2012/05/25(金)D級ヘッドホンアンプ基板頒布してます

いつものビスパさんに委託。音いいのにあまり作ってくれる人がいないからつい勢いで基板起こした(汗)。ちゃんとP板製です。必要な部品もいろいろお願いして置いてもらったので、全部揃ってると思います。このブログでおなじみのECHU 1000pF, ECHU 0.01uFも。ついでに100pFは前から置いてありました。

PCM2702-v2も頒布中ですのでこちらもよろしく。

SS8050/SS8550

国内の東芝製TO-92トランジスタが全滅するらしいので、海外のトランジスタなのですがSS8050/SS8550の音かいいよと言われたのでダイアモンドバッファとして聞いてみました。

ss8050.jpg

単純に差し替えただけだと、2SC1815(L)/2SC1015(L)と同等か少し良いぐらいの音がします。でも今アイドル電流測ったら結構増えてた。

トランジスタアイドル電流
2SC1815(L)-GR/2SC1015(L)-GR27mA
SS8050-D/SS8550-D38mA

誤差の範囲を超えて明確に違うと思います。ただこれを差し引いてもノイズレベルとか音質は変わらない印象でした。またあとで機会があったら比べてみます。

2012/05/21(月)openSUSE 12.1でデスクトップ環境を作ってみた

※前置きが長いのでopenSUSEの話を読みたい人はここまで飛ばしてください(笑)


3年ぐらい前に作ったこのマシン時々青画面で落ちるという非常に厄介なマシンでして……。最初はK10STAT入れたせいかなと思ってたのですが、何ヶ月か前に定格で動かしても落ちることを発見しまして……。色々取り替えて確認した結果、原因はマザーボードかCPUってところまで詰めまして*1、でもどっちだか分からない。

それから数カ月が経過してどっちか買い換えるなら両方変えて新しくすればいいじゃないか(苦笑)ということで、新マシンを作ってopenSUSEをインストールしました。

*1 : 予想でしかないけど、おそらくマザーボードが原因。

PCの構成

種類パーツコメント
M/BBIOSTAR TA75MMicroATX。AMD A75チップセット
CPUA6-3670K (2.7GHz)倍率アンロック。3.2GHz@1.4V動作
MEMW3U1600HQ-4G (4Gx2=8GB)1.35V設定しても下がらない模様(汗)*2
HDDSAMSUNG HD502HI 500GB5400rpm。ワンプラッタ(流用)
電源HK400-14GP 400Wアイドル電流7W(流用)
VGACPU内蔵(Radeon HD6350D)ATI万歳
LANオンボード(Realtek RTL8111E)定番安物1000Base
  • メモリは本当は1.35V設定で動かす予定だったのですが、BIOSで-0.15V設定してもBIOSモニタ電圧が下がらない……。
  • HDDは一度Hitachi(HGST)に載せ替えたのですが、こっちのほうがはるかに静かだったので。おまけにワンプラッタなので(2プラッタより)アクセスも速い。

消費電力は定格動作時でアイドルで34Wぐらい。電源がクソなので、まともなものに変えれば20W代にはなりそう。時代は変わったなと思います。*3

ベンチマーク

いつものCrystalMarkです。*4

3.2GHz動作定格動作(2.7GHz)
A6-3670K_3.2G.png
A6-3670K_2.7G.png

AeroテーマをオフにするとGDIの数値が3000ぐらい下がりました。本当に変わるんですね(苦笑)

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計測用、差動プリアンプの製作

はてブ数 2012/04/25電子::その他

オシロスコープで電源ノイズを測ろうとすると、色々と問題があります。

  • オシロのフロアノイズのために5mVppぐらいまでしか測定できない。
  • DCDC回路等を測ろうとすると、パルス性の高周波ノイズ(同相ノイズ)が回りこむためまともに測定できない。

同相ノイズ対策として「差動プローブ」というものが市販されていますがオシロスコープが買えてしまうぐらい高いため困っていました。

もっと安価に、お手軽に測定するための差動プリアンプを製作しました。

設計方針

差動プローブと同じものをと考えると結局コストに跳ね返るので、ある程度割りきって作りました。

  • 入力インピーダンスは1KΩないしは10KΩにする。
  • カップリングコンデンサを置いてAC専用にする。
  • 電池駆動(単4×4本)にする。

この割り切りをすることで、コストを抑えたままSNR等の性能をある確保することができます。

  • 帯域幅は100MHz以上(下は20Hz以下)
  • ゲインは 40dB(100倍)

