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2011/02/21(月)ECPU 0.1uFとECHU 0.1uFとカップリングコンデンサ
某DACのオペアンプを載せ替えて色々遊んでいたのですが、DACの音が向上してきたためTPA1517アンプ(加筆済)で音質比較するのが厳しくなってきました。そこでキット版より音が悪いユニバーサル基板回路をあれこれ改修してたのですが、分かったことを少しまとめておきます。
TPA1517アンプの回路図
- C1はMuse FGの2200uF/16Vを使用しています。
- C5/C6はECPU 1uFです。
フィルムコンの解説
いずれもパナソニック製チップフィルムコンデンサ。
- ECPU 高性能フィルムコンデンサ。素材はプラスチック(PS)。素材が同じではないけど、音は昔あったスチコン(プラスチックコンデンサの1種)の現代版と思って問題ないかも。
- ECPU 0.1uF/16V : 2012サイズ。50円ぐらい。
- ECPU 1uF/16V : 3225サイズ。100円ぐらい。
- ECHU 超高性能フィルムコンデンサ。どうすごいのかはメーカー解説を参照してもらうとして、感覚としてはECPUよりワンランク上。素材はプラスチックの一種でポリフェニレンサルファイド(PPS)と言うらしい。音で言うとずば抜けた低ひずみ。
- ECHU 100~2700pF/16V : 1608サイズ。LPFに重宝。50円ぐらい。
- ECHU 0.1uF/16V : 3225サイズ。100円ぐらい。
パスコンで音が変わるか
C3,C4にECPU 0.1uFでパスコンを打ちました。0.1uFのパスコンは昔から非常によくやられますが、それほど効果があるのか疑問でした。結果明らかに音がよくなりました。
3端子レギュレータ1次側にも10uF/1uF/0.1uFの積セラを入れたのですが、この部分だけ単独で試さなかったため効果は未確認。多少は効果あると思います。*1
カップリングコンにパラ挿入
個人的にはカップリングコンを全く使わないのであまり知らなかったのですが、電解コンデンサなどのカップリングコンに「ECPU 0.1uF」などをパラ挿入すると音質が大きく改善します。(電解コンはどうしても高域が苦手/固体コン除く)
ECPU 1uFにも同じことができるという話を耳にし、C5,C6のECPU 1uFと並列にECPU 0.1uFを付けたところ、明らかに音質が改善しました。
ECPU 1uFはフィルムコンデンサでもともと(電解と比較して)高周波特性が優れます。そこに0.1uFを付けて変わるものかと半信半疑でしたが、かなり驚きました。0.1uFがちょうどいいかは分かりませんが、0.01uFでは改善効果は弱くダメでした。
ECHU 0.1uFを使ってみる
ECHUの100pF/330pFはDACのLPFで使用して、知っている小容量フィルムコンの中で一番音質が優れていることは実感していました。容量が大きいとどうなるのか興味が湧いてECHU 0.1uFを購入してたものの何ヶ月も放置されていました。
C5,C6につけてあるECPU 0.1uFのうち、C5だけECHU 0.1uFに交換してみました。音声信号ラインとはいえたった1箇所です。差はハッキリと現れました。音がおとなしく丸くなったような感じです。
正直期待はずれかと思いましたが、さらに念入りに比較していると面白いことが分かってきました。
- ECHU 0.1uFのほうが音のまざりが少ない
- ECHU 0.1uFのほうが音の空間上の位置がよく分かる(演奏場所の奥行きまで分かる)
LT1037ACNを使ってる時も感じることなのですが、ボーカルなどの張りが消える傾向があります。だから聴きなれた音と比べると若干違和感があったりするのですが、聴き馴染んでくるとこの音の良さが分かってきました。
まとめ
- 0.1uFのフィルムコンでパスコンを打つと音がよくなる。
- カップリングコンにも同じことができる。
- ECHU 0.1uFの性能は恐ろしい(笑)
こんな話をしたら早速「ECHU 0.1uFはちょっとなあ……。ECPU 0.1uFのほうがいい」というツッコミが来ました(苦笑)
何をもって音が良いとするかは人それぞれですが、このブログでは一貫して
複数の音が混ざらないことを最優先する
ECHU 0.1uFに変更したときもう1つ感じたことがあって、それは「わずかに音が小さくなった」ということでした。経験則として、ボリュームをいじってないのに音が小さく感じたときは大抵複数の音が混ざらない方向に進んでます(ハイ上がり等で帯域バランスが狂ってない限り)。
ECHU 0.1uFよかったらお試しください(苦笑)。でも入手が面倒*4なので何がなんでも試す必要はないし、そこまでするものでもありません。ECPU 0.1uFで通常は十分すぎます(^^;*5
最新情報
その後、TPA1517アンプとTPA3110D2 D級アンプの比較試聴の為に色々やっていたらもっと良くする方法が見つかりました。
- ECHU 0.1uF + ECHU 0.01uF + ECHU 0.001uF(=1nF=1000pF)
- ECPU 0.1uF + ECHU 0.01uF + ECHU 0.001uF(=1nF=1000pF)
ECPU 0.1uFとECHU 0.1uFは単体ではECHUの音が良いですが、更に 0.01u + 0.001u をつけるならどちらでもさほど変わりませんでした。「ECHU 0.1uF」は3225サイズと大きくて邪魔なので後者の組み合わせが使いやすいと思います。
試した場所は以下の2パターンです。
- 入力カップリングコンデンサ(hot側/cold側)
- 電源のデカップリングコンデンサ(Vcom等の中点含む)
どちらの場合も、「ECHU/ECPU 0.1uF」「ECHU 0.01uF」「ECHU 0.001uF」のいずれか1つだけ付けた場合も、いずれか1つだけ外した場合も、すべてのケースで聞いて分かる差がありました。*6
電解コン(OS-CON)だけで何もついてないところに「ECPU 0.1uF + ECHU 0.01uF + ECHU 0.001uF」をつけるのと、回路や主要部品が変わったかのような劇的な変化を生みます。もっともお値段も3つで100~150円ぐらいしますけど(^^;
今後はこの3つのフィルムコンの組み合わせをベースに色々つくろうと思いました。