PC用DAC(改造済)の聴き比べ

はてブ数 2008/06/18 電子::DAC/ADC

音楽再生はもっぱらサウンドカード等で行っていますが、改造しすぎてレベルアップしすぎでよく分からなくなってきたので整理してみます。

比較対象

どれも現時点で考えられる高音質化(コンデンサ、オペアンプ、抵抗の交換)を行っています。

Prodigy192VE

オペアンプ交換し(AD8066)、コンデンサを交換し、カップリングコンデンサを1つ残して削除し、抵抗を交換しました(原則ニッコーム)。最初からは考えられない高音質なサウンドカードとなっています。はっきり言って、その辺の市販品には負けることはないでしょう。

DACチップはSigmatelのSTAC9460という6ch DACです。

SE-U55SX

詳しくはSE-U55SX関連記事をみて頂くとして、部品抜き欠陥の修正、コンデンサ交換、オペアンプ交換(LM6171/LM6172)、抵抗交換(ニッコーム)を行いました。またDC直結DACに改造してあります。

なぜかUSBバスパワー駆動になってますが、これだけの音質が出るUSBバスパワー機器はないんじゃないでしょうか。

DACチップはBB(TI)のPCM1796です。

PCM2702DAC

TIのUSB-DACチップ、PCM2702を使ったUSBバスパワーDACです。まだ一部変更検討中ですが、こちらもDC直結DACです。

比較結果

今回はめずらしくOPA627使用のヘッドホンアンプで行いました。

Prodigy192VE(改v3) < SE-U55SX(改v3) ≦(?) PCM2702DAC

192VEは他と比べるとわずかに音の透明度で劣ります。SE-U55SXとPCM2702は再生音量の差が大きくボリュームの要因を排除仕切れないのですが(後者に有利)、PCM2702の方が一枚ベールが脱がれたようにも感じます*1。おそらく使用しているオペアンプの差*2で、素体の音質ではPCM1796の方が上だと思います。全帯域のバランスはSE-U55SXが上かも。

*1 : 訂正する予定

*2 : SE-U55SXにはLM6172、PCM2702にはLT1028を投入

過去の試聴との位置づけ

過去の試聴1とついでにPCM2901DACも含めると。

Prodigy192VE <<< SE-U55SX < 192VE改
   << PCM2901DAC < SE-U55SX改 < 192VE改v2
   << 192VE改v3 < SE-U55S改v3, PCM2702DAC 

こんな感じです。1行目のときは歪み感がありました。2行目は見違えますね。3行目は頂上決戦?

PCM2702DAC

ほぼ開発が完了したのであらためき聞き比べてみました。

192VE改v3 < SE-U55S改v3 << PCM2702DAC

PCM2702DAC、敵なしです(笑)

おまけ:VLSCについて

SE-U55SXはVLSC通過前と通過後の音を両方聴くことができるよう改造してあり比べてみましたが、明らかにVLSC前の方が良いです。音の広がり、純度共にVLSC通過後は劣りますね。高調波ノイズはVLSC後の方がたしかに減っているのですが、あまり恩恵には与れません。たしかに音の雑味が消えているのですが、デメリットの方が大きい感じです。

LPFに対して、VLSCが大きなアドバンテージを持つかと問われると難しいものがあります。商業上は(効果はともかく)「オーディオ界特有のセールス文句」として成功していますけどね。

部品を置き換えてもこの状況ですから、通常製品に使われるようなVLSC回路では、その回路による歪みの増加(回路の複雑化による音質劣化の増加)の方が恩恵よりも多そうです。本当にしっかりとした部品と回路構成で、初めて意味を持つのかもしれません。

2008/06/11(水)DACの出力に残るノイズ

高音質な バスパワーUSB-DAC の製作 (PCM2702)を作ってます。またもLPFを設計してて気になったのですが、8xオーバーサンプリングぐらいだと、高域ノイズを完全に消すのって難しいんですよね。