100MHzのsin発生器がないため確認はしていませんが、データシートを見ての設計上は確保したつもりです。

回路図と部品

diff-pre-amp.png


部品番号部品備考
U1LTC64051完全差動オペアンプ(900MHz,1600V/us)
U2LMH66291ローノイズ高速オペアンプ(800MHz, 690V/us)
R1-2,R7-R9高精度金属抵抗 1KΩ 0.5%5LGMFS25-102D
R3-R4高精度金属抵抗 10KΩ 0.5%2LGMFS25-103D
R5-R6高精度金属抵抗 100Ω 0.5%2LGMFS25-101D
C1,C2OS-CON SEPC 6.3V/1500uF26SEPC1500M
C11,C12無極性電解コンデンサ 22uF(10uF)2ECE-A1VN220U等
C21-C24PSチップフィルム 0.1uF4ECP-U1C104MA5
C31-C34PPSチップフィルム 0.01uF4ECH-U1C103GX5
C41-C44PPSチップフィルム 1nF(1000pF)4ECH-U1C102GX5
SW12回路電源スイッチ1100DP1T2B4M6QE等
J1ターミナルブロック3P(縦)1秋月のTB112-2
J2BNCコネクタ10731000131
  • R3,R4は0.1%高精度抵抗(MFP-25BRD52-10K)に変更するとCMRRが上昇します。

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2012/04/04(水)告知ほか

もう結構作られてる人も居るみたいですが、D級ヘッドホンアンプですが、いくつか部品選定してbispaさんに置いてもらいました。

100uHのチップコイル(2012)も来月ぐらいには置いてもらえるみたいです。置いてもらえました。小容量フィルムコンデンサも商品ラインナップにあるようなので*1、0.01uF, 1000pF(1nF)以外は揃うようになると思います。

47uHは3225のチップで少々大きめですが、記事に書いた小型(2012)チップよりこちらの方が音が良く(このチップコイルで動作確認済)、それでいてパワーコイルのRTP8010-470Mより小さく実装できます。

*1 : 自分はニッセイAPSで済ませてますが(苦笑)

あまってたPCM2702 DACの行き先

このジッター比較実験で余ってしまった、低ジッタXO実装済のPCM2702 DACですが、余らせてもしょうがないのでビスパさんに提供しました。

今月のキット購入キャンペーンのプレゼント品となっています。

2012/03/21(水)TPA3110D2アンプでTA2020にリベンジしてきた

思い返すこと昨年夏。自作派ではもっとも有名なD級アンプであろうTA2020アンプのあるところへ、まだ回路調整中だったTPA3110アンプ(D級アンプ)を持ち込みました。そのとき、TPA3110D2アンプは高域の歪み音が顕著に目立って惨敗。

その後、フィルターを何度も何度も調整し、自前フルレンジ(8Ω)だけでなく、マルチウェイスピーカー(Victor SX-300/6Ω)でも確認試聴をしてようやくキットの頒布にこぎつけたわけですが、TA2020との比較試聴はできずじまいでしたので、先日ようやくリベンジマッチをしてきました。

比較条件

TA2020

  • カマデンのキットベース
  • 入力コンデンサはフィルムコン 2.2uF
  • 電源はSBD改造済ACアダプタ
  • アナログ電源は別載せの3端子レギュレータに改造済(参考記事

TPA3110D2アンプは回路図どおりで、おまけに出力ノイズが多くて有名な安価で入手できる秋月15V/1.2A SW電源。

再生装置はいつものDAC

音質とか

TA2020はもう古いチップなのですが、やっぱり聞いてみるとかなりいい音でなっています。優秀です。

負けたらやだなあ……と思ってTPA3110D2アンプに取り替えてみたら、とりあえず負けている感じはなし。全体的にTA2020より明瞭さと定位が改善した感じで軽快に鳴らしていました。

負けてない、多分勝った……というかようやく勝てた(苦笑)

TPA3110D2の良いところ

どうだこのブログのアンプすごいだろう! とはならなかったり(苦笑)


さすがにチップが作られた時代の差がありまして、TPA3110D2は駆動方式が従来のD級アンプとは異なります。新方式のD級アンプは放射ノイズ(EMI)が従来のものより格段に低く(詳しくはTiのサイトを見てください)、出力フィルタにコイルを使う必要がありません。

つまり

  • スピーカーインピーダンスによって出力フィルタを調整する必要がない
  • 元々の放射ノイズが少ないので、フィルタを限界まで強くしなくても音に影響のある高域ノイズを除去できる*1

といった特徴があります。だから、TiのTPA3110がすごいだけなのですけど、それにしてもTA2020も(作られた時代を考えたら)優秀だなと改めて感心しました。

TA2020はアルプスのミニデテント(RK27)で、TPA3110D2はRD1610Gだったというハンデはあったので、どこまでがアンプの差かは分からない部分もありますが(汗)

*1 : できるとは言っても、このためのフィルタ設計・回路設計にものすごく苦労したのですが(苦笑)

蛇足

最近某所で名前をみかけたTPA3122D2は、TPA3110D2より以前に作られた旧方式のD級アンプです。なんで今頃そっちの旧方式チップをプッシュしてるのかよくわからないのですが(苦笑)

SX-300の所有者様もTA2020の所有者様も好みの音だったらしく少し欲しがってました。ちなみにSX-300所有者様はTPA1517の時はあまり欲しがられなかったので少し悔しくもあるのですが(^^*2

*2 : 好みの問題だと思う。