最強「PCM2702 USB-DAC」の製作 / PCM2702-v2
※2012/12/19 キット頒布終了しました
※2012/08/01 U5,U6を低ノイズLDO(LT1761-5)に変更しました
※2012/03/02 (Ver2.32)回路図更新
※2011/07/05 (Ver2.3)回路図・解説更新
高音質な バスパワーUSB-DAC の製作 (PCM2702)の製作から約2年。再頒布の大きな要望を受けて2年間で蓄積されたノウハウを注ぎ込み製作されたUSB BusPower DACです。
おそらく(バスパワーに限らず)PCM2702をここまで鳴らした人は世の中に他に居ないんじゃないでしょうか(苦笑)*1
これ自作するのは困難ですがPCM2704 DACなら規模も小さく音も相当いいのでおすすめ。(追記。難題のDCDC部をボード化したのでこれで自作も可能かと思います。)
回路図
後で述べる通り細かい工夫がたくさん詰まっています。シンプルに構成したいため反転出力仕様です。
部品表
部品記号 | 部品名 | 型番 | 数 | 購入先 |
---|---|---|---|---|
基板 | プリント基板 | - | 1 | P板 |
ケース | タカチ MX型モバイルケース | MX2-8-10GS | 1 | マルツ |
U1 | DCDCコンバータ | LT3582EUD-12 | 1 | Digikey |
U2 | USBDAC 48kHz/16bit | PCM2702E | 1 | Digikey |
U3, U4 | 3.3V 3端子レギュレータ | ZLDO1117G33TA | 2 | Digikey |
U5, U6 | 5.0V 3端子レギュレータ | ZLDO1117G50TA | 2 | Digikey |
U7, U8 | 高速オペアンプ(LPF) | LT1037ACN (LT1028ACN) | 2 | Digikey |
U7, U8 | ICソケット(丸ピンDIP8) | - | 2 | 秋月 |
X1 | 12MHz TCXO | FOX924B-12 | 1 | Digikey |
Q1 | PNPトランジスタ | 2SA1015-Y | 1 | 秋月 |
PowerLED | 3φ赤色LED(リード) | - | 1 | 秋月,千石 |
PlayLED | 3φ緑色LED(リード) | - | 1 | 秋月,千石 |
D1, D2 | SBD 30V/2A/0.37V@2A | CMS06(TE12L,Q,M) | 2 | Digikey |
J1 | USB Bメス基板コネクタ | - | 1 | 秋月 |
J2 | ステレオミニ、メス | SJ1-3533N | 1 | Digikey |
J3 | RCA基板用コネクタ(白) | AV-8.4-1-L | 1 | マルツ |
J4 | RCA基板用コネクタ(赤) | AV-8.4-1-R | 1 | マルツ |
FB1-5 | フェライトビーズ 1K(R特性) | MMZ2012R102A | 5 | Digikey |
L1, L2 | DCDC用コイル 10uH/3A/61.1mΩ | NR6045T100M | 2 | Digikey |
L3-L6 | チップコイル 100uH/40mA/4.5Ω/2012 | GLCR2012T101M-HC | 4 | Digikey |
R1, R2 | チップ抵抗 22Ω | - | 2 | Digikey |
R3 | チップ抵抗 1.5kΩ | - | 1 | Digikey |
R4 | チップ抵抗 2.2kΩ | - | 1 | Digikey |
R5 | チップ抵抗 100Ω | - | 1 | Digikey |
R6-R11 | チップ抵抗 220Ω | - | 6 | Digikey |
R12,R21-22 | チップ抵抗 10kΩ | - | 3 | Digikey |
R23,R24 | チップ抵抗 3.3kΩ | - | 2 | Digikey |
R25-R30 | LGMFS 22kΩ / 高音質抵抗 | LGMFS25-223D | 6 | bispa,(マルツ) |
R33-R34 R36-R40 | リード抵抗 2.2Ω | - | 7 | 秋月 |
R35 | ジャンパ(0Ω) | - | - | - |
