低電圧ヘッドホンアンプ Ver3 (op-dbuf3)

はてブ数 2012/12/27電子::HPA

多数の方に製作して頂いた低電圧ヘッドホンアンプ(op-dbuf/op-dbuf2)の最新進化系になります。自作HPAにどうですか?

  • 単3電池×2本仕様
  • 消費電流70~80mA
  • 最大振幅:約2Vpp(ニッケル水素使用時)

キット頒布終了。基板のみはありませんが、こういう手も。改良版の回路図が記事の最後にあります。

目次

回路図と部品表

op-dbuf3.png

部品記号部品名備考、入手先
VR12連ボリューム1RD925G、R1610Gなど。10KA推奨。
U1低電圧オペアンプ1LT6201/03,AD8646,LMP7716など
D1~D41mA~5.6mA 定電流ダイオード4-
D5~D8ショットキーバリアダイオード(SBD)41S3など
Q1~Q4低ノイズPNPトランジスタ42SA1015(L)
Q5~Q8低ノイズNPNトランジスタ42SC1815(L)
L1, L2低ESRコイル。1uH2チップまたはラジアル品
R1, R2擬似Lアッテネータ用抵抗。2LGMFSALGMFSLMFQ50Sなど推奨
R3~R6無誘導巻線抵抗 1Ω(0.5Ω)4OHMITE。LGMFSAもおすすめ
C1-C4大容量電解コンデンサ 2.5V/2700uF4OS-CON推奨
C5, C6電解コンデンサ 6.3V/560uF2OS-CON推奨
C21,C22100pF フィルムコンデンサ2音質の良いフィムコン。ECHU推奨
C31-C38PSチップフィルムコンデンサ 16V/0.1uF8ECP-U1C104MA5
C41-C48PPSチップフィルムコンデンサ 16V/10nF8ECH-U1C103JX5/GX5
C51-C58PPSチップフィルムコンデンサ 50V/ 1nF8ECH-U1H102JX5/GX5

※C5,C6,C21以降は省略可能。

その他の部品。

  • 入力端子(ステレオ分)
  • 出力端子(ステレオ分)
  • 2回路スイッチ
  • R9,LEDはLEDランプ用。電圧変更時はR9を変更のこと。
  • 電池ボックス、ボリュームつまみ等

部品選択と回路の変更(製作アドバイス)

  • 回路図は、音質向上を狙って擬似Lアッテネーターになっていますので、普通のボリュームが良い場合はR1,R2を付けずに通常のボリュームとして実装してください。
  • この回路は、SBDで嵩上げした電圧がほぼそのまま終段のR3~R6にかかる仕組みになっています。ですから、使用するSBDの種類によって出力電圧範囲と終段アイドル電流が変わります。(またSBD両端電圧×2だけU1の出力電圧範囲より最終的な出力が狭くなります)
  • SBDとして1S3等を使用する場合はR3~R6は1Ω程度にすることを強く推奨します。抵抗値が増えるとアイドル電流は減ります。アイドル電流は20~50mA程度にしてください。キットにはCDBU0530というこの回路で約0.1Vと電圧がかなり低いSBDを使用したため終段を0.5Ωにしましたが、他のほとんどのSBDでは1Ωで十分です。
  • SBDを抵抗で置き換えると発振しやすくなるのでやめたほうが良いです。
  • CRDは1mAでも5.6mAでも構いません。SBDに電流を流した方が電圧が増えるためSBDの両端電圧と関係がありますが、この電圧(±1.2V)では大した変化はしないので1mAでも5.6mAでもどちらでも構いませんが、電圧をあげる場合は変更を検討してください。
  • C21以降の小さなフィルムコンやC5,C6は省略しても構いません。
  • C21,C22はD級ヘッドホンアンプでの経験を生かしたコンデンサです。オペアンプは動作中、入力側に出力に関連したノイズを漏らす(瞬間的に電流を吸い込む)ことがあります。これを逃がす(供給する)ためのコンデンサです。
  • コイルは必ず1uHを付けてください。省略ないしは1uH未満にすると回路動作が不安定になります。ESRが低ければ低いほど音質が優れる傾向があります。場所の余裕があればラジアル品のパワーインダクタや手巻き空心コイルが良いと思います(音質確認はしていません)。キットは、数種類試聴の上でMLZ2012N1R0Lを使用しています。*1

オペアンプの選択

低電圧動作の関係でオペアンプはレイル・ツー・レイル(Rail to Rail)入出力である必要がありますが、回路図にも載せてあるとおりとても多くのオペアンプが動作します。

