回路図の読み方入門
※本稿はC78でのstrvさんのサークル同人誌への寄稿原稿を元に書き起こしました。アナログ回路とアナログフィルタの超入門も合わせてお読みください。
寄稿原稿のpdf版 : strv-c78-nabe.pdf
※本稿はC78でのstrvさんのサークル同人誌への寄稿原稿を元に書き起こしました。アナログ回路とアナログフィルタの超入門も合わせてお読みください。
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1ヶ月以上放置されていたHA10miniをようやく製作しました。
その結果。
再生による熱発生→バイアス増加となるので、面倒くさいのでその状態で使うことにしました。1トランジスタあたり40mAなので、片chあたり80mA終段に流してます。
20時間程度のエージング&個人の主観です。ヘッドホンは高能率40Ω。
試聴対象。
製作直後、HA10miniの恐ろしいまでの音の綺麗さにビビリました。これはop-dbuf2はダメかも知れないと(苦笑) 20時間ほど電源ぐらい入れて全部放置の上、再度聞き比べ。
音の綺麗さではop-dbuf2の惨敗でした。中高域が綺麗というか響きがいい。ただ出力インピーダンスがやや高いようで、低音の締りが弱くその影響で量感が多めです。普通設定しない終段100mAでこうなってしまうので裸ゲインの弱さが効いてる模様。裸インピーダンス以外にもNFBも影響するんだなあと思い知った*2。響きの良さも若干残響しているようにも感じました。ただしそれを差し引いても音は綺麗です。*3
op-dbuf2ではREYの影響で音の綺麗さでは敵いませんでした。改でいい勝負ですがそれでも負けてる気がする。好みもあるとは思うけど。
十分通電エージング済ませて改めて聞いてみました。
改善されたところ。
SEPCを使ったのでやはり100時間超えないと落ち着きませんでした。中高域が綺麗だけど低音がぬるいというのが総合的な感想です。低音はベースとか楽器の響きの部分になるので、気になる人は辛いかも。
そこが気にならない人は、中高域の綺麗さが心地良く感じるところだと思います。落ち着いて音は似通ってきたものの、傾向は当初感想と同じ。
よく言われる刺さりがないのはヘッドホンの差もあると思いますが、Zobel抵抗(R22,R44)を10Ωに変更*4したのが効いてるのかも知れません(未確認)。
念を押しておきますが回路定数が変更されたものへの感想で、オリジナルに対するものではありません。
当初終段抵抗が1Ωだったため、抵抗を規定の2Ωに変更しバイアス電流を1トランジスタ当たり10mA(設計規定値の下限)に調整。その後テストしてみました。
40Ω高能率ヘッドホンで普通に聞いていると、終段トランジスタが発熱するのかすぐにバイアス電流が40mAに跳ね上がりました。R5,R6,R27,R28に330Ωを使用していたため390Ωに変更したら少し改善したものの、それでも30mAぐらいまで増えました。
これはおそらく設計仕様な印象なのですが、倍率下げたせいで若干発振してるとかなのかなあ。同じ症状だって人居ますか? 使用したトランジスタは2SC4116/2SA1586のGRです。
使用上で困るわけではないけど、なんか気持ち悪い。*5
HA10miniに音質的に全然敵わないとなれば某キットの配布を考え直す必要があるなと。綺麗さでは完全に負けるけど、許容範囲と思っておきます(汗) REYは電源入れてしばらくしないとまともな音しないのが難点ではあります。ビスパで頒布中なんだから、ついでにLGMFSでも買って変更してください。
とても音が綺麗なHA10miniもおすすめだけど、違う方法や部品で製作すればまた音も違うので、その辺は自己責任でお願いします(汗)
関係ないけどTPA1517スピーカーアンプのキットを委託しました。ヘッドホンじゃありませんスピーカーです。
すごく音がいいのにあまり作ってくれる人が居ないので、最初の19個に限り破格の3980円*6。この値段で出ることは今後ないと思いたい。それ以前に今後もこのキットを提供するか分かりません(笑)
ちなみに、記事にあるユニーバーサル実装の回路より、キットのほうが音がいいっていう悲しいオチが付いてます。作りこんであって今更基板入れ替えたくないのでそのまま放置(苦笑)*7
※2012/12/19 キット頒布終了しました
※2012/08/01 U5,U6を低ノイズLDO(LT1761-5)に変更しました
※2012/03/02 (Ver2.32)回路図更新
※2011/07/05 (Ver2.3)回路図・解説更新
高音質な バスパワーUSB-DAC の製作 (PCM2702)の製作から約2年。再頒布の大きな要望を受けて2年間で蓄積されたノウハウを注ぎ込み製作されたUSB BusPower DACです。
