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2008/08/23(土)ダイアモンドバッファと低電圧オペアンプ
ヘッドホンアンプ
失敗作を改造してダイアモンドバッファ付き回路にしたてたました(CRD1mAはそのまま)。1~1.4Vppぐらいしか出ませんが高能率ヘッドホンだと0.2Vppぐらいなんで実際これでも十分です。そんなに駆動力が必要なわけではないし、どうせ音なんか変わらないよって軽く聞き比べてたわけなんですか……まさか変わるとは。
LMP7732のパラバッファアンプ*1と、LMP7732を使ったダイアモンドバッファ付きを比べると、後者の方が圧倒的に低音が綺麗。綺麗にしっかりとなります。こんな違うのか…。低音が綺麗なせいか、曲全体もよりクリアになります。*2
そこで、ここに取り出したるは例のFETヘッドホンアンプ(Vランク×4)。おおーっ、LMP7732+ダイアモンドバッファとFETヘッドホンアンプの音がとても似ている。Vランク×4ってこんな音よかったっけ? というおとぼけ発言をしつつ、よく比べると中高域の綺麗さ(明瞭さ)ではLMP7732アンプ。中高域の綺麗さと低域の綺麗さを併せ持つLMP7732+ダイアモンドバッファ最強ということに(笑)
LMP7732って低電圧オペアンプ界のOPA627みたいなところあるなーと思っていたんですが(妙に心地よい色が付く)、駆動力が不足すると若干エコーがかかったような色つきの音になるようです*3。
そして今は
他の低電圧オペアンプに変えて聞き比べてますが、ダイアモンドバッファ付きの方が音が良いのは間違えなさそうです。ちなみに、バッファを付けられるオペアンプと付けると激しく歪んでしまうオペアンプ(LT1678等)があります。
ダイアモンドバッファ付きだと今度は出力可能電圧範囲で不利なので、今ちょっと面白い回路をテストしてます。うまく行きましたら、新型ヘッドホンアンプとして紹介しますね。
2008/08/19(火)低電圧バッファ回路、失敗作
低電圧(単3電池2本)駆動アンプの一番の問題は、出力を大きく取り出せないことです。Rail to Railというオペアンプを使えば、電源ギリギリ付近まで出力することができます。しかしそれは負荷抵抗が大きいとき(負荷か軽いとき)であって、ヘッドホンのように20Ωなどの負荷をつなぐとあっというまにクリップしてしまいます。
これはオペアンプの(NFB含まない)出力インピーダンスが50~100Ωぐらいあるためで、これを改善するためにオペアンプの出力にバッファ回路を付けるということがよく行われます。
失敗した回路
出力インピーダンスが低く駆動力が大きいエミッタフォロア回路を使って、バッファをさせることを企てました。出力インピーダンスを下げて、低インピーダンス負荷を難なく(電圧低下なく)駆動するためです。
しかしながらこの回路、思った通りうまくは動きませんでした。さてどんな問題が起きたのでしょうか?
