2007/11/28(水)ポチっとな

asin:B000XR2OBS

またポチっとなしてしまいました。浪費ではありません。これは測定器です

測定器にしては96kHzまで(192kHzではなく)とか微妙な仕様ですが、USB接続による持ち運びのために涙を飲みました。E-MU 0404 USB? なにそれおいしいの?(ぉ

Amazonの割引

Amazonで買ったのですが、エレクトロニクスの5%ポイント還元がいつのまにかなくなっていてしょぼーんな感じでした。その分限金値引きなんでしょうか、よく分かりません。キッチンとか書籍のポイント還元は残っているのに。

2007/11/27(火)ボリュームの寄生容量?

アナログボリュームの寄生容量を計るつもりが、気付いたらオシロのプローブの容量(10~20pF)計ってました(汗) まとめた記事は公開前に消去。

不確定性原理じゃないですけど、観測する時点で動作が変わってしまう(元回路に一切影響を与えず測定することは難しくなってくる)。こうなってくると測定系をより厳密に考えないと迂闊なミスをしかねないです。

CMoyヘッドホンアンプで検証するオペアンプの発振

はてブ数 2007/11/26電子::HPA

Chu-Moyヘッドホンアンプを使ってオペアンプの安定性を検証してみました。

※この記事でsin波に対して単に電圧といった場合、0-p(ゼロピーク)電圧を示します。例えば、2Vのsin 1kHzは v(t) = 2sin(2π×1000t)です。

使用した回路

opamp-test.gif

  • ゲインは+1倍です。
  • 出力には32Ωのイヤホンを付けました。
  • Lチャンネルだけテストし、Rチャンネルの入力はGNDに落としました。

1倍アンプは発振しやすいので実用としては作らないでください。今回はあくまでテストのためです。

実験

「出力電圧が0-p電圧で1Vになるよう」に調整して入力しました。(ボリュームに対しては1.6Vの入力を与えました)。

電源電圧とクリップ

いわゆるオーディオ用オペアンプを用いて、波形がクリップする様子を示します。

opamp1V/8V電源1V/12V電源1.5V/8V電源1.5V/12V電源
NJM4580
NJM4580_1v.jpg
NJM4580_1v12v.jpg
NJM4580_1.5v.jpg
NJM4580_1.5v12v.jpg
NJM2114
NJM2114_1v.jpg
NJM2114_1v12v.jpg
NJM2114_1.5v.jpg
NJM2114_1.5v12v.jpg
NE5532
NE5532_1v.jpg
NE5532_1v12v.jpg
NE5532_1.5v.jpg
NE5532_1.5v12v.jpg
OPA2134
OPA2134_1v.jpg
OPA2134_1v12v.jpg
OPA2134_1.5v.jpg
OPA2134_1.5v12v.jpg
OPA2604
OPA2604_1v.jpg
OPA2604_1v12v.jpg
OPA2604_1.5v.jpg
OPA2604_1.5v12v.jpg
LM4562
LM4562_1v.jpg
LM4562_1v12v.jpg
LM4562_1.5v.jpg
LM4562_1.5v12v.jpg
AD8066
AD8066_1v.jpg
AD8066_1v12v.jpg
AD8066_1.5v.jpg
AD8066_1.5v12v.jpg

波形が歪まずに(寄生発振を含む)出力できるおよその限界電圧も測定しました。電源電圧は8Vです。ついでにオープンループゲイン等ものせておきます。*1

オペアンプゲイン帯域スルーレート最大出力電流出力限界
NJM4580110dB15MHz5V/us60mA1.3V
NJM2114100dB3MHz15V/us50mA1.6V
NE5532100dB10MHz8V/us38mA1.6V
OPA2134120dB8MHz20V/us35mA0.8V
OPA2604100dB20MHz25V/us35mA0.7V
LM4562140dB55MHz20V/us26mA-*2
AD8066113dB120MHz180V/us35mA1.4V

