ボリュームの音質改善方法(電子ボリュームを含む)
ボリュームの音質改善方法を新発見したので、古典的な疑似Lアッテネーターと比較する形でまとめました。
以下、記事内で「R1」は、音質に優れたRT0603 10ppm/25ppmを想定しています。
先日のAmazonプライムセールで、イヤホンを買いました。final E3000というカナル型のイヤホンです。

なんかネット上で評判よさそうだったのと、カナル型ひとつも持ってないので1個ぐらい(試聴テスト用に)持っておこうかなと。
ボリュームの音質改善方法を新発見したので、古典的な疑似Lアッテネーターと比較する形でまとめました。
以下、記事内で「R1」は、音質に優れたRT0603 10ppm/25ppmを想定しています。
電解コンデンサは、OS-CONに狙いを定めてから、もっぱらOS-CONのSEPCばかり使ってきましたけど
「はたしてSEPCってそんなに音いいの?」
という疑問が湧いてきたので検証してみました。
一昔前は固体電解コンデンサと言えばOS-CONしかなかったのですが、現在では導体性高分子コンデンサを各社が開発・製造しています。ですので、他社製品も検証してみようというのが今回の記事です。
いずれもほとんど同サイズ(φ10mm×12-13mm)でほぼ同性能の導体性高分子コンデンサの大容量低ESR品(8-10mΩ)になります。新しいD級ヘッドホンアンプの電源用コンデンサとして使用しました。
これまで数多くのアンプで使用してきました。元々SANYO製で、SANYOがなくなったあとはパナソニックが製造を引き継いでいます。
OS-CONは元々有機半導体コンデンサについた名称で、現在の固体コンデンサ(導体性高分子コンデンサ)のパイオニアとなった技術です。
SPECは高分子コンデンサの中では、大容量・低ESR品になります。
https://industrial.panasonic.com/jp/products/capacitors/polymer-capacitors/os-con
刻印が「LG」なのでニチコンLGと呼ばれることが多いようですが、以前はLGというシリーズ名だったようですが、現在の正式名はPLGです。刻印はLGになります。高分子コンデンサの中では、SEPCと同様に大容量品に位置します。
http://www.nichicon.co.jp/products/solid/solid_daia_f.htm
刻印「C」で型番がAPSCで始まるためAPSCとも呼ばれることがありますが、正式名はPSCです。高分子コンデンサの中では標準品に位置しますが、他社との比較では「大容量品」に相当します。
https://www.chemi-con.co.jp/download/(pdf)
ソケットを使わず、めずらしくすべてハンダ付けによる検証をしました。*1
PSC >> PLG 3700uF > PLG 2700uF >> SEPC
という具合でした。SEPC音良く無いじゃん!(笑)
PSCやPLGはエージングが進まないと結構酷い音がするのですが、SEPCはその点少し安定している印象でした。
大容量品ではなく、小型品(φ6.3~8)でも検証してみました。検証回路は異なるものを使用しています。
PSFはPSCの低ESR品です。6.3V品が流通していないため、16V品で代用しました。
L8、R8はFPCAPシーリズの1つです。FPCAPは元々富士通が開発・製造していたコンデンサのシリーズですが、現在はニチコンが買い取りニチコンより販売されています。
PSF 16V > PSC 16V > PSC 6.3V > S8 > L8 > SEPC 16V ≥ SEPC 6.3V
やはりPSCの音質が優れる結果に。そして比べた時のSEPCの音の悪さ(苦笑)
ついでに、HZやMCZなどの高分子ではない従来の低Zコンデンサと比較してみましたが、SEPCより明らかに劣りました。
KEMETのA750というタイプの高分子コンデンサを購入したので、追試してみました。
いずれもECPU 0.1uF(フィルムコン)が並列に入っています。*3
PSF 16V > A750 16V > PSC 16V > SEPC 16V
A750とPSFは僅差です。好みでも変わってくるかと思います。音はたしかに違うのですが、帯域によって得意不得意があるような感じです。
注意として、A750 16V 470uFとPSF 16V 470uFはスペックこそ一緒ですが、A750が直径8mm、PSFが直径10mmとPSFの方が大きく、そしてESR低くなっています。固体コンは、同容量同電圧でも「大きさが大きくなるほどESRが低く性能が良くなる(音が良くなる)」ことが多く、このことからA750が不利な比較とも言えます。
同サイズ、同容量、同耐圧と条件を揃えて、A750とPSFを比較しました。
比較結果。
A750 6.3V 820uF > PSF 6.3V 820uF