正解は明日以降に掲載します。
Q1, Q2はダイオードと同じ働きをしています。D1, D2は1mAの定電流ダイオード(CRD)です。
失敗の内容
±1.2V電源使用時。
無負荷 | 32Ωイヤホン |
---|---|
オシロの画像を見れば一目瞭然なのですが、32Ω負荷のとき1Vppも出力できませんでした(右の画像でクリップしている部分が最大出力電圧になります)。RtRオペアンプを使えばもうすこし出力できますので、これでは何の意味もありません。
失敗の理由
何が起きているかと言いますと、負荷が小さくなればその分Q3, Q4のコレクタ電流が増えます。コレクタ電流が増えると、ベース電流Ibが増えます。ベース電流が増えると、Vbeが増えます。計ってみると、0.6V程度のベース電圧が発生していました。
また、定電流ダイオードがD1/D2が0.2~0.3Vの電圧降下を生みだし、結局
1.2V - 0.6V - 0.2V = 0.4V
が最大出力電圧となっていました。実際には電池が1.3Vぐらい出力できたため11実測波形は少し大きめです。
試しに入力として0V~2Vぐらいの電圧を与え、電源電圧を±2.5V程度にしてみると、入力電圧をあげるとIaが減り、その分Ibが増えますが、ある時点で(出力がクリップする時点で)それ以上電流が増えなくなります。この時点で、定電流ダイオードが飽和しているものと考えられます。またIaが減ることで、Q1による電圧降下は減り、Q2による電圧降下が増え、結果ますますIbは頭打ちとなります。
電流Iaが変わらない方がQ1による電圧降下が一定して都合が良くなります。と考えると、ダイオード(Q1,Q2はダイオードとしての役割*1)よりも、ダイアモンドバッファ構成にした方が優れていていますね。
そんなこんなでダイアモンドバッファに改造しました。電源電圧が上がったとききちんと出力範囲が広くなったのはダイアモンドバッファでした(でもIbによるVbeの大きな電圧降下が避けられないのですが)。今更ながらダイアモンドバッファはよく考えられた回路だということが分かります。
別の方策は?
2SK170/2SJ74のFETバッファを使うという手があるのですが、1組あたり10mAしか出力てきず、出力インピーダンスも高いために同じ問題に当たります*2。とにかく、低電圧をディスクリートで組むことは大変に困難であることがよく分かりました(汗)
ほかの方法としてオペアンプの多段連結などがあります(A47など)。この方法はバッファに使うオペアンプと、入力段に使うオペアンプの合成方法によっては、バッファ段の性能(入力特性)が影響してしまうという問題があります。*3
まだ検討・研究してみますが、パラバッファ型アンプに落ち着きそうな予感です。
2008/08/05(火)USB-DACをケースに入れた
2008/08/01(金)日記
USB-DAC続報
ほとんどの部品が手に入ったので早速実装してみました。
細かい問題(RCAコネクタのパターンが若干ずれてる*1等)はありましたが、大きな問題もなく、心配したパターンミスもなく、無事音が出ました。ほっと胸をなで下ろしたところです。
まだエージングもなにもしてませんが、結構いい音してます。試作と若干回路が変わっている部分があるため、エージング後に試作の音と比べながら最終調整ですね。抵抗は諸事情により、進のプレート抵抗になってます(キットはタクマンのREYになります)。
試作品との比較
どうにも「わずかに音が濁るなー」と思って、気になっていた箇所を変更したら(試作の回路に戻したら)やっと本来の音が出ました。記事の回路図訂正しました(RS2の追加)。
オペアンプと電池2個ヘッドホンアンプ
オペアンプの仕様と音質の謎を2~3日前に更新しました。読むとオペアンプの仕様と音質の推測法がだいたい分かるのではないかと思います。*2
更新したオペアンプのリストの中に入ってますが、低電圧動作(単3×2本)可能なオペアンプの中でLT1498とLMP7732が優秀です。LT1498はたぶん司さんのオススメなのであちらのブログで語ったくださると思いますから、自分のおすすめLMP7732について語ろうと思います。
FETヘッドホンバッファアンプの廃盤が部品入手難からほぼ確実になったため、ひと月ぐらい前から代わりになるICを探していました。低電圧オペアンプをいくつか入手・試聴した中で、唯一「旧ヘッドホンアンプを越えた」と思ったのがLMP7732です。*3
Zobelネットワークと呼ばれるフィルタを付けないと安定しない上、5V以上の電圧をかけるとICが壊れるのでまだ特攻するのはやめた方が良いです。現在諸特性や音質を検証中で、そのうち記事に纏めます。次期ヘッドホンアンプキットはおそらくこのICがベースになると思います。
画像消失中
ちょっとした手違いで、ブログの画像をすべて消してしまいました。そのうち復旧させる予定ですので、少々お待ち下さい。
追記
古いHDDから8割復旧*4。残りはどうするかって? …………再撮影(汗)