2006/10/09(月)いい音って??

音の要素

例えばそこにスピーカーとアンプがあったとして。なにが一番重要なんだろう。

よくスピーカーやアンプの性能で出てくるF特(周波数特性)というのは周波数ごとの音の強さ(音量)を表したもので、たしかにフラットであるに越したことはないんだけど、それだけに捕らわれると音の本質を見失ってしまいます。F特というのは(回路系でいうところの)定常状態の特性しか表していません。

まず重要なものとして位相というものがあります。簡単に言えば音がなってから左右の耳に到達するまでの時間差のことです。これについては周波数特性表で表せます。これがずれていると、音の定位というものが定まらなくなります。生録が一番分かりやすいのですが、ボーカルがぴったり中央にこなければ狂っています。2way、3wayではクロスオーバー付近で大幅に位相が狂うので、どうしても不利になります*1

そして大切なのが、音の立ち上がりと立ち下がりのようです。これは回路系でいうところの過渡応答に相当するのですが、この辺の鈍さは音の臨場感(生っぽさ)に関係あるような気がします。電流出力方式が絶対的に有利なところですね。*2

例えば、録音したヴォーカルやピアノ、オーケストラが、あたかもそこで鳴っているように聞こえたら、多少F特なりが悪かろうとそれがいいように思うんですよね。しかし、最近よく思うのですがピアノの音をリアルにならすのって並大抵のことではないようです。

仮説

スピーカーって楽器だよなぁーと思うんですよね。だから押さえつけて演奏させるよりは、箱をまるでノドのように鳴らしてあげる方がいいんじゃないかと。

*1 : バスレフ等は低音しか出さないので(低音しかださなければ)、多少遅れますが中域ほど位相は関係なくなります。例えば300Hzならば、1波形が1m以上あるわけで相対的に位相の影響をうけにくい。

*2 : あとはよく言われるトランジスタ(アンプ)の歪み。これは鬼門です。負帰還(NFB)をかければみかけの歪み特性はいくらでも改善するのですが……、どうもそういうものではなように思います。A級アンプとB級アンプの越えられない壁はこの歪みなのかも。