R41,R42 | 100Ω無誘導巻線抵抗(or 音響用抵抗) | WNA100FET | 2 | Digikey |
VR1, VR2 | 半固定抵抗 500Ω | 3362P-1-501 | 2 | 秋月 |
C1, C2 | チップ積セラ 10nF/16V/X7R/1608 | - | 2 | Digikey |
C3-C13 C15-C16 | チップ積セラ 10uF/16V/X5R/2012 | EMK212BJ106KG-T | 13 | Digikey |
C17-C25 C27-C28 | チップ積セラ 1uF/16V/X7R/1608 | EMK107BJ105KA-T | 11 | Digikey |
C14* C29*-C32* | PSフィルムコンデンサ 0.1uF | ECP-U1C104MA5 | 5 | Digikey |
C35*,C36* | PSSフィルムコンデンサ 0.1uF | ECH-U1C104JX5 | 2 | Digikey |
C37*,C38* | PPSフィルムコンデンサ 100pF | ECH-U1C101GX5 | 2 | Digikey |
C39*,C40* | PPSフィルムコンデンサ 330pF | ECH-U1C331GX5 | 2 | Digikey |
C41*,C42* | PPSフィルムコンデンサ 0.01uF | ECH-U1C103GX5 | 2 | Digikey |
C50-C53 C63-C66 | OS-CON SPEC 470uF/16V | 16SEPC470M | 8 | bispa,千石 |
C54,C75 | OS-CON SPEC 560uF/6.3V | 6SEPC560MW | 2 | bispa |
C55-C62 | OS-CON SPEC 1500uF/6.3V | 6SEPC1500M | 8 | bispa,千石 |
C71-C74 | OS-CON SPEC 100uF/16V | 16SEPC100MW | 4 | 千石 |
※C33,C34およびR31,R32は回路変更のため不要(NC)になりました(Ver2.31)
※U5,U6を低ノイズLDO(LT1761-5)に変更しました
部品の代用
自ら部品を集めてつくる人はあまりいないとは思いますが。
- チップ抵抗は普通のカーボン抵抗でも構いません。
- ジャック類は適当にどうぞ。
- 「U2~U4」の3端子レギュレータは別のものでも構いません。
- 「FB1~FB4」のフェライトビーズはなければ1~10uHぐらいのコイル、ないしはジャンパでも構いません。*2
- 「R25~R30」のLGMFSはマルツのLMFQでも可。また20KΩでも10KΩでも構いません。
- 「C50~C53」のコンデンサはC63等と同じOS-CONの16V/470uF(16SEPC470M)やニチコンHZ 16V/470uF(UHZ1C471MPM6)、MCZ 16V/470uF(16MCZ470M)等、他の低Z品でも構いません。
- 「C54~C56」のコンデンサはニチコンHZ 6.3V/1000uF(UHZ0J102MPM)等の他の低Z品でも構いません。OS-CON SEPC 6.3V/470uF(560uF)でも構いませんが容量が減ると若干不利のようです。
- C71/C72は容量がもっと大きくても構いません。OS-CON SEPCを強く推奨。
- DCDC部はLT3582単体DCDCモジュールを利用するとよいでしょう。
オペアンプの選択
LPFオペアンプは試聴を重ねた結果LT1037ACNを標準としてます。その他の推奨品一覧。
(滑らか)LT1037ACN > LME49990 > LT1363 > LT1028ACN(硬め)
さらに硬めで「> LT1128ACN > LT1115」と続きますが個人的には推奨しかねます。
LT1037ACNがどうも好まないとかって人はLME49990をおすすめ。こちらの方がバランス良く感じる人も多いと思います。よりカッチリ鳴らしてほしい場合はLT1028ACNやLT1363をおすすめします。*3
LGMFS(やLMFQ)は、OHMITE等の無誘導巻線よりは少し劣るものの、他の音響用抵抗よりも音が良くコストパフォーマンも優れるのでおすすめです。
フィルムコンの選別については別記事を参照してください。
回路の解説
今回の回路リファインのポイントは主に3つあります。
- アナログ系の電源を安定化させる。
