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2019/03/29(金)温度調整機能付き はんだごての比較
gootのPX-201とHAKKO(白光)FX-600の比較。
性能比較
元々、PX-201を使っていたのですが、持ち手部分が太く手に馴染まなかったため、FX-600を新たに購入しました。
PX-201
- ヒーター 70W
- 調整温度 250~450℃
- 持ち手部分が太い
- こて先もやや太い
- 使っているうちに持ち手カバーがずれて通電ランプが見えなくなる。
FX-600
- ヒーター 50W
- 調整温度 200~500℃(切り替え式)
- 持ち手部分が細め
- 持ち手が滑りやすい
- こて先もやや細め
感想
持ち手部分の太さは明らかに違います。こて先も白光FX-600が少し細めです。この角度のちょっとした差で使いやすさが違うのです。
一番下は久冨のこて先です。中学生の頃、久冨は授業で作ったはんだごてですが、手に馴染んでいて長年使っていました。細めの芯が便利なのですよね……。
PX-201を購入して乗り換えましたが、こて先も太くて困っていました。「細いこて先」を買えよという声が聞こえてきそうです。もちろんPX-2RT-SBを購入して試したのですが、このこて先は細すぎて熱伝導効率が悪く使いにくいのです。*1
さて白光のこて先はどうか。
その後
PX-201は太すぎるのでカバーを外して使っていたのですが、それでも使いにくく隠居(封印)しました。
今はFX-600をメインに使っています。ほとんど問題ないですが、小さいチップ部品をつけるときは、久冨のこてを使用することもあります。
2017/07/26(水)Tiの偽物っぽいオペアンプ
ある日 fakecomponents さんのこんなつぶやきが目に留まりました。
Tiの偽物オペアンプ
むかしむかし、OPA627というオペアンプがとても高価で、しかもとても人気があったことから、電子工作好きの間ではこんな噂が飛び交っていました。
2017/06/27(火)初めてのPCBWay (PCBGOGO/ALLPCB)
2016/07/06(水)Fusion PCBが微妙だったので、Elecrowを使ってみた
プリント基板の製作に、普段P板を使っていてFusion PCBに移行しつつあったのですが、色々と問題があってElecrow(紹介リンク)を使ってみることにしました。
ついでにその他格安基板屋さんについてもまとめています。
Fusion PCBの問題
- 製造は速いけども、早く発送する気がまるでない。
- 一度登録したクレジットカード情報を削除する方法がない。
- キャンセル品*1の返金を忘れられて、1ヶ月待たされた。
Elecrowのルール
Fusion PCBと同じ機械なのか非常によく似ています。
項目 | P板 | Fusion PCB | Elecrow | PCBWay |
---|---|---|---|---|
最小パターン幅 | 0.127mm | 0.1524mm | 0.15mm | 0.15mm/0.1mm*2 |
最小パターン間隔 | 0.127mm | 0.1524mm | 0.15mm | 0.15mm/0.1mm*2 |
最小パッド間隔 | 0.127mm | 0.1524mm | 0.15mm | 0.15mm/0.1mm*2 |
最小シルク高さ | 1.0mm | 1.0mm | 0.8mm | 0.8mm |
最小シルク線幅 | 0.127mm | 0.1524mm | 0.15mm | 0.15mm |
最小ホール経 | 0.3mm | 0.3mm | 0.3mm | 0.3mm/0.2mm*3 |
最小ランド経(PTH) | 0.6mm | Hole+0.3048mm | Hole+0.1524mm | Hole+0.15mm |
外形線との間隔 | 0.3mm*4 | - | 0.7mm*5 | - |
銅箔厚 | 18um/35um | 35um/70um*6 | 35um/70um | 35um/70um/105um |
面付けルール
Readme before ordering PCB online.PDFより抜粋。
- 同一基板の面付け
- 試作時は面付け代がかかる(Fusion/Seedは無料)
- 量産時は無料。
- 異種基板の面付け
- 5種類まで。
- 面付けはV-cut処理
面付けデータ
How to Reduce Cost with Panelizing Serviceに説明がありますが、試した限り「外形線でV-cutラインを入れて、枠外の外形線レイヤーに『V-cut』の注釈を入れて」おけば処理してくれます。
