SE-U55SXの最終改造
過去さまざまな改造(修正?)をしてきて、「元SE-U55SXだった別物の何か」とかひどい言われようのSE-U55SXですが、ついに徹底的に改造してみました。SE-U55SX(改v3)。*1
回路図
解説のため、回路図の記事から再掲載しておきます。回路図はRチャンネルのものです(写真で上側に相当)。当然Lチャンネルも改造してますが、説明では省略します。
オペアンプ変更
Q404, Q406をLM6172に、Q410(ラインバッファ)をLM6171に変更しました。Q408は交換しませんでした。Q408周辺の回路は、最終的にQ406にてフィードバック制御されるため(帰還ループ内であるため)、音質への影響は少ないと判断しました。
Q404, Q406, Q410をLME49720に変更しました。Q408は交換しませんでした。Q408周辺の回路は、最終的にQ406にてフィードバック制御されるため(帰還ループ内であるため)、音質への影響は少ないと判断しました。
入手が可能ならLME49720よりLT1364が音質が優れおすすめです。
抵抗交換
抵抗には、直列に入る抵抗が大きく音を左右し、並列に入る抵抗は音質にほとんど(全く?)関与しない不思議な性質があります。この点を考慮し音質に関わる抵抗のみニッコームRP-44Cに変更しました。*2
変更した抵抗について解説します。
抵抗 | コメント |
---|---|
R426,R428 | IV変換。この抵抗は(他のどこよりも)音質に影響する |
R430,R432 | 直列に入る抵抗。 |
R434 | 帰還電流(信号)の流れる抵抗 |
R438 | VLSC回路への入力抵抗。モニター出力とのmix用抵抗。 |
R440,R442 | VLSCの最終出力を決める帰還抵抗。 |
R454 | 出力の保護用、発振防止用の抵抗。 |
R458, R460 | 保護抵抗。削除(ジャンパ) |
その他
これは音質には関係ありませんが、VLSCの手前(回路図でR438右側)からも信号が取り出せるようにマイク端子を改造しました。これでVLSCありとVLSCなしの両方の音を聞くことができます。
まとめ
一番強烈に音が変わったのは、IV変換の抵抗とIV変換のオペアンプを変えたときでした。ここ1箇所の変更で、他全部の変更に勝るぐらいの変わりっぷりです。
抵抗の置き換えは音の混ざりをなくすこと、オペアンプの置き換えは音の解像度(明瞭度)を上げることに貢献したように感じます。改v2も相当なものでしたが、ここまで来ると全く別物ですね。設計者もこれでやっと浮かばれるでしょうか。
さてこれにて改造は終わり。長らくSE-U55SX地雷の記事にお付き合い頂き、ありがとうございました。もうONKYO製品は買いません(ぉ
※改造後の音質についてはDAC聴き比べ記事を参照してください。