Chu Moyヘッドホンアンプ製作のコツ
※2009/02/15 全面修正。
自作のヘッドホンアンプと比較のため、CMoy式のヘッドホンアンプを作成しました。
このヘッドホンアンプをよくよく観察すると超高域(10MHz以上。測定できず)で20mVppぐらい発振してました。OSコンは高域特性優れているのでフィルムコンを抱かせなくても大丈夫と思ってたんですが、ちゃんと特性みないとダメですね。
この図はメーカー配布のOSコン仕様書からの引用です。1Mぐらいを境にインピーダンスが上昇しています。この影響で高利得のソースフォロワ(エミッタフォロア)で発振してしまいます。負荷低減抵抗はあまり付けたくないので、電源にフィルムコン0.1uFをパラに抱かせたら落ち着きました。*1
しかし20mVの超高域発振だと聴いてても全くわからない。
改造後しばらくして試聴してたら、フィルムコンのつもりで何を血迷ったのか積セラが付いてる(汗)。聴いてて金属音がやけにキンキンするんでおかしいなと思って気付きました。
調べてみると積セラの誘電体は高域での歪み特性がひどいらしくこれがキンキン音の元凶のようです。カップリングコンではなくても、デカップリングコンデンサ(電源コンデンサ)にパラに抱かせた(並列に接続した)だけなのに、積セラの音がしてしまうとは……。
たしかに信号ラインほどシビアではありませんが、電源だからと手を抜くとダメなんですね……。*2
フィルムコン(0.022u)に変えたらキンキンは直りました。共振を防ぐ意味ではOSコンに抱かせるよりも、同じ型のOSコンをパラにする方がいいとは思いますが、手元にないので。
回路をいかに改造しても今一歩音が悪いので(一度に複数の音が鳴ったとき音が混ざる)、最終的にフィルムコンを外しました。コメント頂いた通り、下手に抱かせるのは禁物のようです。
2020/06追記。電解コン(OSコン含む)だけでは高周波特性が足りなすぎるので、ほとんどの場合で0.1uFのフィルムコンを並列に付けています。
このヘッドホンアンプですが、回路的には欠点はないのにどうにも歪み感が消えず、このバッファアンプとの間に越えられない壁がありました。FETを使っているだけで、仕組みはバッファアンプとまるで同じなのに差があるのです。
具体的にいうと、音のセバレーションが悪く、特に複数の音が鳴ったときにガヤガヤと混ざったようにうるさく感じます。
考えられる原因は2つ。
なぜ秋月の1円抵抗を使ったのかというと、オペアンプのように大利得のない(微小信号のない)回路ではカーボン抵抗の発する熱ノイズなど全く問題になりません。なら別に音響用である必要はないのではないかと考えました。
OSコンが2つなのは単にケチっただけですが、前作アンプでLRの電源供給ラインの間に(チャンネルセパレートを上げようと)抵抗を挟んだとき音が悪くなった(音の元気がなくなった)ことがあって、電源の要因も捨てきれないなと。
「歪んだ音」がするのできっと抵抗だろうと思いつつも、はたしてたたが抵抗3個でこんなに音が歪むのか? という疑問の拭えず。長いこと悩みましたが、えいやっと音響用(非磁性)カーボン抵抗(タイヨームFTR33。1個30円)に載せ替えてみました。
そんなこんなで今試聴中なわけですが、正解でした。まるで音が違います。「音が変わりました、終わり」では面白くないので後日きちんと解析して記事にしますが、どうやら人間の耳は高調波歪み(THD)には鈍感ですが、混変調歪み(IMD)には超敏感なようです。
いい音を目指すならTHDなんか無視してIMDを追いかけるべきだと思います。*1
※2009/02/15 全面修正。
自作のヘッドホンアンプと比較のため、CMoy式のヘッドホンアンプを作成しました。