サイズを揃えてしまえば、A750に軍配が上がるようです。DigikeyやMouserで買いやすいことを考慮すると、これはなかなか良さそうです。
これからはKEMETとPSFをメインで使っていこうかなと思っています。
SEPCの性能が悪いわけではないのでそれだけは誤解しないでください。これは性能テストではなくて音質テストです。性能テストならば、もっと全く別の評価をする必要があります。
また空間再現能力を最重要視してテストしています。
なお、2026年6月現在、OS-CONのラジアルリード品はすべて廃盤予定(NRND)になっています。
以前の抵抗の音質を正しく評価するの記事以来、まともに抵抗の音質評価をしていなかったので、古い記事のアップデートも兼ねてチップ抵抗を含めた音質の再評価をしてみました。
※2026-06-01追記。
経験則から以下のことが分かっています。
そしてよくよく考えてみると、音質が良い抵抗は温度係数も低いことが分かっています(ただし逆は必ずしも成り立たない)。
比較方法として、D級ヘッドホンアンプのNFB抵抗R3の2KΩを変更して聴き比べてみました。空間再現能力を再優先で評価しています。

差し替えた直後は音が安定しないので、すべてしばらく鳴らしこんでから試聴しています。
最近のメインです。bispaのLGMFSAをよく使っていますので、これを目安に評価したいと思います。
LGMFSAより安価ですが、音質は劣ります。とはいっても、普通アンプ回路を作るには安価で十分な音質だと思います。0.25W品のLGMFS25は0.5W品より音質が少し劣ります。
2Kがないので、100Ω(WNA100FET)で比較しました。LGMFSAよりWNAの方が上だと思っていたのですが、空間再現はLGMFSAのほうが明らかに上でした。
同じくOhmite無誘導巻線抵抗のWNC 1K(WNC1K0FET/2W)とも比較してみましたが、同様にLGMFSAのほうが空間再現能力は上でした。ちなみにLGMFSと比べると、Ohmite無誘導巻線のほうが音質は優れています。
ただ、無誘導巻線のほうが音が元気でLGMFSAは良く言えば少しおとなしい感じです。悪く言えばWNAに比べLGMFSAは若干音が曇ります。いわゆる金皮の音といってこれを嫌う人も世の中にはいるようですが、(無誘導巻線と比べて)歪まないからおとなしく感じるだけのような気も。
昔の音質比較で無誘導巻線(NS-2B)は「直結と差が分からない」と書きましたが、現在の再生環境だとWNAに関しては決してそんなことはなく奥行き感が失われます。
よくある普通の金属皮膜抵抗です。そこまで悪くはないのですが、LGMFSAと比べると音が平明的でガヤガヤします。*1
秋月で購入したどこにでもあるカーボン抵抗です。MF1/4CC以上に音がガヤガヤし平面的な音になります。
大昔にリールをカットしてもらったもので型番はメモってないのですが、おそらくERJ3GEYJ222Vあたりです。リードカーボン抵抗よりもさらに酷く、のっぺりとした平らな音がします。
一口にチップ抵抗といっても色々ありますが、音質に定評があり値段が高すぎない*2薄膜チップ抵抗をメインに試聴してみました。2012サイズに絞って製品をピックアップしています。なるべく温度係数低いものを中心に選んでいます。
LGMFSAよりもクリアに鳴り奥行きも良いです。±10ppmより±15ppmが高いという不思議な値段設定になってます。
6ARB(10ppm) > 6APB(15ppm) > 6AEB(25ppm) > LGMFSA(15ppm)
音質は「同シリーズなら温度特性が良いほうが音が良い」という法則通りになりました。
無誘導巻線抵抗で有名なDale製の薄膜抵抗です。5ppmなのでいいお値段しますが、それだけあってLGMFSAより明瞭。
TNPUより温度特性は劣りますが、高性能な薄膜抵抗です。しかしながら、音は明瞭さに欠け曇ってしまいます。データシートを読むと素材にセラミックを使用しているようなので、それが原因かも知れません。
0.01%という高精度で温度特性も優れた抵抗です。しかし、音が少し平面的になってしまいます(奥行きが少し悪化する)。
Vishayの薄膜抵抗です。他と違い定格1/4Wになります。値段にびっくりしますが、音質もびっくり。LGMFSAよりも明らかによく(聴き比べてすぐに分かるレベル)、明瞭で奥行きの優れた音になります。
金属箔抵抗より安いとはいえ、値段が高過ぎるのと250Ωからしか値がないのが難点です。
PLTほどではありませんが、LGMFSAよりクリアで明瞭な音です。125℃対応品。
PATとほぼ同じ性能でこちらは通常温度版でちょっとお安い。しかも音質はPATTより上でPLTにかなり近い音です。PLTがちょっとだけ上という感じ。
値段や抵抗値(PLTは最小が250Ω)を考えたらPAT断然買いです。
