ボリュームの音質改善方法(電子ボリュームを含む)

はてブ数 2026/06/06電子::オーディオ

ボリュームの音質改善方法を新発見したので、古典的な疑似Lアッテネーターと比較する形でまとめました。

以下、記事内で「R1」は、音質に優れたRT0603 10ppm/25ppmを想定しています。

疑似Lアッテネーター

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昔からよく知られた音質改善方法です。

音声信号に対し、直列に入る素子の影響が大きく、並列に入る素子の影響が小さいことを利用し、R1に音質の優れた抵抗を使用し、全体の音質を改善します。この接続方法では、VR1には直列にあたる要素が存在しなくなり、VR1はすべて並列要素となります。

ただし、この方法には以下の欠点があります。

  • ボリュームの接点に電流が流れるため、ガリが出やすい。
  • 小音量でのボリューム調整が難しい。
  • R1の抵抗値や使用するVRによっては、最小音量でも音が漏れる。

それでも、簡単かつ劇的にボリュームの音質を改善することができるため、たまに使われる方法です。このブログでも以前はよく使用していました。

ちなみに、Xの場所に抵抗を足して疑似Tアッテネーター構成とすることもあります。

単純に抵抗を足しても良い

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普通に考えたら余計な素子が増えたので、その分音質が悪化しそうなものですが、なぜか音質が改善します。謎です。謎ですが、分からないなりに推理すると、R1とVR1が「ひとつの直列要素としてみなされて」平均ぐらいの性能を出すのかな? もしくは全体に流れる電流が減ったことが影響しているのかな? とか思っています。

(2)の音質は、ボリュームそのまま(VR1のみ)より少し良くて、疑似Lアッテネーターよりは少し悪いかなという感じです。

この状態で使用するというよりも、これは次の布石です。

コンデンサで音質を改善する

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さっきの(2)の回路にコンデンサを追加したものです。ここで驚きなのは、C1に「C0G/NP0特性」の積層セラミックコンデンサを使用することです。あれほど、積層セラミックコンデンサはオーディオ信号に使うなと言っていたのにも関わらずです。

フィルムコンデンサ(ECHU 100pF)と何度も比較しましたが、積セラのほうが明らかに音が良くなります。

仮説にはなりますが、高周波特性が関係していると思われます。積セラはフィルムコンより圧倒的に高周波特性が優れます。外来もしくはオーディオ入力信号にある存在する高周波ノイズを、100pFのコンデンサを付けることで除去しているのではないでしょうか。

もちろん、積セラを使用することよる音質への悪影響もあるはずですが、それを補って余りある改善効果があるようです。また、コンデンサの容量が小さく、接続場所がVR1の手前なので、出力(OUT)に対する積セラの影響は小さくなっているようです。

その他、現時点で分かっていること。

  • R1は必ず必要だが、10kである必要はない。
  • 電子ボリュームに対しても効果がある。
  • 基板上でコンデンサを付ける位置やパターンで音が変わる。
  • 容量は100pFぐらいが良さそう。
    • 1000pFまで増やすと、100pFよりも音質が悪化する。100pFより減らすと音質改善効果が減る。

疑似Lアッテネーターよりも音質改善効果があり、疑似Lアッテネーターのようなデメリットも皆無です。この構成を取ると高級なボリュームを買わなくても、電子ボリュームを使わなくても、かなりの音質が期待できます。

また、部品代は高く付きますが、薄膜フィルムコンデンサを使えばもっと効果は高いと思われます。

コンデンサを他の場所につけた場合は?

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Bの場合を試したので、A,Cについても検証してみました。それぞれ単独で100pFの積セラを付けた場合です。

Aの場合。再生装置の出力回路を考えるとAの位置にコンデンサを付けることは余り良くないのですが、100pFならばケーブル容量ぐらいなので気にせず試してみました。結果は「無いよりはあったほうが良いかな?」ぐらいの音質改善で、ちょっと拍子抜けしました。

Cの場合。Bと同様に(B以上に)音質改善効果はあるのですが、その代わりに音質悪化効果も大きいという困った結果になりました。特に積セラの場合は、この悪化効果が大きくなります。Cに付けるのならば特性の良いフィルムコンなどを使用したほうが良いです。

ただし、フィルムコンを使ったとしても、Bの位置に積セラを付けた場合より、音質が劣るという結果になりました。

発見の経緯

興味のある人だけどうぞ。

電子ボリュームの耐圧問題。低電圧で使用するときの注意点」の記事にて、結局アナログスイッチICを使ってミュート回路を実現したことを書きました。

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音質が良くなるように回路定数(R6/C1)を調整したところ、最終的に「C1=0.1uF+1nF」とすると一番音質が良くなりました。と同時に、なぜかミュート回路を付けたほうが音が良くなることも発見しました。

「余計な回路が付いて、明確に音が良くなるなんて、そんなことある?」

音が明確に変わるということは何かしら理由はあるわけです。

ICの端子には多かれ少なかれ容量結合というものがあります。C1の容量を増やすと音質が良くなってたことから、もしかして、単純にコンデンサを付けたら音良くなるんじゃない? ということで様々な実験を行い、この記事の知見が得られました。

まとめと考察

  • コンデンサでボリュームの音質を改善できる。
  • この方法は、疑似Lのようなデメリットがない。
  • 安価な物理ボリューム(RD925G)でも、かなりの音質が得られる。

この音質改善効果はデジタル音源(DAC)に限られる可能性があります。テープやレコードのようなアナログ再生装置があればぜひ追試してください。

まだ発見したばかりで検証不足ですので、検証が進んだら随時記事を更新していきますね。

「試したら、音質悪化したじゃないか」というような追試コメントもお待ちしています。

注意

繰り返しになりますが、R1には「RT0603 10ppm or 25ppm」などの音質の良い抵抗を使ってください。

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