おそらく(バスパワーに限らず)PCM2702をここまで鳴らした人は世の中に他に居ないんじゃないでしょうか(苦笑)*1
これ自作するのは困難ですがPCM2704 DACなら規模も小さく音も相当いいのでおすすめ。(追記。難題のDCDC部をボード化したのでこれで自作も可能かと思います。)
後で述べる通り細かい工夫がたくさん詰まっています。シンプルに構成したいため反転出力仕様です。
部品記号 | 部品名 | 型番 | 数 | 購入先 |
---|---|---|---|---|
基板 | プリント基板 | - | 1 | P板 |
ケース | タカチ MX型モバイルケース | MX2-8-10GS | 1 | マルツ |
U1 | DCDCコンバータ | LT3582EUD-12 | 1 | Digikey |
U2 | USBDAC 48kHz/16bit | PCM2702E | 1 | Digikey |
U3, U4 | 3.3V 3端子レギュレータ | ZLDO1117G33TA | 2 | Digikey |
U5, U6 | 5.0V 3端子レギュレータ | ZLDO1117G50TA | 2 | Digikey |
U7, U8 | 高速オペアンプ(LPF) | LT1037ACN (LT1028ACN) | 2 | Digikey |
U7, U8 | ICソケット(丸ピンDIP8) | - | 2 | 秋月 |
X1 | 12MHz TCXO | FOX924B-12 | 1 | Digikey |
Q1 | PNPトランジスタ | 2SA1015-Y | 1 | 秋月 |
PowerLED | 3φ赤色LED(リード) | - | 1 | 秋月,千石 |
PlayLED | 3φ緑色LED(リード) | - | 1 | 秋月,千石 |
D1, D2 | SBD 30V/2A/0.37V@2A | CMS06(TE12L,Q,M) | 2 | Digikey |
J1 | USB Bメス基板コネクタ | - | 1 | 秋月 |
J2 | ステレオミニ、メス | SJ1-3533N | 1 | Digikey |
J3 | RCA基板用コネクタ(白) | AV-8.4-1-L | 1 | マルツ |
J4 | RCA基板用コネクタ(赤) | AV-8.4-1-R | 1 | マルツ |
FB1-5 | フェライトビーズ 1K(R特性) | MMZ2012R102A | 5 | Digikey |
L1, L2 | DCDC用コイル 10uH/3A/61.1mΩ | NR6045T100M | 2 | Digikey |
L3-L6 | チップコイル 100uH/40mA/4.5Ω/2012 | GLCR2012T101M-HC | 4 | Digikey |
R1, R2 | チップ抵抗 22Ω | - | 2 | Digikey |
R3 | チップ抵抗 1.5kΩ | - | 1 | Digikey |
R4 | チップ抵抗 2.2kΩ | - | 1 | Digikey |
R5 | チップ抵抗 100Ω | - | 1 | Digikey |
R6-R11 | チップ抵抗 220Ω | - | 6 | Digikey |
R12,R21-22 | チップ抵抗 10kΩ | - | 3 | Digikey |
R23,R24 | チップ抵抗 3.3kΩ | - | 2 | Digikey |
R25-R30 | LGMFS 22kΩ / 高音質抵抗 | LGMFS25-223D | 6 | bispa,(マルツ) |
R33-R34 R36-R40 | リード抵抗 2.2Ω | - | 7 | 秋月 |
R35 | ジャンパ(0Ω) | - | - | - |
R41,R42 | 100Ω無誘導巻線抵抗(or 音響用抵抗) | WNA100FET | 2 | Digikey |
VR1, VR2 | 半固定抵抗 500Ω | 3362P-1-501 | 2 | 秋月 |
C1, C2 | チップ積セラ 10nF/16V/X7R/1608 | - | 2 | Digikey |
C3-C13 C15-C16 | チップ積セラ 10uF/16V/X5R/2012 | EMK212BJ106KG-T | 13 | Digikey |
C17-C25 C27-C28 | チップ積セラ 1uF/16V/X7R/1608 | EMK107BJ105KA-T | 11 | Digikey |
C14* C29*-C32* | PSフィルムコンデンサ 0.1uF | ECP-U1C104MA5 | 5 | Digikey |
C35*,C36* | PSSフィルムコンデンサ 0.1uF | ECH-U1C104JX5 | 2 | Digikey |
