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2020年02月14日の記事

2020/02/14(金)Raspberry Piで設定済システムをイメージ化する

Raspbian や Volumio などの設定済システムを、なるべく小さくディスクイメージ化するメモ。

お手軽に縮小する

# fdisk -l /dev/mmcblk0
Device         Boot  Start      End  Sectors  Size Id Type
/dev/mmcblk0p1        8192   532479   524288  256M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/mmcblk0p2      532480 15554559 15022080  7.2G 83 Linux

8GB SD に Raspbian を入れた場合こんんな感じになります。下のパーティションが root ファイルシステムです。これを縮小します。

オンラインだと面倒なので、Linuxマシンを別に用意し、そこにラズパイ用のSDを入れて編集します。

# e2fsck -f /dev/sdb2
# resize2fs -P /dev/sdb2
resize2fs 1.44.5 (15-Dec-2018)
Estimated minimum size of the filesystem: 470543

ブロックサイズは4KBですので、470543ブロック×4KB=1.9GB程度まで縮小できることがわかりました。キリの良いところで2GBに縮小します。resize2fsでは限界まで縮小できないので、余裕を持って縮小後サイズを設定する必要はありません。

# resize2fs -p /dev/sdb2 2G
resize2fs 1.44.5 (15-Dec-2018)
Resizing the filesystem on /dev/sdd2 to 524288 (4k) blocks.
The filesystem on /dev/sdd2 is now 524288 (4k) blocks long.

resize2fs は 1.5G といった指定はできません。1536Mと指定する必要があります。

ファイルシステムを縮小したらパーティションを縮小します。fdiskでパーティションを削除してから、スタートブロックを揃えてパーティションを再生成します。

# fdisk /dev/sdd
Command (m for help): d
Partition number (1,2, default 2): 2

Command (m for help): n
Select (default p): p
Partition number (2-4, default 2): 2
First sector (2048-15554559, default 2048): 532480
Last sector, +/-sectors or +/-size{K,M,G,T,P}: +2G

Created a new partition 2 of type 'Linux' and of size 2 GiB.
Partition #2 contains a ext4 signature.

Do you want to remove the signature? [Y]es/[N]o: n

Command (m for help): p

Device     Boot  Start     End Sectors  Size Id Type
/dev/sdd1         8192  532479  524288  256M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/sdd2       532480 4726783 4194304    2G 83 Linux

1セクタは512byteですので、「512×4194304 = 2147483648」と resize2fs の結果「524288×4096 = 2147483648」が等しいことを確認します。確認して問題なければ、最後に書き込んで終了です。

Command (m for help): w

これで縮小されたシステムがSDに構築されました。

ddでイメージ化

最後にこのSDイメージ化すれば完成です。このときは、2つめのパーティションのEndの値「4726783」に注目します。先頭からこのセクタまで保存すれば良いので、「(4726783+1)×512 = 2308MB」を保存します。

dd if=/dev/sdd of=./img.file bs=1M count=2308 status=progress

これでイメージが完成しました。

問題点

お手軽で良いのですが、ひとつ問題点がありまして、この手順では極限まで小さくしたイメージを作ることができません。出来上がったらイメージからRaspberry Piを起動するとこうなります。

$ df -h
Filesystem      Size  Used Avail Use% Mounted on
/dev/root       2.0G  1.3G  644M  66% /
/dev/mmcblk0p1  253M   52M  201M  21% /boot

このように800MBほど空いている領域があるわけです。またパーティションのスタートブロックも、8192から2048に減らすことで容量を削減できます。

限界まで縮小したイメージを作成する。

  1. パーティション1のファイルをどこかにコピーしておく。
  2. パーティション2の内容をどこかに「cp -rp」でコピーしておく。
  3. fdiskで表示される「Disk identifier:」の値をメモしておく*1
  4. fdiskで現存するパーティションを削除する。
  5. dosパーティション(パーティションタイプ"C"。100MB程度)とLinuxパーティションを作成する。このときのサイズは、「Used」のサイズ(コピーしたファイル全体のサイズ)を参考にする。
  6. 新しいディスクにコピーする場合、またはディスクを一度初期化した場合は、fdiskでDOSパーティションテーブルを作成し「Disk identifier」の値を書き換えます。fdiskで「x」「i」と入力したあと、3でメモした値を入力します。
  7. ファイルシステムを作成する*2
    mkdosfs -F32 -nBOOT /dev/sdd1
    mkfs -t ext4 /dev/sdd2
    

