SE-U55SXの改造(入出力同時使用)
SE-U55SXはループバックテストができないことで有名です。入出力を同時使用しようとすると、入力がマイクに限られる上に、マイクから入力された音声が出力にミックスされます。ループバックテストに限らず、例え 16bit/44.1kHz だとしても、入出力を同時に行う装置として使いたいことはよくありますが、SE-U55SXはその目的で使用出来ません。
この血迷ったステキな仕様を変更するため改造を行いました。記事を参考に改造を行う場合は、各自の責任でお願いします。
全体の仕組み
基板上部の写真です。この回路には2つのアナログマルチプレクサ(74HC4053相当品)が付いており、それぞれLINE入力/MIC入力の切り替え、出力への入力信号ミックス機能on/off(入力モニター機能on/off)を行っています。この部分の回路を変更して、次のようにすることが目標です。
- 入力信号は常に"LINE IN"とする。
- 出力モニター機能は、LINEモードのとき(入力専用装置として動かしているときのみ)有効とする。
入力選択をLINEに固定
入力切り替え部の回路は上の写真のようになっています。入力セレクタを通した後、入力レベルボリュームに繋がっています。74HC4053 のうち黄色い線を引いた2つのピンを外します。パターンカットしてもokです。ハンダで熱しながらピンセットなどで持ち上げると、そのピンだけ浮かせることができます。面倒ならばニッパで切り取ってからハンダを外しても、IC自体外してしまっても構いません。
浮かせたピン | LINE INのバイパス |
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今度はLINE INをボリュームまでバイパスします。写真では入力LPFの手前からバイパスしていますが、好みによってチップ抵抗の下側からつないでも構いません。L と R を逆にしないように気を付けて。ここまで改造すると、MIC入力が使えなくなりLINE入力専用となります。
LINEモードのときのみモニターする
モニター機能自体取ってしまってもいいような気もしますが、一応LINEモード(96kHz/24bit入力専用)のときのみモニターするようにします。
パターンカットを忘れないようにしてください。トランジスタの近くでカットするのがいいと思います。トランジスタを外そうとしたり、足を上げようとすると簡単にトランジスタが壊れます。必ずパターンカットで対応してください。
念願のRMAA(48kHz/16bit)
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB +0.01, -0.09 ExcellentNoise level, dB (A) -95.6 ExcellentDynamic range, dB (A) 95.6 ExcellentTHD, % 0.0026 ExcellentTHD + Noise, dB (A) -86.3 GoodIMD + Noise, % 0.0094 Very goodStereo crosstalk, dB -78.6 Very goodIMD at 10 kHz, % 0.0052 ExcellentGeneral performance Excellent
バラックで定格電源を使ってテストしたのでまったく参考になりません。オリジナルはこれよりもっと悪いと思ってください。第一、電源改善済(電源ノイズ対策済)で、オリジナルとは違うコンデンサがry*1
仮にアナログ部のコンデンサを元に戻したとしても、ハンダ熱で痛んでいるためオリジナルより性能が悪化してしまいます。アナログ回路はオリジナルのままRMAA測定できたらトラックバックください。