差し替えてしばらくは「おおっ」という感じの音がするのですが、しばらく鳴らしていると音質が悪化してLGMFSAよりも奥行きのない鳴り方になります。風を当てて冷ますと元に戻るので熱の影響のようです。
値段は安いのに大変クリアで明瞭な音がします。LGMFSAより上です。
LGMFSAより少し明瞭です。慎重に聴き比べないと分からないレベル。
RRは中国製ですが、この2つは日本製。同じ精度のは売ってなかったので、こうなってしまいました。LGMFSAよりクリアに鳴ります。
RG2012N(10ppm) > LGMFSA(15ppm) > RG2012P(25ppm)
RG2012Pは差し替えた瞬間に聴いただけでも平面的な鳴り方でイマイチでした。
ほとんどがLGMFSAより音質が優れるという意外な結果になりました。
圧倒的な音質はPLT0805とPAT0805です。聴き比べてもすぐに分かるレベルなので、この2つは群を抜いてます。その代わり、PLTはお値段も圧倒的ですが、肉薄する音質のPATなら値段もそこそこ抵抗値も多いのでおすすめ。
RN73以下は順位を2つぐらい飛ばさないと明確な差は分かりにくい感じの群雄割拠状態ですが、それでもRN73シリーズのコストパフォーマンスには驚きです*3。KOAに似た型番の抵抗があるようですが、試聴したのは「TE Connectivity」ですのでご注意ください。
スルーホール抵抗(リード抵抗)では同シリーズならワット数の大きいものが音が良いことが多いのですが、チップ抵抗ではどうなるのか検証してみしまた。
ほぼ同じ音ですが、少しだけ1608サイズの方が上でした。
明らかに1608サイズの方が上でした。
差が微妙なのですが、何度試聴しても何時間かエージングしても2012サイズのほうが音が良い印象でした。
ほとんど差がないけども、RG1608Nのほうがいいのかな?ぐらいでした。
明らかに1608サイズのほうか音質が上でした。
同一品種や同一仕様がなかったので同一メーカー比較です。RP73の音が悪かったです。というかそもそも、LGMFSAより音悪かった(苦笑)。1608唯一の無かったことに。
同一メーカーですが物は全然違います(苦笑)。RNCFの高精度抵抗は音悪かったので、RNCSが上でした。
安いので買ってみたのですが、刺した瞬間「これは格が違いそう」という音がしまして、案の定エージングが進めば進むほどどんどん音質が向上していきました。とても優れた空間再現能力です。
追試。1608サイズを網羅すべく買ってみたのですが、50ppmということもあるのか、LGMFSAより音質が劣りました。
追試。AT0603は自動車向けなので、通常品を買ってみました。他の抵抗は、自動車向けのほうが音質悪いので。この抵抗も、通常品の方が音が良かった。
RT0805の音が悪かったので1608版は買わなかったのですが、最初から買っておけばよかった。こんなに音が違うとは……。*4
追試。10ppm版です。25ppm版より音いいけど、他の抵抗のppmの差ほど音質差はないイメージです。
追試。Bispaのオリジナル抵抗VMFKです。RG1608Nよりは上ですね。比べると、RG1608はややどんよりした音に聞こえます。
上位5つはどれを選んでもかなり良いです。その5つの中でも、追試したRT0603の2種と、その下3つは結構はっきりとした差があります。RT0603は他の抵抗と違い、10ppmと25ppmの音質差が非常に小さく、値段を考えると25ppmで十分だと思います。
2012サイズのERA-6ARBはそこまででもなっかたのですが、ERA-3ARBは圧倒的でした。でもエージングが進んでAT0603がそれを追い越してしまいました(笑)
PATT0603とVKMF1608間にそれなりに差があります。
RT0603は値も在庫も比較的豊富で、仕様上では1Ω~1MΩまで存在します。温度係数による音質差がそこまでではないので、通常は25ppmで十分だと思います。結構違います。直列要素など、影響の大きいところでは10ppmを推奨します。
一部に人気のススムの抵抗ですが、それより安くて音の良い抵抗がたくさんあるので買う理由が全くありません。
値段を考えても大きさ*5を考えても音質面でもLGMFSA以外を選択する理由がほとんどありません。抵抗値が10~1MΩまで揃っているのもありがたいです。
抵抗には同じシリーズでも細かい型番で温度特性(音質)が異なるものが存在します。温度特性をよく確認してから購入してください。
何度も書きますが同シリーズでも温度特性が異なる抵抗は音質が別物です。聴き比べる際は特に注意してください。
今はRT0603を10~47KΩで揃えて試作などに使用しています。
何年も経ってしまいましたが、RT0603とRT0402で比較してみました。同一アンプの入力抵抗として、同じ10KΩを左右で変えての比較。
