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2006/08/22(火)電流出力アンプの解析
2006/08/18(金)電流帰還アンプ(電流出力アンプ)
電流出力アンプ
すごい昔頂いたけF社製PC用スピーカーを普段使っています。アンプの電源いれてもいいのですが、画面に対して左右においてないのでPCのときはPCスピーカー。
比較的素直な(ラジオ的な)音で嫌いではないし常用しているのですが*1、いかんせんかまぼこ(高域と低域がでない)*2。というわけで、中の基盤を丸々取り替えて電流出力アンプを作ってみました(通称「山本式電流帰還アンプ」)。
なかなか面白いです。PCスピーカーらしかぬ音がします。というわけで、今回は簡易報告メモ。アンプ(パワー)ICはTA8217P。
- 定位もしっかりして、高域もハッキリ出て見違えるようです。(若干出過ぎかも)
- 試しにFE83EなBHスピーカーにつないでみたら、ラウドネスがかかりすぎたような変な音がして気持ち悪かった。中域の音がすっぽり抜けた感じ。
- 電流駆動なので、スピーカーのインピーダンスが上昇する低域と高域のレベルがあがる傾向にある。この特性から考えると貧弱なかまぼこスピーカーユニット向き。
よって、FE83Eのようなまともな(ましてハイ上がりな)ユニットにつけると悲惨。 - まともなユニットで使いたかったら、インピーダンス調整用に抵抗(8Ω~20Ω?)や抵抗+コンデンサ*3をスピーカーに並列に付けて、その電流も帰還抵抗に入れる必要があると思われるけど、Cut and Tryになることは間違えない上、電流出力アンプの特徴である素早い立ち上がり特性も若干失われそう……。*4
あと電源。ACアダプタから直接2200uFのコンデンサで平滑化してるのですが、オシロでみると20mV程度のリップル(商用電源周波数)が出てる……。10000uF~20000uFを付けるか、簡単でもいいから安定化した方がいいようです。どうもSNが悪いなぁーと思ったら(^^;;
使用中(追記)
ちょっと回路を対策する時間が取れないので、イコライザでハイをだだ下がりに補正して聞いてる(使用してる)のですが、すごいですねこれは。オーケストラが聴けます。音の定位といい、広がりといい、全体の鳴りっぷりといい、こんな安物PC用スピーカーでこれだけの音がでるなんてほんとに恐ろしいことこの上ないです。
ちなみに。ネットを検索していると、DFなる値(限定された条件の下で使える簡易式)を持ち出して、低域が制動されないとか言っている方がいますが、大嘘です。伝達関数を立ててシミュレーションを行えば、電流出力では入力波形に従って強烈にボイスコイル電流が制御されることがすぐに分かります。(←機械的な部分と電気的な部分を混同して記述していました)
さらに追記
電流駆動方式の場合、低域の機械的共振に対して(ほぼ)無力であることを確認しました*5。単純に電圧駆動、電流駆動のどちらが良いかと言われれば一長一短ですが、PC用スピーカーの改造法としては電流出力は十分魅力的だと思われます。細かい考察はこちらの記事。
追記
電流駆動アンプの製作という記事を書きました。最新情報になりますご参照ください。とどのつまり、F特をフラットにしてあげれば、凡庸なスピーカーユニットは例え電流駆動しても凡庸な音がします。
2006/07/11(火)旧ダブルバスレフスピーカー
アンプエージング中なので
家の外でD907Limitedがアンプエージング中(電源入れっぱなしで10日近く放置)なので、それと一緒にスピーカーもいずこへか行っています。というわけで自作スピーカー1号機(ダブルバスレフ、Fostex FE83E使用)を使用して聴いてるのですが、あれなんかものすごく音が良くなってるんですけど(笑)。
この自作ダブルバスレフ、50Hz付近はよく出るんだけど65~100Hz付近の音がすっぽり消える「出来損ないダブルバスレフの典型」とも言うべきものだったのですが……、今聴いてるとゼンゼンそんなことない。後で測定してみますが、かなり改善してるのではないかと思われます。
あと、音がかなりすっきりしていました。元々箱なりが酷くてかなりの量の吸音材(グラスウール)を詰め込んであったのですが、試しにその大部分を取り除いてみたところクラシックなどを大音量で鳴らしてもほとんど問題なし。あとでこの筋で話題の吸音材「リプトンのティーパック」を買ってきて突っ込んでみようと思っています(たぶんその程度の対策で済む)。
小音量でも低域がほどよくでて*1ホーン的なモワっとした低音でもないのと、エンクロージャー(箱)のエージングが進んだのか箱鳴りがほとんどせず、全体にすっぎたしたとても良い感じの音になってます。ほんと、小音量リスニングに最適って感じです。
教訓「自作スピーカーは1年経たないと本当の音はわからない」
2006/07/08(土)というわけでエージング
これまでの経緯
1万オーバーで入手した故障品のサンスイのアンプAU-D907Limited(リミテッドモデル)を修理。何せ30年モノです。