C37*,C38* | PPSフィルムコンデンサ 100pF | ECH-U1C101GX5 | 2 | Digikey |
C39*,C40* | PPSフィルムコンデンサ 330pF | ECH-U1C331GX5 | 2 | Digikey |
C41*,C42* | PPSフィルムコンデンサ 0.01uF | ECH-U1C103GX5 | 2 | Digikey |
C50-C53 C63-C66 | OS-CON SPEC 470uF/16V | 16SEPC470M | 8 | bispa,千石 |
C54,C75 | OS-CON SPEC 560uF/6.3V | 6SEPC560MW | 2 | bispa |
C55-C62 | OS-CON SPEC 1500uF/6.3V | 6SEPC1500M | 8 | bispa,千石 |
C71-C74 | OS-CON SPEC 100uF/16V | 16SEPC100MW | 4 | 千石 |
※C33,C34およびR31,R32は回路変更のため不要(NC)になりました(Ver2.31)
※U5,U6を低ノイズLDO(LT1761-5)に変更しました
自ら部品を集めてつくる人はあまりいないとは思いますが。
LPFオペアンプは試聴を重ねた結果LT1037ACNを標準としてます。その他の推奨品一覧。
(滑らか)LT1037ACN > LME49990 > LT1363 > LT1028ACN(硬め)
さらに硬めで「> LT1128ACN > LT1115」と続きますが個人的には推奨しかねます。
LT1037ACNがどうも好まないとかって人はLME49990をおすすめ。こちらの方がバランス良く感じる人も多いと思います。よりカッチリ鳴らしてほしい場合はLT1028ACNやLT1363をおすすめします。*3
LGMFS(やLMFQ)は、OHMITE等の無誘導巻線よりは少し劣るものの、他の音響用抵抗よりも音が良くコストパフォーマンも優れるのでおすすめです。
フィルムコンの選別については別記事を参照してください。
今回の回路リファインのポイントは主に3つあります。
その他も非常に細かい配慮をして回路が出来上がっています。これらのノウハウは他のDAC作りにも生かせると思います。*4
前回の回路ではアナログ電源を徹底的にLCRフィルタしていまいした。USB電源やデジタル段のノイズの多さから仕方がなかったのですが、ただでさえ貧弱なUSB電源がますます貧弱になり、低音がなると簡単に電源電圧が揺らいでいました(オシロで簡単に観測できるぐらいはっきりとした揺らぎ)。
オペアンプ電源はLT1054チャージポンプで正負電源を生成していましたが、こちらも電源としては貧弱なため非常に大きく揺らぎ、しかも正負で電圧が違うなど散々でした。
今回は「どうせフィルタするなら一緒だ」ということで、LT3582-12による5V→±12VなDCDCを回路上に搭載して、アナログ電源5Vはここから生成することにしました。同時に音質に大きく関わるPLL電源も+12Vから生成しています。
CRフィルタの値は前回と同じ2.2Ωですが、これはそのまま前回路を引き継いたのではなく、値を変更しながら何度も試聴を重ね、これ以上上げることも下げることもできない値として2.2Ωになっています。*5
この抵抗Rの値は非常に重要です。
このような二律背反な状況での調整になりました。
ちなみにRがないと音質劣化が一層激しくなります。高周波ノイズは何も電源から来るわけではなく、例えばDACのL-chの動作ノイズ(高周波ノイズ*6)がそのままR-ch等のノイズとなり互いに悪影響を与えるからです。
では1つ1つに3端子レギュレータを置けばいいかと言うと、3端子レギュレータ自体も半導体素子である以上、出力に(一定量の)ノイズを出し続けるのです。*7
オペアンプのFB3/4の場所には当初10Ωの抵抗を入れる予定だったのですが、これだと電圧ゆらぎが激しく明瞭感が損なわれました。かと言って0Ωでつなぐと高周波ノイズによるザラザラ音が気になるためフェライトビーズが入っています。
PCM2702チップの最大の欠点とも言うべき場所がVcomです。チップ全体の性能に対してVcomの作りが非常にお粗末で*8、PCM2704と比べてもVcomのインピーダンスでおそらく10倍の差があります。*9
VcomはDAC動作時の基準(中点)電圧ですから音質の要であると同時に、L-ch、R-ch両方から高速(MHz)に参照されるため非常に変動しやすい*10。いかにそういう微小電流によるノイズを除去するかと考えるとVcom自体のインピーダンスを下げるしかありません。
チップVcomの出力インピーダンスが高くて使い物にならないなら、外部から無理矢理にVcomを与えてしまおう!!
