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2016年07月06日の記事

2016/07/06(水)Fusion PCBが微妙だったので、Elecrowを使ってみた

プリント基板の製作に、普段P板を使っていてFusion PCBに移行しつつあったのですが、色々と問題があってElecrow(紹介リンク)を使ってみることにしました。

ついでにその他格安基板屋さんについてもまとめています。

Fusion PCBの問題

  • 製造は速いけども、早く発送する気がまるでない。
  • 一度登録したクレジットカード情報を削除する方法がない。
  • キャンセル品*1の返金を忘れられて、1ヶ月待たされた。

*1 : 注文後即キャンセル

Elecrowのルール

Fusion PCBと同じ機械なのか非常によく似ています。

項目P板Fusion PCBElecrowPCBWay
最小パターン幅0.127mm0.1524mm0.15mm0.15mm/0.1mm*2
最小パターン間隔0.127mm0.1524mm0.15mm0.15mm/0.1mm*2
最小パッド間隔0.127mm0.1524mm0.15mm0.15mm/0.1mm*2
最小シルク高さ1.0mm1.0mm0.8mm0.8mm
最小シルク線幅0.127mm0.1524mm0.15mm0.15mm
最小ホール経0.3mm0.3mm0.3mm0.3mm/0.2mm*3
最小ランド経(PTH)0.6mmHole+0.3048mmHole+0.1524mmHole+0.15mm
外形線との間隔0.3mm*4-0.7mm*5-
銅箔厚18um/35um35um/70um*635um/70um35um/70um/105um

*2 : 0.15mm未満は特注

*3 : 0.25mm, 0.2mmは特注

*4 : ベタの場合0.5mm

*5 : 0.4mmぐらいでも作ってくれる

*6 : 70umでは最小パターン幅/間隔が0.254mmになるので選択は難しい……

面付けルール

Readme before ordering PCB online.PDFより抜粋。

elecrow_panalizing.png

  • 同一基板の面付け
    • 試作時は面付け代がかかる(Fusion/Seedは無料)
    • 量産時は無料。
  • 異種基板の面付け
    • 5種類まで。
  • 面付けはV-cut処理

面付けデータ

How to Reduce Cost with Panelizing Serviceに説明がありますが、試した限り「外形線でV-cutラインを入れて、枠外の外形線レイヤーに『V-cut』の注釈を入れて」おけば処理してくれます。

  • Vcut線は外形線に書き込む。
  • 最小基板サイズ : 8cm×8cm(実際は5cm×5cm以上っぽい)
  • Vcutとパターンの間は0.7-0.8mm程度離す(板厚1.2mm以下は0.6-0.7mm)
    • 実際は0.4mmぐらいでも作ってくれます。

ガーバーデータの形式

Fusion PCB/Elecrow/PCBWayの3つは一緒です。

  • 部品面パターン : .GTL
  • 部品面レジスト : .GTS
  • 部品面シルク : .GTO
  • 半田面パターン : .GBL
  • 半田面レジスト : .GBS
  • 半田面シルク : .GBO
  • 外形線データ : .GML
  • ドリルデータ : .TXT

ステンシル(メタルマスク)製造時。

  • 部品面マスク : .GTP
  • 半田面マスク : .GBP

注文から届くまで

送料$20だったので、OCS/ANA Expressで注文しました。

  • 6/30 注文
  • 7/04 Traceable
  • 7/05 国内着
  • 7/06 基板到着(佐川)

注文から6日後に到着してしまいました。早い。2週間かかるFusionはもとより、P板頼むより早いんですけど(苦笑)

2回目

  • 7/15 注文
  • 7/20 Traceable
  • 7/21 国内着
  • 7/26 基板到着(佐川)

国内の輸入申請で4日止まるという珍事。「Prototyping Board」の意味がわからなかったらしいんだけども、OCS/ANAさんはもうちょっとしつこく電話してくるか、そのままPrototyping Boardでググるなりしてほしい。

3コールぐらいで切れる電話なんて出られないよ。

UPSとかFedexとかなら、そんな凡ミスはしない気がしてきた。

基板の品質

elecrow_pcb.jpg

上がElecrowで、下がFusion PCBです。高解像度の画像置いておきましたので、クリックすると拡大します。

シルクが断然綺麗ですね。シルク位置は若干ずれてますが、個人的には許容範囲です。そしてP板でハズレ工場引いたときよりも綺麗です(笑)

2回目

elecrow_pcb2.jpg

シルクがずれてパッドの上に完全に乗ってる。そして前回よりもシルクの印刷が汚くなってる。どうしよ……。

→サポートに問い合わせたら再製造してくれました。

量産製造

200枚ほど製造してみました。

elecrow_pcb_batch.jpg

  1. レジスト不良
  2. 基板にキズ
  3. ホール潰れ(ただしP板でもパッドが小さいと言われ製造拒否られた幅*7
  4. シルク汚れ

その他、ホール潰れ(ハンダ埋まり)が1つ、細かいキズや汚れは数えられないぐらいありました。+10%ぐらい余分に製造して検品しないとダメな感じです。

*7 : ホール経1.8mm、ランド経2.4mm。推奨ランド経は満たさないけど、製造基準書は満たしているのでなんで拒否られたのか謎。しかも以前は結構な数を問題なく製造してもらっていて、再製造の度にルールの厳しくなるP板の謎。

まとめ

  • 値段やデザインルールはFusionと同じぐらい。
  • Fusionよりもオーダーの融通は効かない。
  • OCS/ANAを使うと7日ぐらいで届けてくれる。*8
  • シルクが綺麗。
  • 注文枚数より2~3枚余分に入ってる。
  • 1割ぐらい多めに製造して検品した方が良い。

この記事を書いてから数年経ちましたが、ほぼほぼElecrowしか使用しなくなりました。

Elecrow紹介リンク(利用者側500point/紹介者側1000point付。紹介リンクの詳細

*8 : Fusionは何を選んでもシンガポール経由で送ったりして、早く届ける気がない。

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