- Vcomの粗末な作りをどうにかする。
- TCXOを使用してジッタを減らす。
その他も非常に細かい配慮をして回路が出来上がっています。これらのノウハウは他のDAC作りにも生かせると思います。*4
アナログ電源の安定化
前回の回路ではアナログ電源を徹底的にLCRフィルタしていまいした。USB電源やデジタル段のノイズの多さから仕方がなかったのですが、ただでさえ貧弱なUSB電源がますます貧弱になり、低音がなると簡単に電源電圧が揺らいでいました(オシロで簡単に観測できるぐらいはっきりとした揺らぎ)。
オペアンプ電源はLT1054チャージポンプで正負電源を生成していましたが、こちらも電源としては貧弱なため非常に大きく揺らぎ、しかも正負で電圧が違うなど散々でした。
今回は「どうせフィルタするなら一緒だ」ということで、LT3582-12による5V→±12VなDCDCを回路上に搭載して、アナログ電源5Vはここから生成することにしました。同時に音質に大きく関わるPLL電源も+12Vから生成しています。
CRフィルタの値は前回と同じ2.2Ωですが、これはそのまま前回路を引き継いたのではなく、値を変更しながら何度も試聴を重ね、これ以上上げることも下げることもできない値として2.2Ωになっています。*5
この抵抗Rの値は非常に重要です。
- Rを大きくすると高周波ノイズ除去性能が上がるが、低音による電源ゆらぎが起きやすくなる。アナログ電源なら低音が出にくくなる程度で済むこともありますが、DACの基準電圧等ゆらぐとそのまま音のひずみに直結します。
- Rを小さくすると電源ゆらぎによる音ひずみは避けられるが、高周波ノイズによる音質劣化(がやがや、明瞭感の欠落)に悩まされる。
このような二律背反な状況での調整になりました。
ちなみにRがないと音質劣化が一層激しくなります。高周波ノイズは何も電源から来るわけではなく、例えばDACのL-chの動作ノイズ(高周波ノイズ*6)がそのままR-ch等のノイズとなり互いに悪影響を与えるからです。
では1つ1つに3端子レギュレータを置けばいいかと言うと、3端子レギュレータ自体も半導体素子である以上、出力に(一定量の)ノイズを出し続けるのです。*7
オペアンプのFB3/4の場所には当初10Ωの抵抗を入れる予定だったのですが、これだと電圧ゆらぎが激しく明瞭感が損なわれました。かと言って0Ωでつなぐと高周波ノイズによるザラザラ音が気になるためフェライトビーズが入っています。
Vcomの粗末な作りをどうにかする
PCM2702チップの最大の欠点とも言うべき場所がVcomです。チップ全体の性能に対してVcomの作りが非常にお粗末で*8、PCM2704と比べてもVcomのインピーダンスでおそらく10倍の差があります。*9
VcomはDAC動作時の基準(中点)電圧ですから音質の要であると同時に、L-ch、R-ch両方から高速(MHz)に参照されるため非常に変動しやすい*10。いかにそういう微小電流によるノイズを除去するかと考えるとVcom自体のインピーダンスを下げるしかありません。
チップVcomの出力インピーダンスが高くて使い物にならないなら、外部から無理矢理にVcomを与えてしまおう!!
既にかなりノイズ除去され安定化したアナログ5Vから、220Ω+220Ωの分圧により10mA程度の電流を常に流し続けることで微小電流の影響を極力抑えています*11。これによる音質改善効果は凄まじいものがありました。*12
TCXOを使用してジッタを減らす
DACを扱ったことある人あるなら分かると思いますが、クロックの精度というのは結構重要です。今回は通常の水晶ではなくTCXO(温度補償付発振器)を使用しました。
(DACにおける)ジッターというのはクロックのゆらぎのことで、ある時間の電圧値として記録されているデジタルデータをアナログに戻す際、この時間基準が揺らいでいると再生信号が歪んでしまいます。結果として音の明瞭感が大きく損なわれます。
ちなみに世の中勘違いしている人が結構多いのですが、TCXOにするとジッターが改善するわけではありません。TCXOは1秒間の振動回数(発振周波数)を保証(補償)しているだけです。ジッターとは何も関係ありません。ただその性質上「電圧変動や外来ノイズに対して周波数が狂いにくく」設計されているため、結果としてジッターが多少改善することはあります。
旧回路で確認済なのですが、PCM2702のPLL電源をクリーンなものにしてあげると、水晶単体からTCXOに変更した場合の差は非常に小さいものになります。*13