既にかなりノイズ除去され安定化したアナログ5Vから、220Ω+220Ωの分圧により10mA程度の電流を常に流し続けることで微小電流の影響を極力抑えています*11。これによる音質改善効果は凄まじいものがありました。*12
DACを扱ったことある人あるなら分かると思いますが、クロックの精度というのは結構重要です。今回は通常の水晶ではなくTCXO(温度補償付発振器)を使用しました。
(DACにおける)ジッターというのはクロックのゆらぎのことで、ある時間の電圧値として記録されているデジタルデータをアナログに戻す際、この時間基準が揺らいでいると再生信号が歪んでしまいます。結果として音の明瞭感が大きく損なわれます。
ちなみに世の中勘違いしている人が結構多いのですが、TCXOにするとジッターが改善するわけではありません。TCXOは1秒間の振動回数(発振周波数)を保証(補償)しているだけです。ジッターとは何も関係ありません。ただその性質上「電圧変動や外来ノイズに対して周波数が狂いにくく」設計されているため、結果としてジッターが多少改善することはあります。
旧回路で確認済なのですが、PCM2702のPLL電源をクリーンなものにしてあげると、水晶単体からTCXOに変更した場合の差は非常に小さいものになります。*13
前置きが長くなりましたが、TCXOのジッターを改善するためにどうしたかということです。水晶+バイポーラトランジスタ等を使って低ジッタな発振回路を作った方がよっぽど良いことは承知しているものの回路規模をあまり大きくしたくありません。
色々考えたあげく、シンプルな方法としてTCXOの出力を4.7kΩでプルダウンしました(後に値変更)。クロックラインのインピーダンスを下げることで外来ノイズをもらいにくくし、結果としてジッターを低減しようという狙いです。もちろんオシロで観察しても波形の振幅は小さくなるものの綺麗さに変化はありません。それでも音質改善降下は非常に大きくなりました。
その後何度か追加検証を重ね、今は2.2kΩになっています。この抵抗値は低いに越したことはないのですが、あまり下げすぎると波形が小さくなったり消費電流増加により電源電圧が下がったりノイズが増えたりと色々弊害が起きるので、周辺回路との兼ね合いでこの値に落ち着きました。
積セラの10uFと1uFを両方付けているところが多く見られますが、これはきちんと意味があります。10uFの積セラでは1~2MHz程度からインピーダンスが上昇しノイズ除去能力が低下しますが、1uFの積セラは10~20MHzぐらいまでインピーダンスが低下し続けます。この2つを電解コンデンサと組み合わせることで広帯域にわたりノイズをまんべんなく除去する狙いがあります。
試作の段階では1uFの積セラは付いてないところが多かったのですが、試しにつけてみたところ、驚くべきことに(耳で聞いて分かる)音質改善効果があったので*14付けることにしました。2~3個パラってもいいのかもしれませんし、さらに0.1uFを付けると良いのかもしれませんが、これは試してません。
もう1点、GNDの引き回しは特に頭を使いました。左図は基板CADの画面(赤=表面パターン、青=裏面パターン)です*15。DCDCのノイズが混在しないように、またアナログ段とデジタル段をきちんと配慮しました。加えてDACのそれぞれの端子GNDは端子側からのみ引くようにしています。
このような引き方が本当に良いのかどうかは比較していないのでわかりませんが、パターンの引き方を1つで音質が変化するのは間違えなさそうです。
LPFの設計については前回の記事を参照のこと。LPFは今回やや強めにしてあります。ベッセルフィルタで限界までカットオフ点を下げてオーバーサンプリングノイズを極力減らしたいという狙いです。*16
試作基板は数カ所ジャンパやら回路変更があって作り直し確定です*17。基板の大きさは前と変わらず、ケースも同じタカチのMX2-8-10に入ります。消費電流が200mA以上いくので(前回の倍以上で1W消費)、使ってるとケースごと少し暖かくなります(苦笑)
もっとも、最初はDCDCで昇圧する関係で500mAぐらいになる見込みだったので、だいぶ少なくてほっとしています。
基板の左下にケースグランド(FG)ポイントがありますが、DCDCのベタアースにこんなもの用意したせいでケースに入れると音が悪くなる現象に悩まされました(笑) GNDはなるべく動かない点からとりましょう(汗) 写真をよくみるとわかりますがパターンカットして切り離しました。
