2025/05/15(木)DACのLPFにフェライトビーズを使ってみる
ヘッドホンアンプ回路をいじっているときに、ふと思い立って、DAC(PCM2702DAC魔改造品)のLPFを変更してみました。
作ったのはこんな回路

なんとなく「LPFは抵抗とコンデンサのみで構成する」ってイメージがあると思うんですが、ヘッドホンアンプでは出力フェライトビーズ(orコイル)が驚異的な性能と音質を実現している*1ので、別にフィルタに使ってもよくない?と。
PCM2702のDAC出力段も、LPFも結局オペアンプ回路なので、どちらもフェライトビーズにより負荷を軽くしてあげたことで、結構音質が良くなりました。
ついでにシングルオペアンプ比較

載せ替えた直後と時間たった後で音が変わるので、30分ぐらい鳴らした後で比較しました。
本当は回路調整とオペアンプ変更は同時にテストすべきだとは思いますが、時間がかかりすぎてやってられないため*2、適当なオペアンプにて回路を最適化したあとでオペアンプ選択しました。
- LT1028ACN系
- 定番の低ノイズオペアンプ。仕様書にある通り、入力抵抗の関係からLT1001ACNが一番よかった。
- LT6018
- 比較的新しい低ノイズ高音質オペアンプ。比べた中でも頭1つぐらい抜けてよい。1pin=Vee、8pin=Vcc接続が必要。THD+N -115dB。
- LME49990
- 往年の(製造終了している)低歪み、低ノイズオペアンプ。すっきりとした音で比較基準としてちょうどよさそう。THD+N -140dB。
- AD8671
- アナデバの石って使う人あんまりいないけど、結構良いの多いですよ。
- OPA627A
- 昔の高級オペアンプ。試す前は「今更だろう」と思いましたが、さすがに音は良かった。THD+N -130dB(グラフより)。
- OPA211
- 低ノイズのペアンプ。OPA627のほうが良いかな。THD+N -136dB。
- OPA828
- 低ノイズ、JFET入力オペアンプ。結構よかった。THD+N -130dB。
- OPA1611
- SoundPlusシリーズのオペアンプ*3。今回の中では一番良かった。THD+N -136dB。
- 補足
- THD+Nは1kHz、Gain=+1の記載があれば抜粋。負荷や信号の大きさはまちまち。
ここに書いたやつは基本的にどれも良かったです。回路等によって最適は変わるという前提のもと、この中で特に印象深かったのは、LT6018、OPA828、OPA1611の3つで、そこまで差はないかなという感じです。
まとめ
未だにPCM2702をメインで使ってるのもアレな感じはしますが、その辺のスペックだけ384kHz/32bit DACよりは音も良いから困りもので……。
過去の魔改造+今回のLPF変更でPCM2704 Ver.2よりは多少良くなりましたが、msBerryDACには明らかに劣ります。msBerryDACなんて化け物DACを1万円以下で頒布した奴は、ほんと狂ってると思う。
ハイレゾDAC作りたいなあ。