キットにはLMP7716を使用しましたが出力電圧範囲が少し狭い(+0.8V~-1.0V程度)ので、能率のあまり高くないヘッドホンを使用する場合は別のオペアンプを使用すると良いです。以下に列挙したオペアンプはどれも2Vpp(±1.0Vpp)程度は出力できます。

  • 動作確認済みで音質的によさそうなもの(個人的好み/順不同)
    • OPA2365、LT6201、LT6203、AD8646、LMP7716、LMP7721*2
  • 音質は好みによるものの
    • LMP7732、LME49721、AD8656、AD8606、LT1678(LT1677×2)
  • 動作しない(発振してしまう)ことを確認したもの。*3
    • LTC6247, LTC6253, AD8028

どれを乗せても基本的に良い音で鳴りますので好みで選んでください。ここに書いてないものでも動くものはたくさんあります。*4

電圧を変更したい場合

掲載回路定数は、電池2本使用時において最も良くなるように設計されています。

電池4本ぐらいまではこのままで問題無いと思いますが(4本でもアイドル電流がかなり増えるので終段抵抗は1Ω以上に)、それ以上あげたい場合の参考資料として書いておきます。一切テストしていませんので、定数設定・動作確認は各自で行なってください。*5

  • U1の耐圧は超えないように注意してください。電圧が高いのならば、上に挙げたものよりも、より低雑音の(レールツーレールではない)オペアンプが使用できます。LT6231とかAD8397とか。
  • C1、C2の耐圧を変更すれば電解コンデンサの耐圧に問題はありません(部品表で載せているフィルムコンの耐圧は16Vです)。C3-C6にかかる電圧はバッファ部分の回路が正常動作している限り常に一定で、C3-C4は1.5V程度、C5-C6は0.1V未満です。
  • 電圧を上げると終段アイドル電流はどんどん増えますのでトランジスタを熱暴走させないように注意してください。多くても50mA程度にしておいた方が良いと思いますが、電圧が高いとそれでも熱暴走します(発熱は電流と電圧に比例します)。終段抵抗(R3-R6)を2.2Ω以上など高めにするほうが良いでしょう。*6
  • 電圧を上げる場合、CRDの値で終段アイドル電流が変化します。CRDを1mA等に変更するのもアイドル電流を抑える手です。
  • 駆動力の低いオペアンプの場合、C3の容量で発振することもありえます*7。その場合、容量を減らした方が動作が安定するかと思います。

*1 : 並列に抵抗を1Ω付けると、古くからアイソレーターとして知られるアンプ回路の方法です。この回路では1Ωは敢えてつけません。

*2 : ピンが特殊なため、専用の変換下駄が必要

*3 : 発振しながらも普通に再生はされるのですけど(苦笑)

*4 : さらに高能率ヘッドホンに限定したり電圧を変更すればレールツーレールでなくても構わないので、使えるオペアンプは無数にあります。

*5 : 2013/02/06追記。電圧変更や電源変更に関する質問はしないでください。最大でも単1~4電池4本でご使用くださいという立場です。変更するなとは言いませんが、電圧変更する場合に頼られても困ります。なお、電圧変更結果を報告されるのは歓迎します。

*6 : 終段抵抗を高めに設定すると出力インピーダンスが多少上がってしまいますので(過渡応答性能が低下する可能性があるので)善し悪しです。

*7 : 理論通り上下対称動作ならばC3の容量は関係ないのですが、非対称部分をコンデンサが是正するときにオペアンプからみるとC3は容量負荷とみなせるようです(推測)。

回路の原理

元回路図は、音質向上のための部品がごちゃごちゃして見づらいので、簡易型回路図で解説をします。もちろん、この回路はそのまま組み立てて動作しますし、これでも十分な音質になります。

op-dbuf3_easy.png

ダイアモンドバッファ回路はトランジスタのVbeがある分、どうやっても最大振幅が「電源電圧(2.4V)-Vbe(0.7)×2=1.0Vpp」になってしまいます。低電圧動作ではこれはネックです。これを解消するために外部に何かしらの細工をしなければなりませんが、その細工を行うと音質が悪化してしまうジレンマがありました。