*1 : データシートから抜粋。必ずしも同じものを示しているは限らないので参考程度に。

*2 : 寄生発振のため、そのままでは測定不可能。Rf=10kとしゲインを5.5倍にすれば、1.2V程度まで出力できました。それを越えてもクリップするだけです。

評価

NJM4580, NJM2114, NE5532

安定したICです。よく使われるのも頷けます。音質を評価されることは少ないようですが、回路の安定という意味では良いICです。

OPA2134, OPA2604

音質が良いと言われさかんに使われるICですが、電源電圧に対する出力の余裕がとても少なくなっています。音楽再生時1Vも出力したら(普通は)うくさくて聞いていられないという感じですから問題ないと言えば問題ないのでしょうが、低能率ヘッドホン駆動時は辛くなります(電圧不足になります)。よく言われるOPA2604は電源電圧が8V(±4V)では足りないの足りないとはこういうことです。

いろいろいじった感じでは、OPA2134の方がやや回路などの影響で発振しやすいものの、共に(クリップさえ起きなければ)安定した(発振しにくい)ICです。

LM4562

ゲインが140dBもあり発振しやすいICです。オシロの写真ですべて発振していますが、これは電源不足などとは関係なく単に帰還のかけすぎです。

Rf=0Ω(1倍アンプ)のままでは発振してしまい、まともに使うことができません。CMoy型でこのICを使用する場合は、最低でも5~6倍(Rf=10kΩ)程度のゲインを設定するべきです。実際、Rf=10k(5.5倍)のとき電源8Vで1.2Vまで出力できました。その先はクリップするだけでしたので、ゲイン設定をきちんと行えば安定して使えるようです。また、負荷インピーダンスを50Ω程度にしても使えるようです。*3

ネット上を見ると回路を調べず(増幅率も調べず)単純にLM4562に載せ替えてる方が居るようですが、本当に使いこなせてるのかとやや疑問を感じます。ループ外出力抵抗なし、+1倍動作ではまともに動かないでしょう。

AD8066

広帯域、高スルーレートオペアンプですが、思ったほど発振しません。思ったほどというのは、写真のとおり「ゲイン1倍で出力を大きくとっても」という意味ですが、回路の作り(設計)が甘いと発振する印象があります。OPA2604等の電源電圧不足による発振を除けば、それよりも発振しやすくLM4562よりは若干安定という感じです。

このICも1倍で使うのは無理があります。ケーブル程度の容量負荷(56pF程度)で簡単に発振します。最低でも5~6倍で使用すべきです(もしくはきちんとループ外に数~10Ωの抵抗を付ける)。

*3 : L成分とR成分があるので純粋に50Ωなら大丈夫とは言えません。

まとめ

オペアンプの主な発振要因は2つで、電源電圧不足による発振と帰還のかけすぎ(+容量性負荷)による発振のようです。今回ためした中では、OPA系は前者によって発振しやすく、AD8066/LM4562は後者によって発振しやすいようです*4。ソケットの直下にフィルムコンを付けると一応安定しましたが、どちらにしろ+1倍動作はお勧めできません。高性能オペアンプでは出力抵抗を付けましょう

追試をしたときは上のリストに追加しようと思いますが、OPA627とか高すぎですのでその辺は多分しない予定。

少々技術が要りますが、(ヘッドホンアンプではなく信号ラインアンプとして)使いこなせればLM4562は良さそうです。AD8066も好みですが。

追記

LM4562などは「unity gain stable」と書かれていますが、これは出力抵抗をきちんと付けた場合のお話です。安定動作のために出力抵抗はきちんと付けた方が良いです