- とりあえずサポートセンターから回路図を購入する。たしか2000~3000円。
- プリアンプ部、パワーアンプ部のコンデンサをすべて ニチコンのMuse FG/FX に交換する。計数十個。
- 消耗しそうなトランジスタも軒並み交換する。
- これまた消耗している半固定抵抗も軒並み交換。
- ドライブ段Trの故障と気づき、交換して無事修理。関連して焼けていた抵抗も修理。
- 修理中のミスにより終段トランジスタを焼いたため、サンケンのLAPT-トランジスタ(アキシャル品)をキャノン型のところにムリヤリつける(下写真)。
- 電源のダイオードをSBD(ショットキーバリアダイオード)に交換。当時耐圧200VのSBDが小売されてなかったため50本袋買い。*1
- アイソレーターを外して遊んでいたら、アンプが火を吹いて(一瞬炎が見えた)沈下。終段トランジスタおよび9N-OFC巻線エミッタ抵抗1個が死亡。
- さらに終段トランジスタを交換。
- (この記事より後日)NFB抵抗および直列に入っている抵抗をREYに交換。音の混ざりがだいぶ解消される。
コンデンサ、SBD、抵抗交換により初期状態より相当音が良くなっています。
振り返れば
修理・改造だけでも結構なお金も手間もかかっている思い入れの強いアンプです。過去の記事を振り返ると恥ずかしくなるくらいやっていることはムチャクチャですが(苦笑)、そのおかげで色々学ばせてもらいました。
この先も当分壊れることはないと思うので、有効に使ってくれる人のところで余生を過ごしてもらおうと思ってます。
一応完了したので
AU-D907Limitedを5日間ぐらい電源入れて放置。危険なので、アイソレーターも元に戻しました(汗)。鳴らしてみると音が硬い……。サンスイお得意の中域の厚みがありません。とてつもなく高域が澄んで綺麗なのですが、それだけです(苦笑*2
どうにもおかしいなぁー……、音が硬いなぁー、「つまらない音だなぁ」*3とか思いながら鳴らし込むこと2~3時間。やっとまともに鳴りはじめました。α707にも言えることですが、どうにもサンスイのアンプ(707以上?)はスピーカー負荷などをつけて最低1~2時間ならさないと本来の音がでないようです。これもまた毎日ならしているアンプなら違うのでしょうが、そうでない場合は特に。
というわけで、まだまともに試聴報告できません(笑)
ヤフオクを眺めていたら
おっ同じD907 Limitedジャンクが……。いやそれ自体はめずらしくないのですが、たしかこれを出品されている方って、ジャンク(故障)アンプを落としまくって修理して再出品してる方*4だったと思うんですけど……*5。さて出品の文章をよく見てると……
数年前に屋外で音楽を聞こうと、片チャンネルにだけスピーカーをつなげて鳴らしていたところ、パワーが出なくなり壊れてしまいました。
……説明文の真偽はともかく、ヤフオク内の修理屋さんが修理を諦めたアンプとはあまりに怖いのは私だけ?(汗
追記
7250円で終了してました。あの修理屋さんが競らなければジャンク品はそれぐらいで落とせたっことですよね……(なんか悔しい
2006/06/28(水)アンプ修理
エミッタフォロアはなぜ発振するか?
Zobelネットワークを外してエミッタフォロア発振を招き、終段トランジスタを焼いたわけですが、あちこち学んだことを、実体験と合うように少し整理しておこうとおもいます。
エミッタフォロアは、ベース-コレクタ間の電源の線路L、トランジスタのベースエミッタ間容量Cbe、トランジスタのコレクタエミッタ間容量Coeによりコルピッツ発振回路となります……という説明をよくみかけるのですがいやそれ絶対おかしい。もしそれでコルピッツ型発振回路と見るならエミッタフォロアでなくても発振するはずです。
ネットを検索してもほとんど情報がなく、とりあえす確からしいことをまとめると。
- 負荷としてコンデンサのみを付けたとき発振しやすい
- その対策として負荷と直列に抵抗を挟むと発振しにくくなる
- ベースに入力抵抗を付けると発振しにくくなる
- コレクタとGND間にパスコンを入れると発振しにくくなる
- エミッタフォロアとして使用するトランジスタがのFtが数十MHz帯まで伸びてなければ発振しにくい
- Zobelネットワーク(スナバ)を入れることで安定しやすくなる
- (今回の経験として)スナバをはずしたのみでは回路は安定していたが*1、スピーカー負荷を繋ぐと発振した。
とりあえず
エミッタ抵抗は写真のとおり、たまたまあった0.51Ω+1Ωで代用しました。無誘導抵抗じゃないからおもいっきりLがあると思うけど……。写真下の壊れた無誘導セメント抵抗ですが、下に9Nとか書いてありますよ……。これ多分、中の巻き線に使ってる銅線の純度ですよね……。9N=純度99.9999999%……とことん金のかかってるアンプですなぁ。どうしよう、そんな高級品飛ばしちゃったよ(涙)
とりあえず、これ以上バラしておくとまたどこが壊れるか分からないので(違)またいつ冒険心に火が点くか分からないので組み上げて封印しました。今回作業して、不足した部品を買いだしたころ(7月末を予定)また分解してみます。というわけで、いったん終了。