それをスマートに解決するのが電解コンデンサC3です。C3の電圧はSBD(D5,D7)の順方向電圧とQ1,Q5のVbe電圧で決まるため、常に一定電圧(1.6V前後)となります。この状態で、例えばU1から+1Vが出力されると「Vcc→SBD(0.2V)→Q1(0.6V)→U1」のラインには0.4Vしか電圧が掛からないため、電流が流れません。このときC3の負側電圧は「1.0V-0.6V(Q5)-0.2V(D7)=0.2V」となります。C3には十分な電荷が充電されているので、「負側電圧+1.6V=1.8V」がC3の正側電圧となり(電源電圧は±1.2Vなのにもかかわらず)、そこからQ7を通してR3に正電圧がかかり、結果として+1.0Vを出力することができます。つまりC3があるおかげでダイアモンドバッファがほぼフルスイングするのです*8


実際にオシロスコープで観察してみます。

op-dbuf3_c3-1.png

U1=LT6203で、電圧レンジは1V、(1)が出力電圧、(2)がC3の正側電圧です。2Vppの出力が得られ、Q7ベース電圧(=C3正側電圧)は電源電圧1.2Vを上回り1.8V程度にまで達していることが分かります。


このままC3を外すと次のようになります。

op-dbuf3_c3-2.png

出力は1Vpp程度となり、Q7ベース電圧は電源電圧である1.2Vを超えることができなくなりました。


このように万能な働きをするC3ですが、コンデンサであるためsin波のようなピークを持続する信号をずっと(1秒以上)与え続けると完全に放電してしまい付いてないのと同じになってしまいます。通常の音楽再生で問題になったことはありませんが、こういう仕組みの回路なのだとご理解ください。

また、例え1Vpp未満の出力でもC3は音質向上に大きな役割を果たします。おそらくC3の容量は多ければ多いほど良いはずです。*9

*8 : C3正側と電源がCRDでつながっていることも大きな要因です。CRDは逆方向に電流を通さないので(検証後修正します)、抵抗ならVccに向かって放電してしまうところを、ほぼ絶縁された状態となりC3正側電圧が電源電圧を超えることができます。

*9 : OS-CONの560uFよりも2700uFをつけた方が音質が向上することは確認しています。

Ver3に至るまでの紆余曲折

op-dbuf2-Lch.png

どのようにしてVer3の回路が生まれたのか、どのような工夫がされていのかというお話です。

右図が以前の回路図(op-dbuf2)です。ダイアモンドバッファで足りない出力範囲をD5/D7でバイパスさせたオペアンプで出力させる回路になります。R9,R11をSBDで置き換えるアイデアはかなり初期から持っていて、実際自作品はすべて置き換えていました。*10

しばらくして(年単位で)、D5/D7のバイパス回路をどうにか他の方法で代用できないかと考え始めたのがVer3の始まりです。SBDバイパス回路は上手い仕組みではあったのですが、SBD自身が持つ容量で動作が安定しません。そのせいでZobelフィルタの抵抗(R7)も通常の10Ωではなく3.3Ωといった低い値にせざるを得ないため、ますます音質を悪化させる要因となっていました。SBDを外してしまえば劇的に音質は向上しますが、今度は低電圧動作が厳しくなります。

Ver3.0

最初に考えたのは、SBDの部分をオペアンプバッファ回路に置き換えたものでした。出力(ループ外)に1Ωの抵抗を介してダイアモンドバッファの出力端と接続します。LME49721では発振してしまいましたが、AD8656などの高速・高出力オペアンプをバッファに使用することで広い最大振幅を得ることが出来ました。しかしながらオペアンプが直列2段となり、おまけにダイアモンドバッファとオペアンプバッファが並列となるため回路を安定させることが困難でした。そもそも動作するオペアンプの組み合わせがごく少数に限られ、動作する組み合わせでは音質もあまり優れたものではありません。

しばらくの期間格闘した末、安定動作を諦めました。そもそも安定動作しない原因を考えてみると、オペアンプが直列になっていることが最大の要因です。ならばと「オペアンプ+ダイアモンドバッファ回路」と「オペアンプのバッファ回路(AD8656等)」を2つ並列に並べ(2つの回路にそれぞれボリュームからの入力を与え)出力ミックスしてしまえば問題が解決するのではないかと考えました。実際この「並列バッファ」回路はうまく動作し、この状態で一度プリント基板を起こしています。

サンプルとして何人かに回路図を配布し、次期バージョンはこれをベースにするつもりで、暇を見つけてはZobelフィルタ定数の変更(0.1uF+10や0.01uF+100等)やオペアンプの選択を色々と確認・試聴していました。でも、数限りなく試聴していて分かったんですけど、オペアンプバッファの出力をミックスしない方があらゆるケースで音は良かったんですよね(苦笑)*11