*4 : 広帯域オペアンプなので当然と言えば当然ですが

2007/11/13(火)積層セラミックコンデンサはオーディオに使うべからず

このヘッドホンアンプをよくよく観察すると超高域(10MHz以上。測定できず)で20mVppぐらい発振してました。OSコンは高域特性優れているのでフィルムコンを抱かせなくても大丈夫と思ってたんですが、ちゃんと特性みないとダメですね。

os-con_imp.png

この図はメーカー配布のOSコン仕様書からの引用です。1Mぐらいを境にインピーダンスが上昇しています。この影響で高利得のソースフォロワ(エミッタフォロア)で発振してしまいます。負荷低減抵抗はあまり付けたくないので、電源にフィルムコン0.1uFをパラに抱かせたら落ち着きました。*1

しかし20mVの超高域発振だと聴いてても全くわからない。

*1 : たぶん大容量OSコンを使った(ESLが多い)せいですね……

積層セラミックコンデンサの音質

改造後しばらくして試聴してたら、フィルムコンのつもりで何を血迷ったのか積セラが付いてる(汗)。聴いてて金属音がやけにキンキンするんでおかしいなと思って気付きました。

調べてみると積セラの誘電体は高域での歪み特性がひどいらしくこれがキンキン音の元凶のようです。カップリングコンではなくても、デカップリングコンデンサ(電源コンデンサ)にパラに抱かせた(並列に接続した)だけなのに、積セラの音がしてしまうとは……。

たしかに信号ラインほどシビアではありませんが、電源だからと手を抜くとダメなんですね……。*2

*2 : 別に手を抜いたのではなくて、本気で血迷って付けただけですが。参ったなぁ。

追記

フィルムコン(0.022u)に変えたらキンキンは直りました。共振を防ぐ意味ではOSコンに抱かせるよりも、同じ型のOSコンをパラにする方がいいとは思いますが、手元にないので。

さらに追記

回路をいかに改造しても今一歩音が悪いので(一度に複数の音が鳴ったとき音が混ざる)、最終的にフィルムコンを外しました。コメント頂いた通り、下手に抱かせるのは禁物のようです。

2020/06追記。電解コン(OSコン含む)だけでは高周波特性が足りなすぎるので、ほとんどの場合で0.1uFのフィルムコンを並列に付けています。

参考資料

2007/11/12(月)音響用抵抗 vs 秋月カーボン抵抗

このヘッドホンアンプですが、回路的には欠点はないのにどうにも歪み感が消えず、このバッファアンプとの間に越えられない壁がありました。FETを使っているだけで、仕組みはバッファアンプとまるで同じなのに差があるのです。

具体的にいうと、音のセバレーションが悪く、特に複数の音が鳴ったときにガヤガヤと混ざったようにうるさく感じます。

考えられる原因は2つ。

  • 秋月1円抵抗を使っているせい?
  • OSコンをケチって2つしか乗せなかったから?(前作は4つ)

なぜ秋月の1円抵抗を使ったのかというと、オペアンプのように大利得のない(微小信号のない)回路ではカーボン抵抗の発する熱ノイズなど全く問題になりません。なら別に音響用である必要はないのではないかと考えました。

OSコンが2つなのは単にケチっただけですが、前作アンプでLRの電源供給ラインの間に(チャンネルセパレートを上げようと)抵抗を挟んだとき音が悪くなった(音の元気がなくなった)ことがあって、電源の要因も捨てきれないなと。

「歪んだ音」がするのできっと抵抗だろうと思いつつも、はたしてたたが抵抗3個でこんなに音が歪むのか? という疑問の拭えず。長いこと悩みましたが、えいやっと音響用(非磁性)カーボン抵抗(タイヨームFTR33。1個30円)に載せ替えてみました。

そんなこんなで今試聴中なわけですが、正解でした。まるで音が違います。「音が変わりました、終わり」では面白くないので後日きちんと解析して記事にしますが、どうやら人間の耳は高調波歪み(THD)には鈍感ですが、混変調歪み(IMD)には超敏感なようです。

いい音を目指すならTHDなんか無視してIMDを追いかけるべきだと思います*1

*1 : もちろんTHDが1%越えるのはどうかと思いますが、0.1%以下なら気にすることはないと思います。