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2008/07/13(日)ヘッドホンアンプ回路に悩む
2SJ74の廃盤の話がなければ、FETヘッドホンアンプを再販するつもりだったのですが、ここに来て悩んでいます。
FETヘッドホンバッファアンプ
- 利点
- 低電圧(2V)から高電圧(10~20V)まで問題なく動作する。
- 回路がとても安定である。
- 電源電圧効率が高い(電源電圧-0.2Vぐらいまで出力できる)。
- 製作が簡単。
- 欠点
- アイドル電流が多い。
- パラレルにすることで出力インピーダンスを無理矢理下げている感じがある。
- 低インピーダンスイヤホン(10Ωや16Ω)の駆動が難しい。
- 低域のしまりがやや弱い(BL4パラ構成時)
代替案
このオペアンプ1発型の電源を単3電池にしてLT1677で駆動すると大変に優秀な音が鳴ります。駆動電流も5mAぐらいで*1電池も長持ち。低域のしまりも優秀です。しかし中高域の綺麗さがやや弱い。*2
ケーブルによる音質差よりも小さいレベルなので気付かなかったことにしようかとも思ったのですが、それも釈然としない。
3V(2.4V)駆動ヘッドホンアンプ
Vgsがたった0.2Vでも動作する、2SJ74にはじまる高利得のJFETのP-ch型が製造されていないことが悩みの種。代替を求めて低電圧でまともに動作するオペアンプを探してますが、音質を考えると「そのまま使うだけ」ってのは難しそう。
さてどうしようか(いくつかアイデア検討中)。
2008/07/06(日)FET素子の増幅度(ランク)と音質
発端はKANさんのLM4880ヘッドホンアンプへのコメント。
LM4880の前段にバッファをかませてみました(2SK170・2SJ74それぞれ1ケのプッシュプルエミッタフォロワ)。(中略)、全体的にベールを一枚剥いだ感じの音質に仕上がりました。
反転アンプにバッファ付けて音質改善? なんて思ったもののためしてみるとこれが大きく変わる。しかも、Idss電流の小さいGRランクではほとんど改善効果がなく、Idssの大きいBLランクだと改善効果がある不思議。その不思議を追求して、Idssの一番大きいVランクを入手。「ええっ、こんなに変わるの?」っていう豹変っぷり。FETヘッドホンアンプを明らかに越える音質にびっくり(勘違い)。
不思議
FETのランクというのは、Idssと呼ばれるゲートソース間電圧0V時の電流値を選別したものです。Idssが増えるとgm(増幅度)が増えて出力インピーダンスが減る傾向にはあります。
これで大きく音質が変わることは、Idss以外に何かしら理由があるはずです。
- 素子雑音がIdssに比例する?
- 増幅率が良い素子ほど、なんらかの特性が向上する?
まだ分かりませんが、FETほど簡単な素子でこれほどの差が出るというのは非常に興味深い結果です。このFETの音の差は、オペアンプの選別品や広帯域品の音が良い理由に関連するように感じます。
続報
このFETヘッドホンアンプをVランクにすると音が変わるのか。
音は違います(LM4880前段に使ったときほど差はないと思いますが)。音の奥行き感や低音の力強さでVランクの方が上のようです。何気なく聞いていると結構違うような、注意深く聞いてるとまるで違わないような変な感じです。再生装置や環境によっては差が分からないかもしれませんが、環境によってはこちらよりもハッキリ違いが分かるかもしれません。*1