元々どうせPCM2702じゃチップの限界で「これ以上音が良くなってもたかが知れてるよ」という感じで舐めていたし、実際試作基板を最初に組み立てたときは「前作のフルチューンと変わらないじゃん」とだいぶなげやりだったのですが(苦笑)、根気よくあちこちチューンナップしたところあれよあれよという間に音質が向上し、同じ曲をSACD(DSD)で再生したときの音質を超えてしまいました(笑)*18。もちろんSACD音源なんてPCで再生できないのでPCM2702はCD音源(44.1kHz/16bit)です。
希望的観測ですが10万以下のCDプレイヤーなら(余裕で?)勝てるのではないかと思ってます。
オーテクの某ヘッドホンが再生装置の欠点をうまいことカバーしてある意味全く使い物にならなかったので(苦笑)、試聴(と回路調整)は最終的にTPA1517スピーカーアンプで行ないました。
個人的な感想ですが、今までよく知ってる曲が違う曲に聞こえます。左右の広がり、音の定位、複数音の分離、ボーカル等の歪みの無さ*19、そして妙な付帯音の無さは驚きでした。*20
相変わらず音の厚みや太さとは無縁ですので、そういうの求めてる人は他当たってください(汗)
ご利用のOSに関わらず再生ボリュームは(OSのマスターボリュームも含め)すべて最大にしてください。このとき一番音質が良くなります。音量は可能なかぎりアンプ側のボリュームで絞りましょう。
Windowsをご利用の方。Windows7/Vistaより前のOSをご利用の方はASIO4ALLやカーネルストリーミングの使用を検討してください。Windows7/VistaではWASAPI(可能ならばWASAPI排他モード)の使用を推奨します。
なおWindowsの様々な再生方法のうち、DirectSoundは極めて音質が悪いのでご注意ください。
ここまでがVer2.2用の変更。以下がVer2.3相当への変更。
改造参考写真。
回路図、部品表等は反映してません。
とりあえずチップの限界なんて言ってTIの人ごめんなさい(笑)。謝るので192/24のUSB-DACチップ作ってください。
掲載回路よりさらに改善できる回路変更・定数変更アイデアがあればどしどし書いてください*22。あと感想もお待ちしています。
LT1308昇圧回路の基板を起こしました。
DIP4×DIP12(10.16mm×30.48mm)のサイズに納めました。写真でわかるとおりかなり小型です。
回路図はデータシートと一緒です。
オーディオ用途に使用する場合は出力にLCフィルタを付けることお推奨します。電流を多めにとるときLCフィルタはDCDCの動作を不安定にします。多めに取らなければフィルタした方が音は良いかも(安定するか含め各自でご判断ください)。
番号 | サイズ | 概要 | 型番 |
---|---|---|---|
U1 | SOP8 | SW内蔵昇圧DCDC | LT1308BCS8 |
C1,C2 | 3216 | 積セラ 100uF/6.3V/X5R | C1206C107M9PACTU or JMK316BJ107ML-T |
C3 | 1608 | 積セラ 470pF/X7R | - |
L1 | 6×6mm | 10uH/3A/61.1mΩ | NR6045T100M |
D1 | 2.4×4.7mm | SBD 30V/2A/0.37V@2A | CMS06(TE12L,Q,M) |
R1-R3 | 1608 | チップ抵抗 1/16W or 1/10W | - |
出力電圧が16V以上のときのC2は次のどちらか | |||
C2 | 3216 | 積セラ 10uF/16V/X5R | GRM21BR61C106KE15L |
C2 | 3225 | 積セラ 47uF/16V/X5R | C1210C476M4PACTU |
※入力電圧5.5V(絶対定格6.3V)まで(C1による制限)
当初R3/C3の値をデータシートどおり47k/100pFにしたら1Aぐらい取り出すと部品泣きはするは、出力電圧が安定しないで困りました。
どうもMLCC(積セラ)が低ESRすぎるのか発振気味の動作をしているようです。33uFの標準電解コンデンサをパラに付けると治ったりして、なるほどタンタルってこういうところに使うのかと勉強になった次第。