- Vcut線は外形線に書き込む。
- 最小基板サイズ : 8cm×8cm(実際は5cm×5cm以上っぽい)
- Vcutとパターンの間は0.7-0.8mm程度離す(板厚1.2mm以下は0.6-0.7mm)
- 実際は0.4mmぐらいでも作ってくれます。
ガーバーデータの形式
Fusion PCB/Elecrow/PCBWayの3つは一緒です。
- 部品面パターン : .GTL
- 部品面レジスト : .GTS
- 部品面シルク : .GTO
- 半田面パターン : .GBL
- 半田面レジスト : .GBS
- 半田面シルク : .GBO
- 外形線データ : .GML
- ドリルデータ : .TXT
ステンシル(メタルマスク)製造時。
- 部品面マスク : .GTP
- 半田面マスク : .GBP
注文から届くまで
送料$20だったので、OCS/ANA Expressで注文しました。
- 6/30 注文
- 7/04 Traceable
- 7/05 国内着
- 7/06 基板到着(佐川)
注文から6日後に到着してしまいました。早い。2週間かかるFusionはもとより、P板頼むより早いんですけど(苦笑)
2回目
- 7/15 注文
- 7/20 Traceable
- 7/21 国内着
- 7/26 基板到着(佐川)
国内の輸入申請で4日止まるという珍事。「Prototyping Board」の意味がわからなかったらしいんだけども、OCS/ANAさんはもうちょっとしつこく電話してくるか、そのままPrototyping Boardでググるなりしてほしい。
3コールぐらいで切れる電話なんて出られないよ。
UPSとかFedexとかなら、そんな凡ミスはしない気がしてきた。
基板の品質
上がElecrowで、下がFusion PCBです。高解像度の画像置いておきましたので、クリックすると拡大します。
シルクが断然綺麗ですね。シルク位置は若干ずれてますが、個人的には許容範囲です。そしてP板でハズレ工場引いたときよりも綺麗です(笑)
2回目
シルクがずれてパッドの上に完全に乗ってる。そして前回よりもシルクの印刷が汚くなってる。どうしよ……。
→サポートに問い合わせたら再製造してくれました。
量産製造
200枚ほど製造してみました。
- レジスト不良
- 基板にキズ
- ホール潰れ(ただしP板でもパッドが小さいと言われ製造拒否られた幅*7)
- シルク汚れ
その他、ホール潰れ(ハンダ埋まり)が1つ、細かいキズや汚れは数えられないぐらいありました。+10%ぐらい余分に製造して検品しないとダメな感じです。
まとめ
- 値段やデザインルールはFusionと同じぐらい。
- Fusionよりもオーダーの融通は効かない。
- OCS/ANAを使うと7日ぐらいで届けてくれる。*8
- シルクが綺麗。
- 注文枚数より2~3枚余分に入ってる。
- 1割ぐらい多めに製造して検品した方が良い。
この記事を書いてから数年経ちましたが、ほぼほぼElecrowしか使用しなくなりました。
※Elecrow紹介リンク(利用者側500point/紹介者側1000point付。紹介リンクの詳細)
関連記事
2016/04/18(月)普段P板の人がFusionPCBに基板を注文してみた
P板の品質にはまあまあ満足しているのですが*1、最低3万するので*2試作基板作るにはちょっと値段が高いのですよね……。
そんなわけでP板使いの人がFusion PCBを使ってみたメモを。
Fusion PCBとは
いくつかある格安基板製造会社のうち、比較的品質の評判がよく、それでいて値段の安いところです。
最安なら$9.9で基板を作ってくれます。1000円ぐらい。
Fusion PCBのデザインルール
よく使うP板との違いをまとめてみます。
項目 | P板 | Fusion PCB |
---|---|---|
最小パターン幅 | 0.127mm | 0.1524mm |
最小パターン間隔 | 0.127mm | 0.1524mm |
最小シルク高さ | 1.0mm | 1.0mm |
最小シルク線幅 | 0.127mm | 0.1524mm*3 |
最小ホール経 | 0.3mm | 0.3mm |
最小ランド経(PTH) | 0.6mm | Hole+0.3048mm以上 |
銅箔厚 | 18um/35um*4 | 35um/70um |
P板はルールに違反すると弾かれますが、Fusion PCBは細かいルール違反でも基本的にはそのまま製造してくれます。
面付けルール
面付けの方法は「What are the PCB panelization rules?(日本語)」にありますが、要するに基板同士をくっつけて配置すればokです。
- 同一基板の面付けは、面付け代不要
