ音圧を揃えます。
この状態でまともな再生機器(Prodigy192VE)を用いて再生を行い、音量(アナログボリューム、デジタルボリューム等すべて)を固定した状態で聞き比べを行いましたが残念なことに音の差は余り感じられませんでした(フルレンジスピーカー+改造Sansuiアンプ/ヘッドホンの2つで確認)*3。
といった印象でした。なんとも難しいところになってしまいました。88.2kHzなりにリサンプルしないと真価を発揮しないのかなー。