サイズ以外同一スペックです。予想通り、RT0402(1005サイズ)のほうが良い音でした。1005サイズは手付けが少々面倒なのと、そこまで大きな差ではないので、通常使う分には1608で十分かと思います。
抵抗体が変わってるとは思えないので、抵抗体そのものより、外装(抵抗体を貼り付けているベース)の影響が大きいのかもしれませんね。リード抵抗とかでも、被膜の影響大きいとききますし。
LCSCで売っている、RESI社の「PTFR」シリーズを試してみました。比較は以下。
10KΩでも比較しましたが、RT0603 10ppmのほうが良かった。期待したのですが、結構違いました。
某DACのオペアンプを載せ替えて色々遊んでいたのですが、DACの音が向上してきたためTPA1517アンプ(加筆済)で音質比較するのが厳しくなってきました。そこでキット版より音が悪いユニバーサル基板回路をあれこれ改修してたのですが、分かったことを少しまとめておきます。

いずれもパナソニック製チップフィルムコンデンサ。
C3,C4にECPU 0.1uFでパスコンを打ちました。0.1uFのパスコンは昔から非常によくやられますが、それほど効果があるのか疑問でした。結果明らかに音がよくなりました。
3端子レギュレータ1次側にも10uF/1uF/0.1uFの積セラを入れたのですが、この部分だけ単独で試さなかったため効果は未確認。多少は効果あると思います。*1
個人的にはカップリングコンを全く使わないのであまり知らなかったのですが、電解コンデンサなどのカップリングコンに「ECPU 0.1uF」などをパラ挿入すると音質が大きく改善します。(電解コンはどうしても高域が苦手/固体コン除く)
ECPU 1uFにも同じことができるという話を耳にし、C5,C6のECPU 1uFと並列にECPU 0.1uFを付けたところ、明らかに音質が改善しました。
ECPU 1uFはフィルムコンデンサでもともと(電解と比較して)高周波特性が優れます。そこに0.1uFを付けて変わるものかと半信半疑でしたが、かなり驚きました。0.1uFがちょうどいいかは分かりませんが、0.01uFでは改善効果は弱くダメでした。
ECHUの100pF/330pFはDACのLPFで使用して、知っている小容量フィルムコンの中で一番音質が優れていることは実感していました。容量が大きいとどうなるのか興味が湧いてECHU 0.1uFを購入してたものの何ヶ月も放置されていました。
C5,C6につけてあるECPU 0.1uFのうち、C5だけECHU 0.1uFに交換してみました。音声信号ラインとはいえたった1箇所です。差はハッキリと現れました。音がおとなしく丸くなったような感じです。
正直期待はずれかと思いましたが、さらに念入りに比較していると面白いことが分かってきました。
LT1037ACNを使ってる時も感じることなのですが、ボーカルなどの張りが消える傾向があります。だから聴きなれた音と比べると若干違和感があったりするのですが、聴き馴染んでくるとこの音の良さが分かってきました。
こんな話をしたら早速「ECHU 0.1uFはちょっとなあ……。ECPU 0.1uFのほうがいい」というツッコミが来ました(苦笑)
何をもって音が良いとするかは人それぞれですが、このブログでは一貫して
複数の音が混ざらないことを最優先する
ECHU 0.1uFに変更したときもう1つ感じたことがあって、それは「わずかに音が小さくなった」ということでした。経験則として、ボリュームをいじってないのに音が小さく感じたときは大抵複数の音が混ざらない方向に進んでます(ハイ上がり等で帯域バランスが狂ってない限り)。
ECHU 0.1uFよかったらお試しください(苦笑)。でも入手が面倒*4なので何がなんでも試す必要はないし、そこまでするものでもありません。ECPU 0.1uFで通常は十分すぎます(^^;*5
その後、TPA1517アンプとTPA3110D2 D級アンプの比較試聴の為に色々やっていたらもっと良くする方法が見つかりました。
ECPU 0.1uFとECHU 0.1uFは単体ではECHUの音が良いですが、更に 0.01u + 0.001u をつけるならどちらでもさほど変わりませんでした。「ECHU 0.1uF」は3225サイズと大きくて邪魔なので後者の組み合わせが使いやすいと思います。
試した場所は以下の2パターンです。
どちらの場合も、「ECHU/ECPU 0.1uF」「ECHU 0.01uF」「ECHU 0.001uF」のいずれか1つだけ付けた場合も、いずれか1つだけ外した場合も、すべてのケースで聞いて分かる差がありました。*6
電解コン(OS-CON)だけで何もついてないところに「ECPU 0.1uF + ECHU 0.01uF + ECHU 0.001uF」をつけるのと、回路や主要部品が変わったかのような劇的な変化を生みます。もっともお値段も3つで100~150円ぐらいしますけど(^^;
今後はこの3つのフィルムコンの組み合わせをベースに色々つくろうと思いました。