Ver3.1

以後かなりの試行錯誤を重ね、もうこれでokだろうとオペアンプ選択も定数も決まった頃、ある人より「終段トランジスタのベース間に1~10uF程度の電解コンデンサを入れると音質が向上する」という情報をいただきました。早速付けてみるとたしかに音質が向上する。不思議です*12。容量増やしたらどうなるんだろう?と100uF、560uFと増やしてみました。多ければ多いほど音質が良くなります。

並列バッファ回路のダイアモンドバッファに560uF*13をつけた状態で色々と試聴をしていると、あることを発見しました。オペアンプバッファがなくても2Vppの出力が得られてる!? そう、上で偉そうに述べた原理は単なる偶然の産物で、しかもきっかけとなった情報は他人からもらったものでした(苦笑)。すぐに理由を理解してオペアンプバッファは外しました。しかも気をよくしてまたもプリント基板を起こしました。

Ver3.2(Zobelフィルタと音質の謎)

最後にしたのがZobelフィルタの調整でした。以前Zobelフィルタは音質への影響がなく発振防止ができると書きましたが、あれは間違えです。Zobelフィルタで発振を防止するということは、Zobelフィルタで高域の特性を殺していることにほかなりません。発振しない範囲でZobelフィルタをできるだけ軽くするほうが音質は良くなります。負荷が軽ければ軽いほどオペアンプが本来の性能を発揮するからです。*14

ヘッドホンアンプ回路を組み立てるときは、目安として100pF~3300pF間*15のフィルムコンデンサを出力にぶら下げ発振しないことを確認しています。この範囲で発振および再生時に寄生発振しない値を慎重に選んで行きました。たしかギリギリまで頑張って0.01uF+100Ωや200Ω程度の非常に軽いものを選択したはずです。これでも、大きめの容量負荷では発振しやすくなりました。

そしてもう1つ問題がありました。オペアンプによって発振しやすいものと、しにくいものがあるということです。オペアンプを指定決め打ちでも構わないといえば構わないのですが、アンプ回路として少し魅力にかけますし、音質の良いオペアンプを選ぶ際の選択肢が限られてしまいます。

そんなこんなで長いこと格闘するうちに、ふと気づきました。「容量負荷で発振するなら小誘導コイルで容量負荷を切り離してしまえばいい」。実際、あれほど苦しんでいた発振対策が、コイルを1個入れるだけで簡単に治まりました。なるべく音質への影響がでないよう小さい値を選択しましたが、発振防止の観点から1uH未満はダメでした。

Zobelフィルタを外したことだけではなく、コイルによってケーブル負荷の負担からアンプを分離したことでアンプ回路が本来の性能を存分に発揮し、これまた劇的に音質が改善しました。加えて回路全体が安定し、とても多くのオペアンプが他の回路に使用したときよりも良い音で動作するようになりました。*16

Ver3.3

その後したことは、C5,C6の追加、アイドル電流の調整やSBDの選択。コイルの試聴と選択など、最終的なツメの作業です。*17

コイルはESRが低ければ低いほど音が良かったのですが、ESRがほぼ同じMLZ2012N1R0L(60mΩ)とGLFR2012T1R0M-LR(58mΩ)では前者のほうが音が良いという謎がありました。構造にもよるのかもしれません。太い導線で空心コイルを自作するとより良くなるかもしれないので、興味ある方は試して教えてください。

*10 : 特にアナウンスもしませんでしたが、音質の変化も少なく意味もあまりありませんでした。

*11 : ユニバーサル基板の試作機はジャンパ式になっていて、オペアンプバッファの出力も、ダイアモンドバッファの出力もそれぞれ切り離せるようになっていた。それどころか、それぞれへの入力経路もボリュームやU1出力など切り替え式になっていた。

*12 : ダイアモンドバッファは上下対称回路で歪みを抑える建前になっていますが、実際にはPNPトランジスタとNPNトランジスタの動作はそれほど対称ではありません。このコンデンサは上下の非対称動作をある程度解消すると共に、終段ベースの電圧変動にCRD経由ではなくコンデンサが放電することで素早く対応しているものと考えられます。