前置きが長くなりましたが、TCXOのジッターを改善するためにどうしたかということです。水晶+バイポーラトランジスタ等を使って低ジッタな発振回路を作った方がよっぽど良いことは承知しているものの回路規模をあまり大きくしたくありません。
色々考えたあげく、シンプルな方法としてTCXOの出力を4.7kΩでプルダウンしました(後に値変更)。クロックラインのインピーダンスを下げることで外来ノイズをもらいにくくし、結果としてジッターを低減しようという狙いです。もちろんオシロで観察しても波形の振幅は小さくなるものの綺麗さに変化はありません。それでも音質改善降下は非常に大きくなりました。
その後何度か追加検証を重ね、今は2.2kΩになっています。この抵抗値は低いに越したことはないのですが、あまり下げすぎると波形が小さくなったり消費電流増加により電源電圧が下がったりノイズが増えたりと色々弊害が起きるので、周辺回路との兼ね合いでこの値に落ち着きました。
その他の対策
積セラの10uFと1uFを両方付けているところが多く見られますが、これはきちんと意味があります。10uFの積セラでは1~2MHz程度からインピーダンスが上昇しノイズ除去能力が低下しますが、1uFの積セラは10~20MHzぐらいまでインピーダンスが低下し続けます。この2つを電解コンデンサと組み合わせることで広帯域にわたりノイズをまんべんなく除去する狙いがあります。
試作の段階では1uFの積セラは付いてないところが多かったのですが、試しにつけてみたところ、驚くべきことに(耳で聞いて分かる)音質改善効果があったので*14付けることにしました。2~3個パラってもいいのかもしれませんし、さらに0.1uFを付けると良いのかもしれませんが、これは試してません。
もう1点、GNDの引き回しは特に頭を使いました。左図は基板CADの画面(赤=表面パターン、青=裏面パターン)です*15。DCDCのノイズが混在しないように、またアナログ段とデジタル段をきちんと配慮しました。加えてDACのそれぞれの端子GNDは端子側からのみ引くようにしています。
このような引き方が本当に良いのかどうかは比較していないのでわかりませんが、パターンの引き方を1つで音質が変化するのは間違えなさそうです。
補足
LPFの設計については前回の記事を参照のこと。LPFは今回やや強めにしてあります。ベッセルフィルタで限界までカットオフ点を下げてオーバーサンプリングノイズを極力減らしたいという狙いです。*16
基板とか製作の感想とか
試作基板は数カ所ジャンパやら回路変更があって作り直し確定です*17。基板の大きさは前と変わらず、ケースも同じタカチのMX2-8-10に入ります。消費電流が200mA以上いくので(前回の倍以上で1W消費)、使ってるとケースごと少し暖かくなります(苦笑)
もっとも、最初はDCDCで昇圧する関係で500mAぐらいになる見込みだったので、だいぶ少なくてほっとしています。
基板の左下にケースグランド(FG)ポイントがありますが、DCDCのベタアースにこんなもの用意したせいでケースに入れると音が悪くなる現象に悩まされました(笑) GNDはなるべく動かない点からとりましょう(汗) 写真をよくみるとわかりますがパターンカットして切り離しました。
音質評価
元々どうせPCM2702じゃチップの限界で「これ以上音が良くなってもたかが知れてるよ」という感じで舐めていたし、実際試作基板を最初に組み立てたときは「前作のフルチューンと変わらないじゃん」とだいぶなげやりだったのですが(苦笑)、根気よくあちこちチューンナップしたところあれよあれよという間に音質が向上し、同じ曲をSACD(DSD)で再生したときの音質を超えてしまいました(笑)*18。もちろんSACD音源なんてPCで再生できないのでPCM2702はCD音源(44.1kHz/16bit)です。
希望的観測ですが10万以下のCDプレイヤーなら(余裕で?)勝てるのではないかと思ってます。
オーテクの某ヘッドホンが再生装置の欠点をうまいことカバーしてある意味全く使い物にならなかったので(苦笑)、試聴(と回路調整)は最終的にTPA1517スピーカーアンプで行ないました。
個人的な感想ですが、今までよく知ってる曲が違う曲に聞こえます。左右の広がり、音の定位、複数音の分離、ボーカル等の歪みの無さ*19、そして妙な付帯音の無さは驚きでした。*20
