2008/06/04(水)最近読んでる面白いブログと近況

電子工作、エレクトロニクスの寄り道

抵抗の雑音特性を計ろうとしている方のブログです。

抵抗には低周波(1/√HZに比例する)で発生するフリッカ雑音というものがあり、抵抗体の材質によって異なります。抵抗による音の差はこの辺と関係しているのではないかと思ってますが、それを探求されています。

雑音考察の記事が非常に面白いです。古い記事に、詳しいお話が載っていてとても勉強になります。

Beginer Of Eternity (司の奮戦記)

オペアンプを調べていたら見つけました。ひたらすオペアンプの音質評価をされています。技術者のようで、信憑性がありそうです。評価回路図が載っていないのがちょっと残念ですけど、自分よりも耳がいいらしく色々と参考になります。

評価回路図を掲載してくださいました。感謝。

近況(最近考えてること)

ずっと気になっているのは、抵抗やオペアンプによる音質の違いの正体。

どうやらフリッカ雑音ではないかと思い始めています。ただし、フリッカ雑音が直接的に影響している(直接フリッカ雑音により音質が劣化している)とは考えてません。人間の耳は超鈍感ですので、そのレベルの雑音があっても分かりません。

フリッカ雑音は(一定電圧をかける等)定常状態に対して定義されています。しかしながら、この雑音の要因となるものは「信号の変動(電流変動)」に対してそれに比例した何らかのノイズを出すのではないかと思います。入力対してノイズを出すため信号を元歪めてしまう。

以上は仮説です。フリッカ雑音を直接測定するのも面白いとは思いますが、過渡応答特性を直接測定すれば差が出そうだなと考えています。そのためには測定系(再生装置と録音装置)が極力歪まないことが大前提になるので、測定出来ない今は耳で確認するしかないという。

聞き比べとか

DAC(U55SX, Prodigy192VE)もあれから色々いじってて、再生能力が上がり続けています。そのうち「これ以上差なんてわからん」というポイントに達するかと思ったのですが、まだのようです。

辛いのはオペアンプの聞き比べ。あの回路で比べる限り音質良すぎてよく分かりません(笑)。誰か耳のいい人、代わりに聞き比べてみませんか? むしろあのランク付けに否定的な見解が(あまり)出ないのが不思議です。オペアンプ音質比較キットとか出したら、みんな聞き比べてくれないかな(苦笑)*1

抵抗はNS-2Bで(値段はともかく)決着。直結状態という正解があるから、非常に評価しやすい。その点オペアンプは基準がないので評価が難しい、難しい。でも、LM6172で満足しててはダメそうなので、もうすこし探してみます。

*1 : 中点バランス抵抗嫌いだから006P×2かな

2008/05/19(月)PFC回路で力率を改善すると消費電力は増える

2009/10/07 修正


UPSは本当は何分もつの? 有効電力と力率の話に書いたことなのですが、あの記事は詳しすぎて一般向きではないので簡単に整理しておきます。

  • 力率と電力変換効率は無関係
    • なぜなら家庭の電力契約は力率を無視して電力積算する約束になっているため。
  • 電源がバッテリー(UPS等)のとき、真の効率は「力率(%)×電力変換効率(%)」に比例するようです。←やや不正確

力率を改善すればあたかも消費電力が減るという広告がありますが、あれは嘘です。機器で消費電力自体は変わりませし、力率改善回路(PFC)が電力を消費するのでむしろ増えます。力率を改善することで電流は減るため、機器の手前の電源コードや屋内配線で消費される電力は減るという側面はありますが、PFCによる消費電力増加に比べたら微々たるものです。

このような理由により、請求される電気料金は力率を改善することで増えます。*1

もっとも、PFCの分だけ消費電力が増えようと力率改善は結果的に省エネにつながるので単純な敵視はよくないと思います。電源のノイズも減りますし。

*1 : 通常の契約では、という注釈が付きます。家庭内全体の力率を改善することによる割引があるためです。この記事を書いた当初はそうでもありませんでしたが、最近はPFC付きでもさほど消費電力が上昇しないようになっているみたいです。これは測定したわけではなく経験則。

参考

2008/05/02(金)USB-DAC製作中

PCM2901 DAC/ADC。もう完成してるんですけどね。回路図などは後回しとして、とりあえず感想とか。OS-CONだらけですが気のせいです(笑)*1

USBバスパワーに拘って作ったんですが、SE-U55SX(改)Prodigy 192VE(改v2)と聞き比べても遜色ない鳴りっぷり。試しにRMAAしたら、SNR=89.8dBとか出まして、これはチップの仕様限界値(ADC)。

とにかく、この3つのDAC。録音のしっかりした曲じゃないとなかなか差が出ません(192VE改はカップリングコンがあるせいか、他と比べて低音がやや弱い)。慎重に聞き比べると、PCM2701Eは明瞭感が他に劣る。ADCチップ自体の作りが劣ってるのもあると思いますが、オペアンプの駆動電圧が低いのも効いてるのかもしれない。やはり本命はPCM2702か。

信号ラインに普通の抵抗は乗ってないこともあり、歪み感のなさはかなりのものです。直接ヘッドホンを挿すこともできますし、小さいし、ポータブル用途(持ち運び&デモ用)としては十分かなと。

*1 : 手持ちがOS-CONだらけなので。

その他

SE-U55SXは比較的改造しやすいのですけど、Prodigy 192VEはもうそろそろ限界。廉価版だから仕方ないですが、パターンや回路設計の悪さは、改造ではいかんともしがたいです。

その点、SE-U55SXの部品抜きは対応しやすかった(ぉ)。SE-U55SXの改造は途中で止めてますが、どうしよう。オペアンプと抵抗まで手を出すかいまだ悩み中です。問題はコストパフォーマンスだけなんですけどね。*2

*2 : 部品点数が多いので載せ替える部品代の問題