2006/09/30(土)リプトン製吸音材
FE83Eダブルバスレフの調整
FE83E使用バックロードホーン(BH)を作成して以来、すっかり隠居生活をしていたFE83Eダブルバスレフ(DB)の吸音材を、リプトン社製吸音材に変更しました。類似商品(画像)もありますが、断然リプトン製です。
10個入り138円也。ボンドがかわいたおかげで妙な箱鳴りがまったく無くなっていたので中の吸音材を取ったのですが、箱は振動しないものの定在波によると思われる鳴りが発生してるようで、どうもうるさくて定位感が悪い。BHスピーカーは出張中のため、電流出力改造済F通PCスピーカーにリファレンススピーカーの座を奪われるという、なんともしょぼい事態が発生していました。
1ユニットあたり内部に4つほど吊してみました。ティーバッグは予想よりも小さかったですね。ちなみに第1空気室は内径で横17cm×奥22cmほどあります。
設置して聞いてみました。妙な鳴りはほとんど影を潜め、すっきりとした音になりました。ということでリファレンススピーカーに返り咲きです。ただあとに示しますが、FE83Eにしては背圧がかかりすぎて(箱が大きすぎて)高域がバックロードホーンほど伸びてません。やっぱりサブスピーカーかなぁ。*1
- 箱鳴りには、箱そのものの固有振動による共振と、定在波による鳴りの2種類がある。
- スピーカー(エンクロージャー=箱)を作成して1年ぐらいは、ボンドが乾き切らないために、箱(板)そのものが(物体固有振動により)共振してしまう。これを抑えるためには、かなりの吸音材が必要。
- 吸音材は良し悪しで、詰めすぎるとエンクロージャ(箱)として必要なスピーカーの音や低音まで吸音してしまう。
- 約1年して、ボンドが乾くと箱は強力に接着されまったく振動しなくなる。そのため吸音材は不要になる。しかし、定在波による固有振動が発生するため、空気室内部で音波を乱反射させるための細工(例えば今回のリプトン)が必要がある。
効果のほどは?
吸音材としてグラスウールがたくさん入っていたときのF特がこちらです(作成直後に測定したものです。右のホワイトのイズ測定はたぶんグラスウールなしだと思う)。
リプトン社製吸音材に変更した結果がこっち(変更直前を測定しておけばよかったですね(汗))。
50Hz~100Hzの間にかなり大きな谷があって、このせいで音のムードがない曲などが多かったのですが、ボンドが乾いた結果かどうか分かりませんが、かなり改善されています。1.5kHzと1.8kHz付近に大きな山がありますが、それぞれ「340m/220mm=1.54kHz」「340m/170mm=2kHz」ということで、奥行き、横の反射音だと推測できます。よく考えたらスピーカーユニットのまっすぐ背後にリプトンを配置し忘れたので、あとで買ってきて追加しようと思います(汗
F通スピーカーの改造
過去記事。元々プラスチックのチャチな箱で、電流出力アンプへの改造後の再生能力向上に箱が付いていけず、125Hzと250Hzで盛大に箱なり(箱が共振)するので、強度補強してみました。
箱鳴りは無事収束。しかし、曲よって、所々どうにも割れた感じになるんですが、これはどうやらアンプの問題だったようです。160Hz付近の共振周波数や10kHzを越えるような高周波が同時にソースに存在すると、それに見合う電流を流しだす特性上(高い電圧が必要になって)クリップするようです。これは原理上仕方ないねぇ……。
……しかし、リプトン版ダブルバスレフと比べると、やっぱりクリアさに欠ける。これ以上はスピーカーユニットの性能だから仕方ないなぁ。