そんなわけで、他のDACだとどれくらい高域ノイズが残っているのか、20kHzのsin波(0dB)をWaveGeneで再生して確認してみました。

PCM2901(LPF前)PCM2702(LPF前)SE-U55SX(VLSC前)
PCM2901_pre.jpg
PCM2702_pre.jpg
se-u55sx_pre.jpg
PCM2901(LPF後)PCM2702(LPF後)SE-U55SX(VLSC後)
PCM2901_lpf.jpg
PCM2702_lpf.jpg
se-u55sx_vlsc.jpg

太い筋のようみえるのがオーバーサンプリングによる高域ノイズです。

  • オシロで確認出来るぐらいなので、どの場合も結構残ってます。
  • PCM2901もPCM1796(SE-U55SX)もどちらも8xオーバーサンプリングですが、内部のフィルタの違いが出力波形に出ています(後者はオーバーサンプリングの固定地点が見て取れます)。
  • PCM2901はかなり強めの2次LPFをかけていますが、まだノイズが残っているようです。
  • VLSCはさすがに高域ノイズを減らしますが、オシロの波形をみる限り完全になくなってはいないようです。
    • VLSCはあくまでサンプリング点のパルスノイズを低減することが目的(ONKYO曰く)なので、高域ノイズが減ったのは副産物(?)とも言えるかも。
    • そもそもSE-U55SXの回路図をみると、VLSCや96kHz再生を前提としているためか、LPF自体がかなりゆるめ(カットオフ100kHz前後)の設計です。

SE-U55SXのマイク端子からなぜかVLSC前の出力が出るようになっているのですが(笑)、聞き比べてみるとたしかに聴覚上ざらざら感がなくなったように感じます。音の見通しがよくなるというのかな。余計な回路が付いている分だけ音が悪くなると思ってたんですが、そうとも限らないみたいです。もっとも、LPFをもう少し強めにかけてあげれば違って聞こえそうですけどね。

こうしてみると、PCM2901もLPFもう少し強くかけていいように感じます(再生音がややざらざらしてるので。

感想

こうやって眺めてみると、いくら聞こえない(?)とはいえ、私たちは随分とノイズまみれの音を聞いてるんですね。カットオフを高めに設定した、4次とか6次とか8次とかのアナログLPFかけたらどんな感じに聞こえるのか、少し気にはなります。

作るのが面倒くさい上、まともな抵抗とオペアンプ使って作らないと意味がないので(それによる音質劣化が激しいので)、しきいが高いですね。100万とかするDACって、8次LPFとか、オペアンプパラレル接続とかしてるんでしょうかやっぱり。

2008/05/02(金)USB-DAC製作中

PCM2901 DAC/ADC。もう完成してるんですけどね。回路図などは後回しとして、とりあえず感想とか。OS-CONだらけですが気のせいです(笑)*1

USBバスパワーに拘って作ったんですが、SE-U55SX(改)Prodigy 192VE(改v2)と聞き比べても遜色ない鳴りっぷり。試しにRMAAしたら、SNR=89.8dBとか出まして、これはチップの仕様限界値(ADC)。

とにかく、この3つのDAC。録音のしっかりした曲じゃないとなかなか差が出ません(192VE改はカップリングコンがあるせいか、他と比べて低音がやや弱い)。慎重に聞き比べると、PCM2701Eは明瞭感が他に劣る。ADCチップ自体の作りが劣ってるのもあると思いますが、オペアンプの駆動電圧が低いのも効いてるのかもしれない。やはり本命はPCM2702か。

信号ラインに普通の抵抗は乗ってないこともあり、歪み感のなさはかなりのものです。直接ヘッドホンを挿すこともできますし、小さいし、ポータブル用途(持ち運び&デモ用)としては十分かなと。

*1 : 手持ちがOS-CONだらけなので。

その他

SE-U55SXは比較的改造しやすいのですけど、Prodigy 192VEはもうそろそろ限界。廉価版だから仕方ないですが、パターンや回路設計の悪さは、改造ではいかんともしがたいです。

その点、SE-U55SXの部品抜きは対応しやすかった(ぉ)。SE-U55SXの改造は途中で止めてますが、どうしよう。オペアンプと抵抗まで手を出すかいまだ悩み中です。問題はコストパフォーマンスだけなんですけどね。*2

*2 : 部品点数が多いので載せ替える部品代の問題