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2010/06/29(火)LT1308 DCDC昇圧ミニミニボード
LT1308昇圧回路の基板を起こしました。
DIP4×DIP12(10.16mm×30.48mm)のサイズに納めました。写真でわかるとおりかなり小型です。
回路図はデータシートと一緒です。
オーディオ用途に使用する場合は出力にLCフィルタを付けることお推奨します。電流を多めにとるときLCフィルタはDCDCの動作を不安定にします。多めに取らなければフィルタした方が音は良いかも(安定するか含め各自でご判断ください)。
部品表
番号 | サイズ | 概要 | 型番 |
---|---|---|---|
U1 | SOP8 | SW内蔵昇圧DCDC | LT1308BCS8 |
C1,C2 | 3216 | 積セラ 100uF/6.3V/X5R | C1206C107M9PACTU or JMK316BJ107ML-T |
C3 | 1608 | 積セラ 470pF/X7R | - |
L1 | 6×6mm | 10uH/3A/61.1mΩ | NR6045T100M |
D1 | 2.4×4.7mm | SBD 30V/2A/0.37V@2A | CMS06(TE12L,Q,M) |
R1-R3 | 1608 | チップ抵抗 1/16W or 1/10W | - |
出力電圧が16V以上のときのC2は次のどちらか | |||
C2 | 3216 | 積セラ 10uF/16V/X5R | GRM21BR61C106KE15L |
C2 | 3225 | 積セラ 47uF/16V/X5R | C1210C476M4PACTU |
※入力電圧5.5V(絶対定格6.3V)まで(C1による制限)
不安定動作DCDC
当初R3/C3の値をデータシートどおり47k/100pFにしたら1Aぐらい取り出すと部品泣きはするは、出力電圧が安定しないで困りました。
どうもMLCC(積セラ)が低ESRすぎるのか発振気味の動作をしているようです。33uFの標準電解コンデンサをパラに付けると治ったりして、なるほどタンタルってこういうところに使うのかと勉強になった次第。
データシートをよく読むとR3/C3で位相補償しているようなので、値を大きくして時定数を増やたところ安定しました。DCDCはなかなか奥が深い……。
安定化のために
上のように電流を大量に取り出す場合、出力にLCフィルタをつけて取り出す場合、入力電圧が低い場合のそれぞれまたは複合でDCDCの動作が不安定になることがあります。
改善策としては次が考えられます。
- 出力コンデンサ(電解で100uFぐらい)を増やす。積セラがついてるので超低ESR(固体コン)でない低ESR電解が良いかも?
- LCフィルタの場合、効率を犠牲にしLC手前で負荷と並列にRを起き一定量の電流を食わせる。
- C3/R3の時定数を変更する。
LCフィルタをしなくても十分低ノイズですので、ノイズが気になる用途でも1~数Ω程度のRCフィルタで十分な気もします(このモジュールからアンプまでの間に2.2Ω程度の抵抗を直列に入れるだけ)。
実用例
左右にどうして4ピンの穴があるかというと、USBのように電圧が安定しないものを安定化させる狙いがありました。例えばUSB-HDDとかを使うと、瞬間的に1Aぐらい出力するので、USBの給電が少ないマザーボードだと安定しなくなります。
ところが、I/Oの160GB HDD(HDPG-SU160)をつないだらそもそも認識しませんでした。甘くはなかった。USBメモリなら普通に認識するんだけども、USBコントローラー側の渦電流保護にひかかってるのかなあ。
もう一つの狙い。常時5V1Aぐらい出力しないと使用できないとあるポータブルデバイスの充電用。本来はエネループ4本で電圧も電流も十分供給できるのですが、1A吸いとる瞬間に電圧降下が起こるのでうまく動作してくれない。USBポートでも同じく瞬間的に電圧降下するので結構きびしい。
これをDCDCで安定化してやろうという狙いです。こちらはうまく行きました。初期放電が終わると電池が大電流に耐えかねて電圧降下するためあきらめました……。*1
外だと邪魔なので、基板端をニッパで切り取って中に収納しました。
頒布
欲しい人いますか?
5Vか12Vで設定して委託でだそうと思うんですが、興味ある人どれくらいいますか。それによって製造数(家内制手工業(苦笑))を考えようかなと。
ビスパさんに委託しました >5V版(廃版), 12V版, 任意電圧版
原価考えずに性能と大きさ(小ささ)だけで部品選んだので高めですが(汗)
在庫以上*2に必要な場合はビスパさんかこちらにメールで連絡ください。質問があればコメント欄へ。