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2007年05月25日の記事

2007/05/25(金)FreeBSDはなぜ標準で APOP に対応していない?

FreeBSDでは比較的標準的に利用される pop デーモンである popa3d は、なぜか apop をサポートしていません。不思議に思ってつらつらと man を読んでいたら、次のように書かれていました。

POP3 transmits passwords in plaintext and thus, if you care about the security of your individual user accounts, should only be used either in trusted networks or tunneled over encrypted channels.

There exist extensions to the protocol that are supposed to fix this problem. popa3d does not support them yet, partly because this isn't going to fully fix the problem. In fact, APOP and the weaker defined SASL mechanisms such as CRAM-MD5 may potentially be even less secure than transmission of plaintext passwords because of the requirement that plaintext equivalents be stored on the server.

英語の練習がてら意訳してみますと、

POP3 はパスワードを平文で送ります。あなたのアカウントのセキュリティーが心配でならば、信頼されたネットワークか暗号化された通信経路を用いてください。

この問題を解決するためのプロトコルの拡張(注:APOP等のこと)が存在しますが、popa3d はサポートしていません。なぜなら、この拡張は問題を部分的に解決しますが完全な解決にはならないからです。実際、APOP や脆弱性のある SASL では CRAM-MD5 のような方式が使われおり、サーバに直接平文パスワードを記述する必要があるため、場合によっては平文パスワード認証よりもセキュリティーが劣ってしまいます。

つまりは、いくら通信路の安全を守るためとは言っても、サーバ上に大量のユーザーの平文パスワードを記述することはセキュリティ上問題ありませんかということですね。

調べてみると、apop自体に問題があるらしいですが。

結局popもftpもダメで、ssh(ssl) でトンネルしたもの以外は現状信用できないということになるんでしょうねぇ……。PAM の元に SMTP も POP も安全な形で統一してほしいのココロ。*1

*1 : ftpはsftpで問題なし