相変わらず音の厚みや太さとは無縁ですので、そういうの求めてる人は他当たってください(汗)
再生時の注意
ご利用のOSに関わらず再生ボリュームは(OSのマスターボリュームも含め)すべて最大にしてください。このとき一番音質が良くなります。音量は可能なかぎりアンプ側のボリュームで絞りましょう。
Windowsをご利用の方。Windows7/Vistaより前のOSをご利用の方はASIO4ALLやカーネルストリーミングの使用を検討してください。Windows7/VistaではWASAPI(可能ならばWASAPI排他モード)の使用を推奨します。
なおWindowsの様々な再生方法のうち、DirectSoundは極めて音質が悪いのでご注意ください。
キット・回路の変更と音質改善改善
Ver2.3相当への変更(Ver2.11基板に対するの変更)
- R35を2.2Ωではなくジャンパ(0Ω)に変更。
- 3.3Vデジタル電源(VDD)へOS-CON 6.3V 560uFの追加(C75)。効果は明瞭感増加。デジタル段電源からアナログ段へ多少のノイズ回り込みがあるらしい。Ver2.11基板でもC10の両端に付けてU4の上に寝かせれば入る(下の写真参照)。
- C54 3.3Vデジタル側PLL電源コンデンサをOS-CON 6.3V 560uFに変更。
- C55をOS-CON(SPEC) 6.3V/1500uFへの変更。Ver2.11基板でもやや強引に取り替え可能。
- C56をOS-CON(SPEC) 6.3V/1500uFへの変更。上2つほどではないけど変化あり。Ver2.11基板でもやや強引に取り替え可能。
ここまでがVer2.2用の変更。以下がVer2.3相当への変更。
- Vbusをカットして未接続にする(写真参照)。Vbusからのノイズ回りこみの抑制。*21
- DCオフセット解除用の抵抗値(R22~R24,VR)を「33k/10k/2k」から「10k/3.3k/500」に変更。あまり大きすぎるのもよくない模様。これより下げて3.3k/1kにすると、音がガサガサして悪化する。ここは変えなくてもそんなに差はない。
- C35*/C36*をECPU 1uFからECHU 0.1uFへ変更。ここのみで試聴してないため効果は不明。
- FB5の追加。
但し音的な影響は無し。明瞭感向上。 - LEDまわりの回路と定数変更。特に赤のLEDが明るすぎたので。
DAC ICに流れこむ電流が減るためか、PlayLED側変更でかすかながら音質が向上。その後の追調査で音質への影響はなし。
改造参考写真。
Ver2.32への変更
- R31,R32を除去して、JP1,JP2の部分にR41,R42として100Ωを付け、その先にC41*,C42*としてフィルムコンを付けます。抵抗は音響用、無誘導巻線抵抗やLMFQ(LGMFS)を付けます。劇的に音が変わります。なお、C41*,C42*を付けないとLT1037ACN等で発振するので注意してください。
- そこまでできない場合は、R41,R42,C41*,C42*は実装せずに、R31,R32を単に100Ωに変更してください。効果は上の改造とさほど変わりませんが、この状態で出力端子やGNDが互いに接触すると発振するので注意。(ステレオミニプラグを抜き差しする瞬間に発振します)
- C14,C26の除去。ECPU 0.1uFがあればC14に付ける(付けなくても良い)。
- 回路変更(R35=0Ω)時の見落としでうっかり積セラが音声ラインに入ってしまったという(汗)。除去しないと音がガヤガヤしてしまう……。
Ver2.32+相当
回路図、部品表等は反映してません。
- ZLDO1117-5.0からLT1761-5(+ECHU 0.01u)に部品変更しました。LT1761は非常に低ノイズ(20uVRMS)なLDOです。明瞭感、音の奥行き、定位が向上します。
効果がないことが判明しているもの
- A5Vから2.5V三端子レギュレータに引きこみ、Vcomに直接2.5Vを与える。明らかに音が悪くなりました。A5VからCRフィルタして2.5Vレギュレータなら結果は違うのかもしれませんが、場所がないので未検証。
まとめ
とりあえずチップの限界なんて言ってTIの人ごめんなさい(笑)。謝るので192/24のUSB-DACチップ作ってください。
掲載回路よりさらに改善できる回路変更・定数変更アイデアがあればどしどし書いてください*22。あと感想もお待ちしています。