2022/09/14(水)PS2 DUALSHOCK2のアナログ感圧ボタン修理

PlayStation2 のボタンが反応しなくなったので、デジタル化して修理したときのメモ。PS3コントローラーでもおそらく有効。

(Abstruct) Notes on repairing PlayStation2/DUALSHOCK2 analog pressure sensitive buttons by digitizing them.

※PS2実機での動作は未確認。

なぜ壊れるのか

コントーラーのほとんどのボタンのは、アナログ感圧入力になっています。

dualshock2_01.jpg

写真で見るとわかりやすいですが、スタートボタンなどはon/off入力なのに対して、他のボタンは抵抗値の変化を検出するボタンになっています。

dualshock2_button_circuit.png

抵抗体(黒い線)の上に、ゴム製の導電物質を押し付けることで、抵抗値の変化を起こしその値を検出しています。なるほど賢いと思うかもしれませんが、ボタンを普通に押したときの電圧変化はたったの0.04Vです。*1

しかも、この黒い抵抗体はとても劣化しやすい問題があります。極微量の抵抗値の変化を検出しているため、劣化が進行するとボタンの認識不良が起きます。

この仕様になっているのは、PS2とPS3のみです。

失敗した修理

  • 2B/4B/8Bといった濃い鉛筆で「押し付ける側」を塗りつぶし、ボタン側の導通をよくする。
    • 効果あり。シートが分かれてる仕様のコントローラーではかなり有効。導電性ゴム仕様では、すぐに効果低下。抵抗体側(配線されてるシート)側には塗らないこと(逆効果)。
  • 導電性ゴムにアルミホイルを貼り付ける。
    • 効果なし。ゴムのように面で接しないために効果がない模様。デジタルボタン(リモコンのボタン)等ではとても有効な修理方法。
  • シートの裏にシールを貼って、押し付け圧力が高くなるようにする。
    • ほぼ効果なし。シールを2枚重ねにすると、明らかにボタンの感触が悪くなる。

*1 : 販売時期により、導電性ゴムではなく2枚重ねシートを押し付ける形式もありますが、とにかく原理的には変わりありません。

デジタル化して修理する

すでに説明したとおり抵抗値の変化が大きくなれば、ボタンのon/offを問題なく検出できるようになります。onのときの抵抗値を小さくするのではなく、offのときの抵抗値を大きくしてしまえば解決するのではないかと思い、実験しました。

dualshock2_02.jpg
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dualshock2_03.jpg

小さいマイナスドライバーの角を使って抵抗体を削り、ちょうど中心で(ボタンの中央が当たる位置で)抵抗体を切断しました。強制的なデジタル化と言えます。

この状態で1週間ほど使用していますが、問題なく反応するようになりました。

注意点と余談

  • 必ず自己責任で行ってください。
  • PC用に接続して使用しているため、PlayStation2に接続したとき動作するかは確認していません。もし確認されましたら教えてください。
  • 切断は必ずちょうど中央で行ってください。
  • ちなみに、ボタン部分のフィルム回路はaliexpress等で互換品を入手できます

品質が保証されていて、入手性の良いPC用コントローラーとしてPS2のコントローラーを(変換器を介して)使用してきましたが、さすがに最近は(ジャンク品でも)流通が減ってきたので、そろそろ他を検討したいところです。

Logicoolのコントローラーとかでも良さそうですね。