*13 : 1~10uFと聞いていたのでこの時点では2700uFは試さなかった

*14 : 0.1uF+10Ωという従来使ってきたZobelフィルタは、高周波において10Ωが単に繋がっているのと同じになります。

*15 : 3300pFで発振しないが、数百pFで発振するということが稀にあるので、大きい値だけ試すのは不十分です。どうやっても安定しにくいときは1000pF以下で発振しなければokと妥協することもあります。

*16 : その代わり、容量負荷に対して特殊な設計されている一部のオペアンプ等で逆に不安定になったりするようです。

*17 : C21,C22はD級ヘッドホンアンプでの経験を生かしてVer3.2で既に追加されまていました。

キット基板とケーシングのお話

今回はキットのケーシングを頑張りました。

op-dbuf3_pcb.jpg

前回は基板のケースへの固定具合がイマイチな上、ケースの問題から単3を諦めたり、ツルツルになるまでハンダ面をニッパで削らないと入らなかったりとお恥ずかしい限りでしたが、今回は小型かつ単3電池*18で入るケースとしてテイシンのTB-56を選択しました。

電池ボックスを入れる余裕はなかったので、直接基板上に電池接点を設けています。基板厚(1.6mm)があると単3が収まらないので電池裏側は基板くり抜きです。

op-dbuf3_case.jpg

また前回ボリュームのノブが付かないという惨事も起きましたが、今回はアルミ製のちょっとリッチなノブをつけました。部品単体ではケースと基板の次に高いかもしれない(苦笑)

TB-56の蓋の作りの関係でこれ以上ボリュームを右にずらすことはできませんでしたが*19、それなりの太さのプラグを使っても大丈夫な最低限の幅は確保しているつもりです。

*18 : 音質向上のため回路にアイドル電流たくさん流す設計なので、どうしても単3を使いたい

*19 : 大きなニッパでちょきんとやれば邪魔な凹凸は簡単に外れるには外れるのですけど(苦笑)

サポート情報(更新情報)

音がちゃんと出ない

この回路、発振しても音はちゃんと出てしまうので、たぶん原因は以下のどれかです。

  • 接触不良、半田不良、基本的な配線ミス
  • トランジスタの接続ミス、もしくは向きが逆
  • SBDかCRDの向きが逆

低音が鳴ったときにぷちぷち聞こえる?

経験はありませんが低能率ヘッドホンの一部でそうなることがあるという話を聞きました。その場合C5/C6を外してみてください。ただし、ほとんどの環境で外す必要はないと思います。

(追記)C5/C6はA級動作外だと理論上回路動作に悪影響がありそうですが経験上問題が出たことはありません。外すと低音の止まりがやや悪化しボン付きますので、結果として低音の量感が増えたと感じる人もいるようです。

Ver3.30

基板に一部接続ミスがありましたので、画像を参考に修正してください。ただ無理にする必要はなく、修正してもしなくても音の差はほぼわからないと思います。*20

ver3.3-c33_1.jpg
ver3.3-c33_2.jpg

*20 : 基板Version3.31以降は修正されていますのでこの加工は必要ありません。

作例

  • キット
    • https://sites.google.com/site/sakhilaoishi/op-dbuf3 Sakhilaさんの写真付き組立レポ。
  • ユニバーサル基板
    • kiryさんの作例
    • http://kisaragifactory.tumblr.com/post/50663143512/nabe-ver3-30 きさらぎさんの作例

定数や電圧変更したい場合はkiryさんの記事のコメント欄が参考になります。

まとめ

音質は聞いてみるのが一番ですので、いつもの自画自賛はやめておきます。好みはあると思いますが、そんなときでも様々なオペアンプで動作するのが魅力的です。ユニバーサル基板でも十分作れる回路設計ですので、キットに限らず作って頂ければ嬉しいです。


音気に入らなかったでも構わないので感想頂けると嬉しい。

改良版 - Ver3.50回路図 2023/06/27

もう古い記事ですが、たまに製作して頂けているようなので、改良した回路図を掲載しておきます。

op-dbuf3.50.png

  • オリジナルより音質が優れ、製作も簡単です。
  • 使用部品は上にあるオリジナルの部品表を参考にしてください。
  • 定電流ダイオードD1~D4(1mA~5.6mA)の値は大きい方が音質が良くなりますが、値が大きいと使用するトランジスタによっては熱暴走してしまうことがあるかも知れません。
  • 電源電圧はエネループ専用です。アルカリ電池等を使用すると、定電流ダイオードとトランジスタの組み合わせによって熱暴走することがあるかも知れません。

質問があればコメント欄にお願いします。