- 異種基板の面付けは、種類数に関わらず5面付けまでで有料
P板のように切り離してくれるのかな? と思ったら、単にVcutで処理した基板が送られてきました。
- 最小基板サイズ : 60mm×60mm
- Vcut後最小サイズ : 15mm×15mm
- 追加料金$16を払えば:8mm×8mm
- 板厚:1.0mm以上
- 42面付まで無料
- 異種面付は9種類まで
P板は台湾工場を選べば制限なくやってくれますし、Vcutと面付けは別々として扱われるので(Vcutではない切り離された面付けができるので)、ちょっと融通は効かないですね。
ただのV-cut
アウトラインはつなげた状態で、シルクスクリーンに直線を引いてVcutすればいいらしい。この方法のV-cutで面付けしようとすると、面付け料金払えと怒られます(苦笑)
ガーバーデータの形式
P板、Fusionどちらもzipなどで圧縮してファイルを送信します。
P板はREADME.TXTなどのファイルを用意し、その中に拡張子とレイヤーの対応付けを記述します。
(1)部品面パターン *.cmp (2)半田面パターン *.sol (3)部品面レジスト *.stc (4)半田面レジスト *.sts (5)部品面シルク *.plc (6)外形線データ *.dim (7)ドリルデータ *.drd
Fusionは予め定められた拡張子に、ファイル名を変更します。
- 部品面パターン : .GTL
- 部品面レジスト : .GTS
- 部品面シルク : .GTO
- 半田面パターン : .GBL
- 半田面レジスト : .GBS
- 半田面シルク : .GBO
- 外形線データ : .GML
- ドリルデータ : .TXT
注文から届くまで (EMS)
面付けしたり色々カスタマイズしたりしても$100ぐらいですのでお安いです。
送料ですが、Air Mailが最安で$6ぐらいでしたが、ものすごく(1ヶ月以上とか)遅くなることがあるらしいので、EMSを選択しました。昔中国から買い物したときは、EMSで1週間もしないで届いたので、比較的早く届くかと思っていたのですが……。
- 3/31 オーダー
- 3/31 基板製造開始(PCB Processing)
- 4/05 基板製造完了(In production)
- 4/06 発送準備中(Processing)
- 4/08 追跡可能(Traceable) …… しかしこの時点では追跡不可能
- 4/11 17trackでのみ追跡可能に。発送準備中。
- 4/14 EMS荷物としてシンガポールより発送
- 4/16 国際交換局に到着
- 4/17 国際交換局から発送
- 4/18 荷物到着
製造完了から実際に発送されるまで実に9日。製造完了から到着まで13日。EMSの意味が無い。Air Mailも同じルートを通るそうなので、それでも大して変わらなかったんじゃないかと思ってます。
中国の荷物がなぜシンガポールから発送されるかと言うとその方が安いからだそうです。
注文から届くまで (UPS)
UPSは早いらしいと聞いたのでUPSで頼んでみました。
- 5/09 オーダー
- 5/11 基板製造開始(PCB Processing)
- 5/13 基板製造完了(In production)
- 5/17 発送準備中(Processing) - 深センから出荷
- 5/18 追跡可能(Traceable)
- 5/19 香港着
- 5/21 UPSに荷物引き渡し。香港から発送
- 5/22 シンガポール到着
- 5/23 シンガポールから発送
- 5/24 深セン着(飛行機の経由地?)
- 5/24 日本着
- 5/25 荷物到着
製造完了から発送まで8日。製造完了から到着まで12日。EMSより1日早いだけ。
またなぜかシンガポールを経由して、しかもシンガポールから工場のある深センを経由して荷物が届くという*5クソ仕様でした。
基板の品質
シルクは思ったより綺麗でした。一番小さい文字は「1.0mm/幅0.15mm」ですが、やや潰れています。読めなくはないですけど。少し大きめの「1.5mm/幅0.2mm」は十分な品質。
あとレジストとシルク間にマージンがあるせいで、シルクがP板に出すものよりも狭く(細く)なっていました。
シルク以外に特に気になるところはなし。
まとめ
- お値段も安く基板の品質は十分。
- 高さ1mmのシルクは潰れやすい。
- 発送方法に関わらず早く届ける気はないらしい(EMSやUPSを選択するのは愚行)
- 追記(2019/03/06)
- 最近はシルクもきれいらしい。
- OCS ANAに対応して早く届くらしい。
次はElecrowに頼んでみようと思います。とはいえP板以外の選択肢ができたのは良いですね。