データシートをよく読むとR3/C3で位相補償しているようなので、値を大きくして時定数を増やたところ安定しました。DCDCはなかなか奥が深い……。
上のように電流を大量に取り出す場合、出力にLCフィルタをつけて取り出す場合、入力電圧が低い場合のそれぞれまたは複合でDCDCの動作が不安定になることがあります。
改善策としては次が考えられます。
LCフィルタをしなくても十分低ノイズですので、ノイズが気になる用途でも1~数Ω程度のRCフィルタで十分な気もします(このモジュールからアンプまでの間に2.2Ω程度の抵抗を直列に入れるだけ)。
左右にどうして4ピンの穴があるかというと、USBのように電圧が安定しないものを安定化させる狙いがありました。例えばUSB-HDDとかを使うと、瞬間的に1Aぐらい出力するので、USBの給電が少ないマザーボードだと安定しなくなります。
ところが、I/Oの160GB HDD(HDPG-SU160)をつないだらそもそも認識しませんでした。甘くはなかった。USBメモリなら普通に認識するんだけども、USBコントローラー側の渦電流保護にひかかってるのかなあ。
もう一つの狙い。常時5V1Aぐらい出力しないと使用できないとあるポータブルデバイスの充電用。本来はエネループ4本で電圧も電流も十分供給できるのですが、1A吸いとる瞬間に電圧降下が起こるのでうまく動作してくれない。USBポートでも同じく瞬間的に電圧降下するので結構きびしい。
これをDCDCで安定化してやろうという狙いです。こちらはうまく行きました。初期放電が終わると電池が大電流に耐えかねて電圧降下するためあきらめました……。*1
外だと邪魔なので、基板端をニッパで切り取って中に収納しました。
欲しい人いますか?
5Vか12Vで設定して委託でだそうと思うんですが、興味ある人どれくらいいますか。それによって製造数(家内制手工業(苦笑))を考えようかなと。
ビスパさんに委託しました >5V版(廃版), 12V版, 任意電圧版
原価考えずに性能と大きさ(小ささ)だけで部品選んだので高めですが(汗)
在庫以上*2に必要な場合はビスパさんかこちらにメールで連絡ください。質問があればコメント欄へ。
単3電池2本(特にニッケル水素)から12Vの電圧を得たいと要望があったので、色々無理はあるのですがLT1308でDCDCを作りました。
2010/07/09回路図、解説を更新
出力電圧 = 1.22V + R1/R2*1.22V
部品番号 | 部品 | 解説 |
---|---|---|
U1 | LT1308B | 昇圧DCDCコンバータ。 |
L1 | パワーコイル。10uH | 2Aぐらい流せるもの。 |
L2 | パワーコイル。47uH | 2Aぐらい流せるもの。 |
D1 | SBD。耐圧20V以上。 | SBDならなんでも。 |
C1,C3,C5 | 16V以上100uF電解コンデンサ | 低ESR推奨。 |
C2,C4 | 積セラ10uF | ICになるべく近づけて実装 |
C6 | 積セラ1uF | フィルムコンでも可 |
C6 | フィルムコンデンサ1uF | 省略しても良い。積セラ不可。 |
C7 | 積セラ100pF | - |
R1,R2 | 適時 | - |
R3 | 100kΩ | - |
入力側パスコンがとても重要です。できれば、C2に100uF/6.3V/X5Rなどのチップ積セラ(MLCC)を使用してください(100uFを付けるならC1は要らないでしょう)。もしくはC1にOS-CONを使用してICに近づける等。
この辺の配線処理が甘いと出力電圧が安定しませんし出力ノイズも増えます。SOP→DIP変換とか使うべきじゃないし、ICソケットなんてもっての他です。
LT1308Bを入手できたので、比較してみました。
DCDC2次側のスイッチングノイズ。
LT1308 | LT1308B |
---|---|
連続スイッチ(バーストモード動作)をするBは綺麗な繰り返し波形になっていますが、LT1308/LT1308Aは電圧の様子をみながらスイッチするためノイズ波形が複雑になっています。上記回路図のとおりきちんとLCフィルタしてるにもかかわらず、聴覚上はっきりとLT1308Bの方がよくなりました。
オーディオ用途にはバーストモードにすべしということが聴覚上確認できてました。予想どおりの結果です。