2009/06/09(火)PCM2702 DAC の更なる改良

このPCM2702 USB-DACをさらに高音質化すべく各種の検証をしたのでまとめておきます。元々相当音が良かったのですが、この改良により「10万円CDプレイヤーでも何でももってこい」という気分になりました。PCM2702 DACを作られた人はぜひ挑戦してみてください。

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高音質な バスパワーUSB-DAC の製作 (PCM2702)

はてブ数 2008/07/29電子::DAC/ADC

※2010年8月、リファインした新型PCM2702DACを製作しました

※2009年6月、更なる高音質化改良の記事を書きました

※2009年2月、U4の音質へ影響を追加


pcm2702dac_pcb02.jpg

ヘッドホンアンプを公開した際、HPAだけあっても、まともな再生装置がないと良い音質で楽しめないことが残念でした。良い音を求め、SE-U55SXなどの市販のPCオーディオカードを様々改造し続けましたが、元々の回路以上の実力を出すのは困難が伴います。

そこでシンプルで高音質なUSBDACの設計・製作を行いました。利便性を考えバスパワーとしましたが、「バスパワーだからお手軽な構成」ではなく、「バスパワーだから徹底的に凝った電源回路」が特徴です。

  • Ti製PCM2702E使用。
  • DACとしてはめずらしくDC直結です(カップリングコンなし)。
  • 超低ESRコンデンサ10個、OS-CON10個使用。
  • 超低ノイズオペアンプの選別品、LT1028ACN使用(0.1-10Hz雑音、最大75nVpp)。

目次

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PC用DAC(改造済)の聴き比べ

はてブ数 2008/06/18電子::DAC/ADC

音楽再生はもっぱらサウンドカード等で行っていますが、改造しすぎてレベルアップしすぎでよく分からなくなってきたので整理してみます。

比較対象

どれも現時点で考えられる高音質化(コンデンサ、オペアンプ、抵抗の交換)を行っています。

Prodigy192VE

オペアンプ交換し(AD8066)、コンデンサを交換し、カップリングコンデンサを1つ残して削除し、抵抗を交換しました(原則ニッコーム)。最初からは考えられない高音質なサウンドカードとなっています。はっきり言って、その辺の市販品には負けることはないでしょう。

DACチップはSigmatelのSTAC9460という6ch DACです。

SE-U55SX

詳しくはSE-U55SX関連記事をみて頂くとして、部品抜き欠陥の修正、コンデンサ交換、オペアンプ交換(LM6171/LM6172)、抵抗交換(ニッコーム)を行いました。またDC直結DACに改造してあります。

なぜかUSBバスパワー駆動になってますが、これだけの音質が出るUSBバスパワー機器はないんじゃないでしょうか。

DACチップはBB(TI)のPCM1796です。

PCM2702DAC

TIのUSB-DACチップ、PCM2702を使ったUSBバスパワーDACです。まだ一部変更検討中ですが、こちらもDC直結DACです。

比較結果

今回はめずらしくOPA627使用のヘッドホンアンプで行いました。

Prodigy192VE(改v3) < SE-U55SX(改v3) ≦(?) PCM2702DAC

192VEは他と比べるとわずかに音の透明度で劣ります。SE-U55SXとPCM2702は再生音量の差が大きくボリュームの要因を排除仕切れないのですが(後者に有利)、PCM2702の方が一枚ベールが脱がれたようにも感じます*1。おそらく使用しているオペアンプの差*2で、素体の音質ではPCM1796の方が上だと思います。全帯域のバランスはSE-U55SXが上かも。

*1 : 訂正する予定

*2 : SE-U55SXにはLM6172、PCM2702にはLT1028を投入

過去の試聴との位置づけ

過去の試聴1とついでにPCM2901DACも含めると。

Prodigy192VE <<< SE-U55SX < 192VE改
   << PCM2901DAC < SE-U55SX改 < 192VE改v2
   << 192VE改v3 < SE-U55S改v3, PCM2702DAC 

こんな感じです。1行目のときは歪み感がありました。2行目は見違えますね。3行目は頂上決戦?

PCM2702DAC

ほぼ開発が完了したのであらためき聞き比べてみました。

192VE改v3 < SE-U55S改v3 << PCM2702DAC

PCM2702DAC、敵なしです(笑)

おまけ:VLSCについて

SE-U55SXはVLSC通過前と通過後の音を両方聴くことができるよう改造してあり比べてみましたが、明らかにVLSC前の方が良いです。音の広がり、純度共にVLSC通過後は劣りますね。高調波ノイズはVLSC後の方がたしかに減っているのですが、あまり恩恵には与れません。たしかに音の雑味が消えているのですが、デメリットの方が大きい感じです。

LPFに対して、VLSCが大きなアドバンテージを持つかと問われると難しいものがあります。商業上は(効果はともかく)「オーディオ界特有のセールス文句」として成功していますけどね。

部品を置き換えてもこの状況ですから、通常製品に使われるようなVLSC回路では、その回路による歪みの増加(回路の複雑化による音質劣化の増加)の方が恩恵よりも多そうです。本当にしっかりとした部品と回路構成で、初めて意味を持つのかもしれません。

2007/05/09(水)PCスピーカーが調子悪い

例の改造PCスピーカーここも)の調子が悪い。

ガリしかない半固定抵抗がオープンになっているのに気付かず、Rチャンネルを長時間に渡って発振状態にしてしまってからダメですね。発振させると、ものの数秒で手で触れないぐらい TA8217P(パワーアンプIC)が熱くなりますから、それで損傷してしまったと思われます。

高域が入るとバリバリと寄生発振して、そのうち保護回路が働いて(?)右チャンネルだけ音が小さくなります。コンデンサが劣化したのか、ICが劣化したのか。ICだと同じ型のICは入手できないから、回路(実体配線)を変更する必要が出て面倒なんだよなぁ……

いじっているうちに 2007/05/09

いじっているうちに治った(汗)。考えられる説。

  • コンデンサ劣化 → いじっているうちにやや回復
  • ICか接点故障 → いじっているうちに接点回復

調子悪かったころから、あやしい半固定抵抗(フィードバック抵抗)の代わりに、カーボン抵抗突っ込んであります。しばらく様子見。どちらにしろ再現しないことには原因不明です(汗)