    「-nBOOT」はディスクラベルをBOOTにする設定です。DOS領域(vfat)のラベル名をBOOTにしないとラズパイが起動しません。後から変更する場合は、dosfslabelコマンドを使用します。

    dosfslabel /dev/sdd1 BOOT
    
  8. 作成したパーティションをマウントしてファイルを書き戻す。ext4領域は必ず「cp -rp」でコピーする。

これで作業完了です。SDラズパイに挿入して起動することを確認します。問題なければ、上と同様の手順でイメージ化します。

注意点

DOS領域のディスクラベルを「BOOT」にすることと、「Disk identifier」の値を保つことです。

fstabやカーネル起動オプションでは「PARTUUID」によってデバイスを指定しています。PARTUUIDはファイルシステムのUUIDではなく、パーティションにつけられたUUIDです。DOSパーティションテーブル(MBR)には存在せず、gptパーティションテーブルが持つものです。

DOSパーティションにはPARTUUIDの概念はないのですが、「(Disk identifier)-(パーティション番号)」をPARTUUIDの代わりとして使用するようになっています。ですから「Disk identifier」を維持する必要があります。

*1 : 忘れた場合はコピーしたシステムファイル中の /etc/fstab に書かれた「PARTUUID=」の値(ハイフンより手前)をメモする。

*2 : dosfstoolsが必要

パーティション領域の自動拡張

/boot領域(Windowsから見える領域)の「cmdline.txt」に「init=/usr/lib/raspi-config/init_resize.sh」をつけることで、初回起動時のパーティションの拡張を実行できます。

しかしこれだけだと、パーティションは拡張されますが、ファイルシステムは未拡張のままです。ファイルシステムの拡張は /etc/init.d/resize2fs_once というファイルで行われています。

#!/bin/sh
### BEGIN INIT INFO
# Provides:          resize2fs_once
# Required-Start:
# Required-Stop:
# Default-Start: 3
# Default-Stop:
# Short-Description: Resize the root filesystem to fill partition
# Description:
### END INIT INFO
. /lib/lsb/init-functions
case "$1" in
  start)
    log_daemon_msg "Starting resize2fs_once"
    ROOT_DEV=$(findmnt / -o source -n) &&
    resize2fs $ROOT_DEV &&
    update-rc.d resize2fs_once remove &&
    rm /etc/init.d/resize2fs_once &&
    log_end_msg $?
    ;;
  *)
    echo "Usage: $0 start" >&2
    exit 3
    ;;
esac

このファイルを作成し、実行権限をつけます。そして /etc/rc3.d/S01resize2fs_once からリンクを貼ります。

vi /etc/init.d/resize2fs_once
chmod +x /etc/init.d/resize2fs_once
cd /etc/rc3.d/
ln -s ../init.d/resize2fs_once S01resize2fs_once

これで初回起動時のパーティション&ファイルシステム自動拡張が有効になります。

Raspbian初回インストールメモ

/bootは、SDをWindowsから開いたときに見える中身と同一。

  • /boot に ssh ファイルを置くと、sshサービスを有効化できる。
  • /boot に以下のような wpa_supplicant.conf を置くと、自動で /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf にファイルを移動してくれる(コピーではなく強制移動)。これにより無線LANに接続できる。
    • 複数のネットワークに接続する場合は、networkを複数記述すれば良い。
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP

network={
	ssid="SSID"
	psk="PASSWORD"
}

mjpg-streamerインストールメモ

apt-get install git cmake libjpeg-dev imagemagick
git clone https://github.com/jacksonliam/mjpg-streamer.git
cd mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental
make
sudo make install

mjpg_streamer -o "output_http.so -w ./www" -i "input_raspicam.so -fps 60"